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スマートウォッチアプリ「Zepp」を提供するZepp Health(Amazfitの開発元)の最新ビルドから、未発表モデル「Amazfit T-Rex Dual Solar」の製品名と、ソーラー充電まわりの新しいソフトウェア一式が見つかったと、海外メディアのGadgets & Wearablesが報じている。なかでも注目されているのが、時計としての最低限の表示だけを残して他の機能を止めてしまう「Solar Boost Mode(ソーラーブーストモード)」という新しい動作モードだ。
「充電のために、あえて機能を切る」という発想は、これまでのソーラー対応スマートウォッチにはあまりなかった考え方だ。この記事では、アプリのコードから読み取れたことと、そこから見えてくるAmazfitの狙いを整理する。あくまでアプリ解析(APKティアダウン)段階の情報で、Amazfitからの正式発表ではない点は先にお断りしておきたい。
※サムネイルと本文の写真は、発売済みの「Amazfit T-Rex Ultra 2」を編集部で撮影したものです。
アプリに「Amazfit T-Rex Dual Solar」の名前が載った
Gadgets & Wearablesが解析したのは、Zeppアプリのバージョン10.7.3。ひとつ前のバージョンと比べて、新しい端末名やハードウェア関連の記述がないかを調べたところ、アプリの端末リソースの中に「Amazfit T-Rex Dual Solar」という正式な製品名がそのまま入っていたという。この名前がアプリ内で確認されたのは今回が初めてとされる。
名前そのものは、まったくの初耳というわけではない。すでに複数の認証機関のデータベースに「A2570」という型番が登場しており、これがT-Rex Dual Solarに結び付けられていた。とはいえ、認証情報は「そういう機器が申請された」ことしか教えてくれない。実際にユーザーが使うアプリ側に製品名が登録され始めたとなると、話の確度は一段上がる。
思い出しておきたいのが、前回のソーラー充電リークだ。あのときのコードには、ソーラー強度(solar intensity)や watch_face_input_power、case_back_input_power といった記述はあったものの、それがどの製品のものなのかを示す端末名がどこにもなかった。今回、その空欄がようやく埋まった格好になる。
目玉は「Solar Boost Mode」。時刻と電池残量と日射量だけになる
今回のビルドには、ソーラー関連のソフトウェアがひとまとまりで追加されている。ソーラーの統計画面、日射の強さの計測、充電の記録、通知、さらには「ソーラー充電とは何か」を説明するための解説用グラフィックまで含まれていたという。
具体的なクラス名としては、SolarStatsActivity(ソーラー統計画面)、SolarIntensityServiceImpl(日射強度の処理)、SolarIntensityDataHandler(同データの取り扱い)、SolarBatteryChargeRemotePlugin(ソーラー充電まわりの連携)といったものが見つかっている。日射の強さはkLux(キロルクス)という単位で扱われており、前回と同じくウォッチフェイス側と裏蓋側の入力電力が別々に記述されている点も引き継がれている。
そして今回いちばん目を引くのが、Solar Boost Modeだ。アプリの説明文によると、このモードに入ったスマートウォッチは時刻・バッテリー残量・日射の強さの情報だけを表示する状態になる。その代わり、それ以外のほとんどの機能が使えなくなる。具体的には、データの同期、ルートの転送、アプリ側から開始するワークアウト、そしてZeppコーチの一部機能などが停止するとされている。
さらに、充電効率が低いときに出す警告メッセージや、「このモード中はデータを同期できません」とユーザーに伝えるための文言まで用意されていたという。ここまで文言が揃っているということは、少なくとも社内では実際に動く状態まで作り込まれていると考えてよさそうだ。
なぜ機能を止めてまで充電するのか
太陽光パネルを載せたスマートウォッチというだけなら、すでにいくつも存在する。ただ、その多くは「普通に使いながら、電池の減りを少しゆるやかにする」ための仕組みだ。GarminのDual Powerモデルがまさにその代表で、太陽の下にいる時間が長いほど公称のバッテリー寿命が伸びる、という考え方になっている。SUUNTOの一部モデルも同様のアプローチだ。
Solar Boost Modeは、そこから一歩踏み込んでいる。時計の消費電力そのものをぐっと絞り込むことで、パネルから入ってくるわずかな電力が「減りを緩める」だけでなく「実際に残量を増やす」側に回りやすくする、という設計思想に見える。腕時計サイズのソーラーパネルで得られる電力はどうしても限られるので、入ってくる量を増やせないなら出ていく量を減らす、という発想は理にかなっている。
これは、山に入る人や、数日単位で充電器から離れる人にとっては、かなり現実的な機能になりそうだ。普段はスマートウォッチとしてひととおり使い、残量が心もとなくなってきたら「ここからは時計に戻す」と自分で切り替える。そういう使い方を、メーカー側が正式なモードとして用意してくれるイメージになる。タフネス系のT-Rexというシリーズに載せてくるのも、ターゲットを考えれば自然な流れだ。
まだ分かっていないこと

期待したくなる話ではあるが、コードから読み取れないことも多い。まず、どれくらいの速さで充電できるのか、どれだけバッテリー寿命が伸びるのかは一切分からない。ソーラー対応をうたう製品では、この「実際にどれだけ効くのか」が製品ごとに大きく違うため、ここが分からないうちは評価のしようがない。
ウォッチフェイス側と裏蓋側で入力電力が分けて記録されている点も、依然として解釈が難しい。文字どおり2系統の発電経路を持っている可能性もあるが、名前だけを見て「こういう構造だ」と決めつけられる段階ではない、というのがGadgets & Wearablesの見立てだ。
ハードウェア自体も、まだ何ひとつ正式に発表されていない。一方でソフトウェア側は、製品名の登録、ソーラー統計の画面、充電の記録、日射強度の計測、そしてSolar Boost Modeまでひととおり揃ってきている。アプリ解析で見つかった機能が、そのまま製品化されるとは限らない点には注意が必要だが、準備が終盤に入っている雰囲気は伝わってくる。
現行のT-Rexで「ソーラーなしの実力」を先に知っておく
T-Rex Dual Solarを待つかどうかを考えるうえで、いまのT-Rexがどれくらい電池を持つのかを知っておくと判断しやすい。現行の最上位であるT-Rex Ultra 2は、ソーラーなしでも通常使用で最大30日という水準にある。ここにソーラーが足し算されるとどうなるのか、という見方をするとイメージしやすいはずだ。
Amazfit T-Rex Ultra 2
まとめ
今回分かったのは、Zeppアプリの中に「Amazfit T-Rex Dual Solar」という製品名と、ソーラー充電を扱うための機能一式が揃ってきた、という事実だ。なかでもSolar Boost Modeは、太陽光を「おまけ」ではなく「電源」として扱おうとする姿勢が見える、なかなか思い切ったアプローチになっている。
ただし、これはあくまでアプリのコードから見つかった手掛かりであり、発売や仕様を保証するものではない。充電速度も、伸びるバッテリー寿命も、価格も発売時期も、まだ何も分かっていない。正式発表を待ちつつ、続報が出てきたらまたお伝えしたい。
Source: Gadgets & Wearables
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