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Appleが8月20日、公式YouTubeチャンネルで「Apple Watch ECG: Connor’s True Apple Watch Story」と題した約35秒の動画を公開した。トライアスロンに取り組むConnor(コナー)さんが、Apple Watchの心電図(ECG)アプリで自分の心臓の異常に気づき、その後の検査で生まれつきの心疾患が見つかって開胸手術を受けた、という実体験を本人が語る内容だ。
きっかけは、大きな異変ではなく「練習しているのに、なぜか調子が上がらない」という違和感だった。この記事では、動画で語られた経緯と、Apple Watchの心電図アプリが実際に何をしてくれる機能なのかを整理する。
「やればやるほど、動けなくなっていった」
Connorさんはトライアスロンの練習を続けていたが、体力は上がるどころか落ちていったという。本人は動画のなかで「やればやるほど、どんどん動けなくなっていった(I was just getting less and less fit the more and more I tried)」と振り返っている。
トレーニングを積んでいる人ほど、この手の不調は「疲れが抜けていないだけ」「オーバートレーニングかもしれない」と自分で説明をつけてしまいやすい。休養を増やす、練習量を落とす、といった対処でやり過ごしてしまい、心臓そのものを疑う発想にはなかなかたどり着かない。アスリートの不整脈が見逃されやすいと言われるのは、こうした事情があるためだ。
心拍数219拍/分。その場で心電図をとった
転機になったのは、ある負荷の高いトライアスロンの最中だった。Connorさんの心拍数はおよそ219拍/分まで跳ね上がった。本人も「ばかげた数字(ridiculous)」と表現している。
そこで彼は、自分のApple Watchに心電図アプリが入っていることを思い出し、その場で計測した。結果は心房細動(AFib)の兆候あり。心房細動は心臓の拍動が不規則になる不整脈の一種で、放置すると脳卒中などの合併症のリスクが高まるとされる。
数字が跳ねただけなら「そういう日もある」で終わっていたかもしれない。腕の上でその場で波形を記録できたことが、次の行動につながった。
見つかったのは、生まれつきの心臓の異常だった
Connorさんは医療機関を受診した。その結果、本人がまったく自覚していなかった先天性の心疾患が見つかり、開胸手術を受けることになった。
手術後の状態について、彼は動画で「まるでエンジンを新品に載せ替えたみたいだ。Apple Watchについては、いくら褒めても足りない(Almost like I’ve got a new engine in. I can’t say enough good things about the Apple Watch, it’s amazing.)」と語っている。
Appleは、対応モデル(Series 4以降とUltraシリーズ)の心電図アプリと心拍関連の通知が、この問題を表に出す助けになったと説明している。
Apple Watchの心電図アプリは何をしてくれるのか

心電図アプリは、Apple Watchのセンサーで心臓の電気的な活動を記録し、その波形を分類してくれる機能だ。Digital Crownに指を当てて30秒ほど静止すると、洞調律(正常なリズム)なのか、心房細動の兆候があるのかといった判定が表示される。
一方で、できないこともはっきりしている。Apple Watchは医療機器としての診断装置ではなく、心臓発作の兆候を検知することもできない。結果画面にもその旨が明記されている。異常が出たときにやるべきことは、記録したデータを持って医療機関にかかることであって、自分で判断することではない。今回のConnorさんのケースも、時計が病名を告げたのではなく、受診のきっかけを作ったという構図になる。
なお、心電図アプリとは別に、バックグラウンドで心拍を見張って不規則なリズムを知らせてくれる通知機能もある。こちらは約42万人を対象にした大規模研究でその実力と限界が検証されているので、あわせて読んでおくと過信も過小評価もせずに済むはずだ。
Appleが「実話」を発信し続ける理由
Appleは近年、Apple Watchの健康・安全機能に助けられたユーザーの体験を「True Apple Watch Story」として短い動画で継続的に公開している。直近では、マウンテンバイクの事故で意識を失ったサイクリストが転倒検知と緊急SOSで救助された事例も紹介された。
スペック表に並ぶ「心電図対応」という一行だけでは、それが自分の生活にどう効くのかは伝わりにくい。実際に助かった人がどんな状況でどう気づいたのかを見せるほうが、機能の意味は伝わる。今回のConnorさんの話も、その文脈で公開されたものだ。
心電図が使えるApple Watchを選ぶなら
心電図アプリが使えるのは、Series 4以降とUltraシリーズだ。これから買うなら、現行のSeries 11が価格と機能のバランスで選びやすい。
Apple Watch Series 11
Apple Watch以外の選択肢も含めて比べたい場合は、心電図が測れるモデルをブランド横断でまとめた記事が参考になる。
まとめ
Connorさんのケースで印象的なのは、倒れたわけでも、胸が痛んだわけでもないという点だ。「練習しているのに動けない」という、本人にしか分からない小さな違和感が入口になっている。そこに心拍数という数字と、その場でとれる心電図が加わったことで、受診という次の一歩につながった。
もちろん、これは誰にでも起こることではないし、Apple Watchが病気を見つけてくれる機械でもない。それでも、心電図アプリの存在を知っているかどうか、必要なときに使えるように設定してあるかどうかで、気づける可能性は変わってくる。手首に載せている機能を一度確認しておく価値は、十分にある。
Source: MacDailyNews/Apple
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