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まだまだ暑い日が続きます。ハンディファン、ファン付きの衣類、充電式のネッククーラー。この数年で、リチウムイオン電池を積んだ「充電して使う暑さ対策グッズ」はすっかり身近になりました。
ただ、便利になった分だけ事故も起きています。消費者庁は「みんなの消費安全ナビ」で、これらのグッズを使っていて実際に起きた事故の情報を公表し、注意を呼びかけています。
読んでみると、どれも「自分もやりそうだ」と思わされる内容でした。ここでは寄せられた事故事例と、使うときに気をつけたい点を整理します。
実際に起きている事故のかたち

リチウムイオン電池を積んだ製品の事故は、夏に集中します。NITE(製品評価技術基盤機構)が2026年7月7日に公表した資料では、6月241件、7月250件、8月275件と、6月から8月の3か月が突出していました。暑さ対策グッズを使う季節と、事故が増える季節はぴったり重なります。
このグラフを含むNITEの注意喚起の中身は、当サイトでも詳しく扱っています。
スマートウォッチも要注意 リチウムイオン電池は夏に事故が急増、NITEが「3つのC」で注意喚起
消費者庁の事故情報データバンクには、次のような事例が寄せられています。
・「携帯用扇風機を使用中、床に落とした。回り続けていたので、引き続き使っていたところ、数分後に煙が出て焦げ臭くなり、破裂音がした」
・「夜遅くに充電していたが、においがしたのでおかしいと思い、充電中の携帯用扇風機の方を振り向いたら、一瞬明るくなり爆発した」
・「ファン付衣類に使用するバッテリーを充電中、当該製品から発火する火災が発生した」
・「充電式ネッククーラーを充電中に異音がしたため、確認すると焼損する火災が発生していた」
・「混んだ地下鉄内で、背後の人が使う携帯用扇風機に髪の毛が巻き込まれた」
さらに以前の注意喚起では、パソコンのUSBケーブルにつないで充電しながら机の上で使っていた携帯用扇風機から焦げ臭いにおいがした事例や、1歳の子どもにスイッチの入ったハンディファンを渡したところ、子どもがそれをなめて唇を切ってしまった事例も紹介されていました。
大きく分けると、火が出るタイプの事故と、羽根に巻き込まれるタイプの事故があります。それぞれ気をつけるポイントが違うので、順に見ていきます。
焦げ臭いにおいと異音は、その時点でやめる
携帯用扇風機や充電式ネッククーラーなどに使われているリチウムイオン電池は、強い衝撃や圧力、高温環境、水濡れや湿気によって火災が生じることがあります。
消費者庁は、充電時や使用時に焦げ臭いにおいや異音といった異常があった場合は、ただちに使用を中止して、製造・輸入・販売事業者の修理窓口などに相談するよう呼びかけています。
事例を読んでいて印象的だったのは、最初の事例で「回り続けていたので、引き続き使っていた」という部分です。落としたあとも動いていたから大丈夫だと判断し、その数分後に煙が出ています。動いているかどうかは、安全かどうかの判断材料になりません。
落とした・ぶつけたあとがいちばん危ない

上の図はNITEの注意喚起資料によるものです(図の画像提供:一般社団法人電池工業会)。リチウムイオン電池を積んだ製品は、外部からの衝撃で電池が凹むなどすると、内部でショートが起き、発煙や発火につながるおそれがあります。
電池の内部では、プラス側とマイナス側の板がセパレータという薄い膜で隔てられています。衝撃でこの膜にキズが入ると、本来触れ合わないはずの両者が接触して異常発熱が起きる、という流れです。
やっかいなのは、見た目には何も起きていないように見えることです。落とした直後は普通に動きますし、外側にへこみが見当たらないこともあります。それでも中では傷が入っている可能性があります。
消費者庁は、使用時だけでなく持ち運ぶ際にも衝撃が加わらないよう注意し、もし強い衝撃を与えてしまった場合は使用を中止して修理窓口に相談するよう案内しています。カバンに入れて持ち歩くことが多いグッズだけに、意識しておきたいところです。
「充電しながら使う」ができるとは限らない
デスクで使うとき、ついパソコンのUSBポートにつないだまま回してしまいがちです。ところが製品によっては、充電しながら使うことで充電池が劣化し、発熱や破損のおそれがあるとされています。
充電中に使用できる製品かどうかは、取扱説明書などで確認しましょう。ここは製品ごとに違うため、前に使っていたものが大丈夫だったから今回も大丈夫、とは考えないほうが安全です。
羽根で風を起こすグッズは、周囲への気配りを
もうひとつの事故のかたちが、巻き込みです。
混んだ電車や地下鉄のなかで、後ろを確認せずに携帯用扇風機の風を首の後ろに当てていると、気づかないうちに他の人の髪の毛や、衣服についたひもなどを巻き込む可能性があります。実際に「髪の毛が吸い込まれる形で引っ張られた」という事例が報告されています。
人が集まる場所で使うときは、必ず周囲を確認してから使いましょう。自分に風を当てているつもりでも、羽根の向いている先には別の人がいるかもしれません。
人に渡すとき、子どもに持たせるとき
羽根が回っている状態で手渡すと、羽根ガードの中に指などが入ってけがをする可能性があります。他の人に渡すときは、スイッチを切ってから渡しましょう。
特に皮膚が柔らかい未就学児の場合、羽根に巻き込まれると大きなけがにつながる可能性があります。手渡す際はファンの動きが止まったことを確認し、持たせる場合は巻き込み防止ネットの活用を検討するよう案内されています。
あわせて、思わぬ窒息を防ぐため、ネックストラップを外すことも検討するよう呼びかけられています。首から下げられる形状のものは便利ですが、子どもに渡すときは別の配慮が要るということです。
買う前・使う前に確認しておきたいこと
インターネットで購入した携帯用扇風機での事故も発生しています。消費者庁は、製品の購入時には製造・輸入・販売事業者と連絡が取れることを一つの基準にするよう案内しています。安さだけで選ぶと、いざ異常が起きたときに相談先がない、という事態になりかねません。
また、使い始める前と、その後も定期的に、自分が持っている製品にリコール情報が出ていないかを確認しておくと安心です。消費者庁のリコール情報サイトで調べられます。
今回の注意喚起の元になった消費者庁のページはこちらです。
消費者庁「みんなの消費安全ナビ」Vol.690 「充電式」暑さ対策グッズ、使う時の注意
消費者庁 コラムVol.10 携帯用扇風機の扱いにはご留意を!
リチウムイオン電池の事故については、製品評価技術基盤機構(NITE)もあわせて注意を呼びかけています。本記事の図版はこの資料からのものです。
NITE「リチウムイオン電池搭載製品の事故に注意」プレスリリース(2026年7月7日)
まとめ
整理すると、気をつけたいのは次の点です。
・焦げ臭いにおいや異音がしたら、その時点で使用をやめて修理窓口に相談する
・落とした、ぶつけたあとは、動いていても使い続けない
・充電しながら使ってよい製品かどうかを取扱説明書で確認する
・人の多い場所では、羽根の向いている先を確認してから使う
・人に渡すときはスイッチを切る。子どもに持たせるときは巻き込み防止ネットとネックストラップの扱いを考える
・購入時は事業者と連絡が取れるかを基準の一つにし、リコール情報を定期的に確認する
どれも特別なことではありませんが、暑さでぼんやりしているときほど抜けやすい確認でもあります。この夏まだ使う機会はありそうなので、手元のグッズを一度見直しておくとよさそうです。
Source: 消費者庁「みんなの消費安全ナビ」/本文中の図版はNITE(製品評価技術基盤機構)プレスリリース(2026年7月7日・共同通信PRワイヤー)より(衝撃と発熱の図の画像提供:一般社団法人電池工業会)/アイキャッチはUnsplash(Photo by insung yoon)
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