Appleのティム・クック会長がCEO退任の理由を語る|iPhone Duo前に退いてターナスに追い風 助言は「私をまねるな」【海外ニュース】

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Appleロゴのビルのイメージ画像。Apple Watchは写っていない。

Appleの取締役会長(executive chairman)ティム・クック氏が、2026年9月1日にCEOを退いてから初めてのインタビューに応じました。英Independentのデビッド・フェラン(David Phelan)記者が10月7日(現地時間)、ロンドンのバタシー発電所にあるApple英国本社で話を聞き、10月8日に記事を公開しています。

クック氏は、iPhone Duoの発表を前にCEOを退いた理由を「ジョンに追い風を与えたかった」と説明しました。後任のジョン・ターナス氏との関係や、ターナス氏に伝えた助言、同じ日に始まった若者向けのクリエイティブ講座についても語っています。

クック氏はiPhone Duo発表の8日前に退いてジョンに「追い風」を渡した

クック氏がCEOを退いたのは9月1日で、ターナス氏がApple初の折りたたみiPhone「iPhone Duo」を発表した9月9日の8日前でした。Independentのフェラン記者は、多くのCEOならもう1回だけ基調講演の舞台に立ってから退いただろうと水を向けています。

クック氏の答えは「ジョンに追い風を与えたかった」というものでした。Appleにとっての追い風は製品サイクルで決まり、今回の製品サイクルは「信じられないほど良い」と話しています。iPhone Duoについては「数週間後に出る。すばらしい製品だ」と語りました。Independentによると、iPhone Duoは10月23日に発売されます。米国では10月12日から予約の準備ができるようになっています。

CEOの交代は何年も前から準備していた

交代の進み方について、クック氏は「興味深い移行だった」と振り返っています。目指したのは「史上最高の移行」で、あとから人が見て学べる教科書のような例にしたかったといいます。

準備は「実は何年も前から始まっていた」そうです。「こうしたことは短い時間ではできない。すべてが、ほぼ思い描いたとおりに進んでいる。とても気分がいい。Appleには最高のものがふさわしいから」と話しています。

ターナス氏には「私をまねるな」と助言した

Appleロゴの店舗のイメージ画像

前のCEOが会社に残り、新しいCEOが将来を描くという形を不思議がる声もあります。クック氏は気にしていない様子で、「ジョンと私は互いをとても信頼している。関係は信頼の上に成り立ち、やり取りは頻繁で中身のあるものでなければならない」と答えました。

いま力を入れているのは、世界各国の政策に関わる仕事だといいます。各国政府との窓口を務め、Appleが変化を後押ししたい課題に取り組みながら、ターナス氏が望む形で手伝っているそうです。そのうえで「口出しはしない。私は口出しする人間ではない」と言い切っています。

クック氏はかつて、スティーブ・ジョブズ氏から「ジョブズならこうするだろう、という理由で決めるな」と言われたことがあります。同じことをターナス氏にも伝え、「自分の仕事にしろ。会社の中で自分がいちばん価値を足せることに時間を使え。私をまねるな。私がスティーブをまねなかったように。人にはそれぞれ違う強みがある」と助言したと明かしました。ターナス氏はApple WatchやAirPodsのハードウェアを率いてきたエンジニアで、その経歴はジョン・ターナスとは何者かで紹介しています。

チャールズ国王が設立したKing’s Trustと若者向けの講座を始めた

インタビューが行われたのは、AppleとKing’s Trustが若者向けに始めた講座「Apple x King’s Trust Creative Labs」の2日目でした。King’s Trustはチャールズ国王が設立した慈善団体で、若者が生きる力を身につけ、仕事の機会を得られるよう支援しています。2026年は設立50周年にあたります。

講座の初回には15人の若者が参加し、音楽業界やクリエイティブの仕事に関わるワークショップでAppleの道具の使い方を学びました。講師役を務めたのは、Apple Musicでアーティスト支援を担当するプロフェット・ギロリー(Prophet Guillory)氏です。講座は今後1年かけて続ける予定です。

Appleと組む理由について、クック氏は「どちらも人の可能性を最大限に引き出すことを信じているから。それができれば地域全体を引き上げられる」と話しました。「私たちは道具を作る会社。人がそれまで作れなかったものを作れるようにする道具を作っている」とも述べ、この講座を「Appleならではの形での恩返し」と表現しています。

「慈善活動のやり方はたくさんあるが、資源だけでなく自分自身の一部を差し出せるものをやりたい」というのがクック氏の考えです。少人数で手厚く教える講座のため1回に参加できる人数には限りがあるものの、「できるだけ多くの人に届けたい」と語りました。

インタビューのあと、会場にはチャールズ国王が訪れ、クック氏と一緒に参加者と言葉を交わしました。さらに、1週間ほど前にこの会場のこけら落としを務めたエルトン・ジョン氏が参加者を迎え、その日に公演を控えた歌手のスカイ・ニューマン(Skye Newman)氏が、サウンドチェックを兼ねて短いステージを披露しています。

Apple Music Hallは空間オーディオに対応した演奏会場

会場のApple Music Hallは、バタシー発電所の中に開いたばかりのApple英国本社の演奏会場です。クック氏は「Appleならではの場所。これを作れる会社は多くないし、作ろうとする会社はもっと少ない」と話しています。

建物の造りやデザイン、空間オーディオを含む技術まで細部を詰めた場所で、トップのアーティストにもデビューしたばかりの新人にも演奏にふさわしい会場だといいます。クック氏は、生演奏の大切さを認め、それを支えていく姿勢の表れだとしています。

まとめ

CEOを退いて1か月あまりのクック氏は、Appleの取締役会長として各国の政策に関わる仕事に力を入れ、ターナス氏を手伝う立場に回っています。iPhone Duoの発表をあえて後任に譲ったのは、新しいCEOが製品サイクルの勢いに乗って始められるようにするためでした。

ターナス氏はApple WatchやAirPodsを手がけてきたハードウェア出身のCEOです。クック氏の「私をまねるな」という助言を受けて、今後の製品にどんな色を出していくのかが、これからのApple Watchを見るうえでも気になるところです。

Source: The Independent/MacRumors
画像:Unsplash、Smart Watch Life編集部撮影(Apple新宿)

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