生成AIを仕事や学習に活用する人が増える一方で、「仕組みをちゃんと理解できているか」と聞かれると、不安を感じる人も多いのではないでしょうか。
ChatGPTを使いこなすことと、LLM(大規模言語モデル)の構造を理解することは、実は別の話です。
そんなときに役立つのが、東京大学 松尾・岩澤研究室が公開している「LLM大規模言語モデル講座2024」講義スライドです。
この資料はニュースとして最近公開されたものではありません。しかし現在もウェブ上で無料公開されており、誰でもダウンロード・閲覧できる状態が続いています。
しかも、その内容は「簡単な解説資料」というレベルではありません。大学講義として構成された全12回分の本格的な教材が丸ごと公開されているのです。
Image source: Smart Watch Life (AI generated)
全12回・数百ページ規模の本格講義資料
公開されているスライドは、全12回構成。各回ごとにテーマが設定され、基礎から応用まで体系的に整理されています。
1回あたりのスライド枚数も多く、全体では数百ページ規模に及ぶボリュームです。単なる概要紹介ではなく、研究レベルの内容まで踏み込んだ講義資料がそのまま公開されています。
延べ6,000名が受講した講座の教材が、誰でも無料で読めるというのは、冷静に考えるとかなり貴重です。
どんなことが書かれているのか

内容は、生成AIの「使い方」ではなく、「なぜそう動くのか」という構造理解に重点が置かれています。
LLMの基礎と仕組み
そもそもLLMとは何か。どのような原理で文章を生成しているのか。トークン予測やTransformerの考え方など、基礎から丁寧に解説されています。
プロンプティングとRAG
実践に直結するプロンプト設計の考え方や、外部データを組み合わせるRAG(Retrieval-Augmented Generation)の仕組みも扱われています。単なるテクニック紹介ではなく、なぜ効果が出るのかまで踏み込みます。
事前学習とスケーリング則
なぜモデルを大きくすると性能が伸びるのか。データ量や計算資源との関係はどうなっているのか。現在のAI競争を理解する上で重要な理論が整理されています。
ファインチューニングとRLHF
ChatGPTなどのモデルがどのように「人間らしい応答」に近づけられているのか。RLHF(人間のフィードバックを用いた強化学習)の仕組みやアラインメントの考え方も詳しく解説されています。
安全性と社会的課題
誤情報、有害出力、バイアスなど、AIのリスクについても体系的に整理。技術だけでなく社会実装まで見据えた構成になっています。
応用・最新研究テーマ
ドメイン特化型LLMや制御分野への応用、自己修正といった最新研究動向にも触れられており、基礎から最前線までを一気通貫で学べます。
「これだけの規模」が無料で読めるという価値

生成AI関連の情報はウェブ上に大量にあります。しかし、その多くは断片的です。
一方、この講義資料はLLMの構造・学習方法・最適化・安全性・応用までを一つの体系として整理しています。
市販の専門書に匹敵する、あるいはそれ以上の分量と内容が、非営利利用の範囲で無料公開されているという点は非常に大きな価値があります。
生成AIを業務で活用する人、社内導入を検討している人、研究志向の人にとっても、土台となる知識を一気に押さえられる教材です。
こんな人におすすめ
・ChatGPTを使っているが、仕組みも理解したい人
・RAGやファインチューニングを本格的に学びたい人
・生成AI導入の意思決定をする立場にある人
・LLMの安全性やアラインメントに関心がある人
ニュース的に消費する情報ではなく、腰を据えて読み込むための資料として活用するのがおすすめです。
まとめ:無料でここまで学べる時代
生成AIの時代において、「使える」だけでなく「理解している」ことは大きな差になります。
東大・松尾研の「LLM大規模言語モデル講座」スライドは、数百ページ規模の本格教材が無料で公開されている、非常に貴重な学習リソースです。
生成AIを“触る側”から“理解する側”へ一歩進みたい人は、一度じっくり目を通してみてはいかがでしょうか。
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