MobvoiがTicNoteブランドから腕時計型の「TicNote Watch」を発売|TicWatchから退いたメーカーが録音と文字起こしを主役に戻ってきた

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TicNote Watchの正面。円形1.43インチAMOLEDに心拍数や歩数を並べた文字盤を表示している

スマートウォッチ「TicWatch」で知られたMobvoiが、AIボイスレコーダーのブランド「TicNote」から腕時計型の新モデル「TicNote Watch」を売り出しました。2026年9月17日には公式Xアカウントが発表を投稿し、公式ストアでは価格199ドルで注文できるようになっています。

Wear OSのスマートウォッチから事実上退いたメーカーが、録音と文字起こしを主役にした別の形で腕時計型デバイスに戻ってきた形です。何ができる製品なのかを、公式サイトに書かれている範囲で整理しました。

公式Xアカウントの発表

TicWatchから退いたMobvoiが腕時計型に戻ってきた

Mobvoiは、Googleの出資を受けたことでも知られる中国のAI企業です。Wear OSを搭載した「TicWatch」シリーズで長く知られてきましたが、2025年末には米国市場から製品が消え、スマートウォッチ事業が事実上終了したのではないかと報じられました。

その後のMobvoiが力を入れてきたのが、名刺サイズのAIボイスレコーダー「TicNote」です。録音した音声をAIが文字起こしして要約するデバイスで、SWLでも実機レビューを掲載しています。

今回のTicNote Watchは、そのTicNoteのブランドから出た腕時計型のモデルです。2026年1月のCES 2026で「世界初のAIノートテイキング・スマートウォッチ」として発表された製品が、9か月を経て価格と仕様の付いた製品として店頭に並んだことになります。

腕元で録音して文字起こしと要約まで任せる

TicNote Watchの画面に英語の会話がリアルタイムで文字起こしされ、120以上の言語と17言語のライブ字幕に対応すると記載されている

腕元で録音した会話をその場で文字にする(画像:TicNote/Mobvoi)

TicNote Watchの中心にあるのは、会議や講義、インタビューの音声を腕元で録って、文字起こしと要約まで済ませる機能です。公式サイトによると、対応するのは120以上の言語と方言で、画面上のライブ字幕は17言語に対応します。同社は文字起こしの精度を98%以上、表示までの遅れを1.5秒未満としています。

録音まわりの数字も公開されています。連続録音は24時間以上、本体に保存できる音声は200時間以上で、ストレージは4GB、保存形式はMP3とOpusです。録音した内容はTicNoteのAIエージェント「Shadow」に渡され、複数の録音をまたいで質問したり、調査レポートやプロジェクトの資料にまとめたりできると説明されています。

録音の始め方は長押しとダブルタップの2種類

TicNote Watchをダブルタップして最大60秒のボイスメモを録音している様子

ダブルタップで最大60秒の思いつきメモを残せる(画像:TicNote/Mobvoi)

録音の入り口は2つに分かれています。2秒の長押しで始まるのが会議や講義向けの録音で、複数の話者を整理して要約とタスクの抽出まで行います。もう一方のダブルタップは、思いついたことを最大60秒で残すボイスメモ用です。仕事の記録と個人のメモが混ざらないように、最初から入り口を分けてある作りです。

取材や打ち合わせでスマートフォンを取り出すのがためらわれる場面は少なくありません。腕を上げるだけで録音が始まるなら、その手間は確かに減ります。一方で、相手のいる場で録るときに断りを入れる必要があるのは、レコーダーでも腕時計でも変わりません。

健康管理と運動の記録もひととおりそろう

TicNote Watchを斜めから写し、1.43インチAMOLEDディスプレイと60.2gという重さが記載されている

1.43インチAMOLEDで本体重量は60.2g(画像:TicNote/Mobvoi)

スマートウォッチとしての機能もひととおり載っています。ディスプレイは1.43インチのAMOLED、本体の重さは60.2gです。GPSを内蔵し、100種類以上のアクティビティに対応します。健康まわりは血中酸素レベル、心拍数、ストレス、睡眠を測れて、心拍数は異常値の通知にも対応すると説明されています。睡眠は深い睡眠、浅い睡眠、レム睡眠に分けて記録します。

録音を主役にした製品ですが、計測できる項目は一般的なスマートウォッチと大きくは変わりません。腕に着けている時間が長いほど記録も増えるので、レコーダーを別に持ち歩くより自然に使える場面はありそうです。

公式サイトで分からなかったこと

一方で、購入を判断するうえで知りたい情報のうち、公式サイトで確認できなかったものもあります。搭載しているOSの名前、スマートウォッチとしてのバッテリー駆動時間、対応するスマートフォンのOS、そして日本語の文字起こしに対応するかどうかは、製品ページに記載が見当たりませんでした。

日本での販売についても案内はありません。公式サイトに並んでいる認証はFCC・IC・CE・RoHSなどで、日本の技適に関する記載は見当たりませんでした。海外から個人輸入する形になる場合は、技適やSuicaなど買う前に確認したい点を先に押さえておくことをおすすめします。

録音データの扱いについては、公式サイトが米国のクラウドを使うと明記しています。取材や会議の音声を預ける以上、ここは確認しておきたい部分です。

主な仕様と価格

製品名 TicNote Watch
価格 通常249ドル
執筆時点のセール価格199ドル
ディスプレイ 1.43インチAMOLED
重さ 60.2g
録音 連続24時間以上
保存200時間以上/4GB(MP3・Opus)
文字起こし 120以上の言語と方言
ライブ字幕17言語(同社は精度98%以上・遅延1.5秒未満としている)
録音の開始 2秒の長押し(会議向け)
ダブルタップ(最大60秒のメモ)
計測 血中酸素レベル・心拍数・ストレス・睡眠
GPS内蔵で100種類以上のアクティビティ
保証など 30日間の返品対応・1年保証
日本での販売 公式サイトに記載なし

公式サイトで詳細を見る

まとめ

TicNote Watchは、Wear OSのスマートウォッチから退いたMobvoiが、AIボイスレコーダーで積み上げた録音と文字起こしを腕時計に載せ直した製品です。価格は通常249ドル、執筆時点では199ドルで、公式ストアから注文できます。

スマートウォッチとして健康や運動の記録もひととおりこなしますが、この製品の中心はあくまで録音と文字起こしです。日本語の文字起こしや日本での販売、技適については公式サイトに記載がないため、日本の読者にとってはまだ様子を見る段階といえます。AIボイスレコーダーをすでに使っている人にとっては、「腕に着けたまま録れる」ことにどれだけ価値を感じるかが判断の分かれ目になりそうです。

Source: TicNote(Mobvoi)公式サイトMobvoi_Official(X)
画像: TicNote(Mobvoi)

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