Samsung Galaxy Budsの補聴器機能が米FDAの認可を取得|Buds3 ProとBuds4 Proが市販の補聴器として使えるように【海外ニュース】

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青い立体的なSamsungのロゴ。サムスンのウェアラブル新製品に関するニュースのイメージ

耳の聞こえが気になっても、補聴器を買うとなると値段も手続きもハードルが高い。そう感じている人は少なくないはずです。手持ちのイヤホンがその入り口になるかもしれません。

サムスン電子は2026年9月18日、Samsung Galaxy Budsの補聴器機能が米国食品医薬品局(FDA)の認可を取得したと発表しました。対応するモデルをOTC補聴器として使えるようになり、18歳以上で軽度から中等度の難聴を自覚している人が、処方箋や医療機関の受診なしに利用できます。

FDAが認可したのは市販の補聴器として使う機能

OTC補聴器とは、店頭やオンラインで直接買える市販の補聴器のことです。これまでは医療機関で聴力を測り、専門家の調整を受けて手に入れるのが一般的でしたが、米国では2022年から処方箋なしで買えるOTC補聴器の区分ができています。今回の認可で、Galaxy Budsがそのカテゴリーの製品として使えるようになりました。

サムスンによると、この機能はSaMD(医療機器プログラム)として登録されており、騒がしい場所で会話が聞き取りにくいと感じる人が、受診なしで使えるようになります。

聴力検査は約5分で左右の耳を別々に測る

Galaxy Budsの聴力検査結果の画面。左耳は軽度、右耳は中等度の難聴と表示され、右側には周波数ごとの聞こえを示すオージオグラムが並んでいる

聴力検査の結果画面とオージオグラム(画像:Samsung)

設定画面のGalaxy Budsメニューから、自分ひとりで約5分の聴力検査を受けられます。別途アプリを入れる必要はありません。左右の耳を個別に測り、結果はオージオグラム(聴力図)として表示されます。聞こえの状態は「正常」と、「軽度」「中等度」「高度」「重度」の4段階の難聴に分類されます。

サムスンは、この検査に臨床レベルの純音聴力検査を用いたソフトウェアを使っており、専門の言語聴覚士による評価に匹敵する精度の結果が得られるとしています。ただし同社も注記しているとおり、この機能は有資格の医療専門家による診断や治療に代わるものではありません。気になる症状があるときは耳鼻科で相談するのが前提です。

補聴器機能は聞こえにくい音だけを持ち上げる

Galaxy Budsの補聴器機能の設定画面。音量の左右調整、音の方向、周囲の雑音を抑えるレベルのスライダーが並んでいる

補聴器機能の設定画面(画像:Samsung)

検査結果をもとに、補聴器機能はその人が聞き取りにくい音を増幅します。高い音、周囲のささやき声、遠くの声などが対象です。正面から届く音に焦点を当てて背景の雑音を抑えるノイズ除去やビームフォーミングにも対応しており、サムスンによると高価格帯の補聴器に搭載されることが多い機能だといいます。

増幅のしかたには、処方補聴器の調整に使われる臨床標準の処方式であるNAL-NL2を採用しています。聴力のプロファイルに合わせて、どの高さの音をどれだけ持ち上げるかを決める計算式です。騒音にさらされた量や聴力検査の結果は、Samsung Healthアプリでまとめて確認できます。

対応するのはBuds3 ProとBuds4 Proの2機種

使える機種と条件は次のとおりです。

対応イヤホン Samsung Galaxy Buds3 Pro/Samsung Galaxy Buds4 Pro
必要な環境 すべての機能を使うにはOne UI 9以降に対応したGalaxyデバイス
対象となる人 18歳以上で、軽度から中等度の難聴を自覚している人
提供開始 2026年第4四半期(10〜12月)
提供地域 米国および必要な認可を取得した一部の国と地域
位置づけ SaMD(医療機器プログラム)として登録。診断や治療に代わるものではない

日本で使えるようになるかは、今回の発表では分かりません。リリースには「必要な認可を取得した一部の国・地域で提供」とあるだけで、日本の名前は挙がっていません。利用の可否は国や地域、モデル、つなぐ機器によって変わるとも注記されています。

世界で15億人以上が難聴を抱えている

サムスンが挙げた背景は、聞こえの問題の大きさです。世界保健機関(WHO)の推計では、世界で15億人以上が何らかの難聴を抱えており、2050年には25億人に達すると予測されています。それでも補聴器が役に立つ可能性のある多くの人が、費用の高さ、社会的な偏見、専門的なケアへのアクセスの制約を理由に使っていません。

イヤホンの側から聴覚をケアする流れは、以前から少しずつ広がっています。CASIOが立ち上げた耳をふさがないヒアリングアシストイヤホンのように、補聴器とイヤホンの間を埋める製品も出てきました。日常的に着けているものが入り口になれば、受診まで踏み切れなかった人が自分の聞こえを知るきっかけになります。

2020年のPSAPから積み上げてきた機能

サムスンがこの分野に取り組み始めたのは2020年です。「Samsung Galaxy Buds+」に、音を増幅するPSAP(個人用音響増幅製品)機能を搭載しました。PSAPは補聴器とは別の区分で、聞こえを補助する製品を指します。この機能は2021年に、難聴のある人の日常的なコミュニケーションを支える手段として臨床的に検証され、今回の補聴器機能の土台になりました。

開発にあたっては、オーストラリアのNational Acoustic Laboratories(NAL)とSamsung Medical Center(SMC)が協力しています。Vanderbilt University Medical Center、San Jose State University、University of Memphisで実施された臨床検証研究によって有効性が裏付けられた、と同社は説明しています。

AppleはすでにAirPods Proで日本でも提供している

同じ仕組みは、Appleが先に実現しています。AirPods Proの補聴器機能は市販の補聴器ソフトウェアとして米FDAの認可を受けており、18歳以上で軽度から中等度の難聴がある人が対象という条件もGalaxy Budsと同じです。

違いは提供地域です。Appleの機能提供状況のページによると、聴力テストと補聴器機能は日本でも使えます(自動の会話ブーストが付く補聴器機能は対象外)。SWLでもAirPods Proのヒアリングチェックを実際に受けた記事を公開しています。Galaxy Budsの側は米国が先で、日本を含む他の国での提供時期は現時点で示されていません。

まとめ

Samsung Galaxy Budsの補聴器機能が米FDAの認可を取得しました。対応するのはGalaxy Buds3 ProとGalaxy Buds4 Proで、すべての機能を使うにはOne UI 9以降のGalaxyデバイスが必要です。提供は2026年第4四半期に、米国と必要な認可を取得した一部の国と地域から始まります。

聴力検査は約5分で終わり、結果に合わせて聞き取りにくい音が持ち上がります。手元のイヤホンで自分の聞こえを知れるのは大きな前進ですが、対象は自覚のある軽度から中等度の難聴で、診断や治療に代わるものではありません。日本での提供が案内されるかどうかは、続報を待つことになります。

Source: サムスン電子ジャパン プレスリリース(共同通信PRワイヤー)Apple AirPods Pro Hearing Health Feature AvailabilityFDA
画像: Samsung

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