フィリップスがFuture Health Index 2026を発表|医療従事者の50%がAIで診る患者増 週平均8人 64%は個人のAIも使用

NEWS

公開日:

フィリップスのグローバル調査レポート「Future Health Index 2026 医療現場で進むAI活用」の表紙。眼鏡をかけた医療従事者の写真

2026年10月15日、フィリップス・ジャパンが、医療従事者と患者を対象にしたグローバル調査レポート「Future Health Index 2026:医療現場で進むAI活用―いま、医療の未来を形づくる」を発表しました。医療従事者の50%が「AIによってより多くの患者を診療できるようになった」と答えています。

11回目となる今回は、AIの「可能性」ではなく、すでに医療現場で出ている具体的な影響と、測定できる成果に絞って調べています。AIを使う医療従事者が増える一方で、職場のトレーニングやルールづくりが追いついていない実態も数字に表れました。

調査の対象は10カ国 医療従事者2,000人超と患者20,000人超

Future Health Indexは、フィリップスの委託で実施されているグローバル調査です。2026年版は、次の10カ国で行われた定量調査にもとづいています。

・ブラジル、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、オランダ、サウジアラビア、英国、米国
・医療従事者 2,000人超
・患者 20,000人超

対象国に日本は含まれていません。レポートの全文は、フィリップスの公式ページから「レポートをダウンロード」で読めます。

医療従事者の50%がAIで診る患者が増加 平均で週8人

医療従事者の50%がAIでより多くの患者を診療できるようになり、47%が残業や自宅への仕事の持ち帰りが減ったと回答したことを示す円グラフ

医療従事者の50%が、AIによってより多くの患者を診療できるようになったと回答しました。診療できる患者が増えた人に限ると、1週間あたり平均で8人多く診られるようになったといいます。

仕事の進め方についての回答は次のとおりです。

AIによる変化(医療従事者の回答) 割合
ワークフローの効率が改善した 71%
意思決定への確信が向上した 65%
医療チーム間で統合された患者データへのアクセスが改善した 57%
ワークライフバランスが改善した 50%
残業や自宅への仕事の持ち帰りが減った 47%

病院の経営側では、ヘルスケアリーダーの62%が、AIへの投資によるメリットは「コストに見合う、またはコストを上回っている」と答えています。

64%は職場のAIで足りず個人のAIツールも使用

医療従事者の64%が職場のAIツールで足りない場合に個人のAIツールを使い、82%が自身の役割がより価値の高い臨床業務へ変わると回答したことを示す図

世界の医療従事者の64%が、職場で用意されたAIツールでニーズを満たせない場合、個人で使っているAIツールを使うと回答しました。現場のAI活用が先に広がり、組織側の環境づくりが追いついていない可能性があると、フィリップスは見ています。

トレーニングも途上です。医療従事者の70%が、所属先でのAI搭載ツールのトレーニングについて「利用できない、限定的、または一貫性がない」と答えています。また82%が、自分の役割はすでに、または将来的に、より価値の高い臨床業務に重点を置くものへ変わると回答しました。

AIエージェントの支援を65%が想定 単独の判断を任せる人は10%未満

医療従事者の65%がAIエージェントの意思決定支援、63%が患者のケアチーム参加を想定し、AIを使う患者の58%が診察の準備ができたと回答したことを示す棒グラフ

医療従事者の65%は、将来AIエージェントが臨床上の推論や意思決定の一部を支援するようになると考えています。ただし、多くの臨床判断でAIが独立して判断・行動することを受け入れる医療従事者は10%未満でした。

患者側の変化も調べています。医療従事者の63%が、AIでより多くの情報を得た患者が将来ケアチームの一員になると回答。健康・医療情報を得るためにAIを使っている患者の58%は、生成AIによって診察に向けてより十分な準備ができたと答えました。

90%が「AIが進歩しても人の関与は不可欠」と回答

医療従事者の90%が、AI技術が進歩しても人が関与し続けることが不可欠と答え、86%がAIの出力にはすべて人による監督が必要だと考えています。レポートは、AIをワークフロー・データ・医療チームに責任ある形で組み込み、医療従事者がより価値の高い業務に集中できる環境を整えることが大切だとまとめています。

まとめ

Future Health Index 2026は、医療現場のAIが「試す段階」から「成果を数える段階」に入ったことを、10カ国の医療従事者2,000人超と患者20,000人超の回答で示した調査です。患者が増えても診られる、残業が減るといった効果が出ている一方、64%が個人のAIツールに頼り、70%がトレーニング不足を感じています。

患者の58%が生成AIで診察の準備ができたと答えている点は、自分で調べた情報や健康データを持って受診する流れとつながります。スマートウォッチやスマートリングの記録を医師と共有する動きについては、米国でウェアラブルの健康データが診察室へ向かう流れも参考にしてください。

Source: フィリップス・ジャパン プレスリリース / Future Health Index 2026 グローバルレポート

あわせて読みたい関連記事

米国の成人の46%がウェアラブルを持ち、健康データが診察で使われ始めています。

米成人の46%がウェアラブル所有、健康データは“診察室”へ|FDA規制緩和とOura・Whoopが牽引する次の10年

入院患者のバイタルをスマートウォッチで自動記録する病院が国内にも出てきました。

HUAWEI WATCH D2で入院患者のバイタルを自動記録|恵寿総合病院が10月19日開始 300台で2027年1月に全病棟へ

Apple Watchなどのデータを診療に生かす専門外来の事例をまとめています。

「Apple Watch・スマートウォッチ外来」続々誕生!国内外の最新活用事例まとめ

患者が生成AIで受診の準備をする使い方は、ChatGPTのヘルスケア機能でも始まっています。

ChatGPTは“健康の壁打ち相手”になる。OpenAIが発表した「ChatGPT ヘルスケア」と実体験が重なる理由

睡眠時無呼吸の潜在患者と治療を受けている人の差、スマートウォッチの通知の役割を整理しました。

睡眠時無呼吸の潜在患者940万人に対し、CPAP治療は73万人|スマートウォッチの「気づき」はどこで止まっているのか

 はじめての方・記事の探し方に迷った方へ
記事が多くて迷ったら、 記事の探し方ガイド から目的別に読めます。

※本記事のリンクから商品を購入すると、売上の一部が販売プラットフォームより当サイトに還元されることがあります。掲載されている情報は執筆時点の情報になります。
     

関連記事