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ガーミンのウォッチは、ランニングやサイクリングの記録からVO2 Max(最大酸素摂取量)を推定して表示します。VO2 Maxは、運動中に体が取り込んで使える酸素の最大量を推定した値で、有酸素能力や心肺持久力の目安として使われています。
この記事では、Garminが公式サイトで公開しているVO2 Maxの技術解説と、2026年9月2日に更新されたサポートページをもとに、ガーミンがVO2 Maxをどう推定しているのかと、推定値が出るための条件、機種ごとに対応しているアクティビティを紹介します。「走ったのにVO2 Maxが表示されない」というときの確認にも使えます。
VO2 MaxはFirstbeat Analyticsのエンジンが走りのデータから推定する

GarminのウォッチにはFirstbeat Analytics™のエンジンが入っていて、ランニング中のデータから必要なものを選び出し、分析してVO2 Maxを推定します。
もとになるのは、走るペース(外的負荷)と、そのペースを出すために体がどれだけ頑張っているか(内的負荷=運動強度)の関係です。Garminによると、この2つの関係はふつう直線的で安定していて、速く走るほど体はより激しく働く必要があります。
推定に使うのは、走りのなかでフィットネスレベルの評価に役立つ部分だけです。加速や減速、上り坂・下り坂、交差点での停止などは気にしなくてよく、特別なフィットネステストをしなくても、普段どおりに走るだけで推定されます。
推定したVO2 Maxは、これまでのアクティビティの履歴と組み合わせて、次のような情報にも使われます。
・トレーニング効果のフィードバック
・回復時間の推定
・1週間のトレーニング負荷の適切な範囲
・現在のトレーニングステータスの判断
暑さや高地、トレイルでは体の負担を考えに入れて推定する
高温多湿の環境や標高の高い場所では、同じペースを保つのに体がいつもより頑張らなければなりません。Garminによると、最近のGarminデバイスの多くは、対応するスマートフォンとペアリングしていれば、こうした状況を自動で認識し、パフォーマンスデータへの影響を考えに入れます。
これはトレーニングステータスの判断にも関わります。トレーニングステータスの画面は、現在のトレーニング負荷と活動の履歴をもとに、VO2 Maxの変化を読み解いてフィードバックします。暑さや高度による有酸素パフォーマンスの低下や、不整地の影響を考えに入れないと、トレーニングが「非生産的」や「オーバートレーニング」と誤って判断されるおそれがある、とGarminは説明しています。
トレイルランニングは、起伏や地形の変化で余分な力が要ります。そこで一部のGarmin GPSウォッチでは、加速度センサーのデータもFirstbeat Analyticsのエンジンに取り込み、足元の変化をパフォーマンスと体の負荷の分析に入れたうえで、VO2 Maxを推定できるようになっています。
暑さへの順応は毎日さらされて1〜2週間
Garminの解説では、体が暑さに慣れる速さは、主に次の2つで変わります。
・慣れようとしている環境と、ふだんの環境との差(差が大きいほど時間がかかる)
・トレーニングの頻度と時間、新しい環境で屋外にいる時間
順応は、その環境に直接さらされることで進みます。厳しい気候に毎日長い時間さらされると、1〜2週間ほどで必要な適応が得られるという根拠があるとしています。VO2 Maxが高いアスリートはふつう順応が速く、期間が半分ほどに縮まることもあるそうです。
暑さに順応すると起こる体の変化として、Garminは次の4つを挙げています。
・汗をかく働きがよくなる
・皮膚の血流の反応がよくなる
・心血管系が安定する(血圧と心拍出量を保てるようになる)
・体液と電解質のバランスがよくなる
推定に必要な共通の条件は年齢・最大心拍数の設定と心拍データ
Garminのサポートページ(2026年9月2日更新)には、VO2 Maxの推定値が出るための条件がまとめられています。推定値は、Garmin Connectのアカウントと、一部のGarminデバイスで確認できます。
どのアクティビティにも共通する条件は、次の3つです。
・Garmin Connectのユーザープロフィールで、年齢と最大心拍数が正しく設定されている
・アクティビティに、内蔵の光学式心拍計か、対応する胸部心拍計(ハートレートセンサー)で記録した心拍データが入っている
・ほとんどの推定で、必要な時間のあいだ、心拍数が最大心拍数の70%以上に達している
心拍数70%以上を保つ必要がある時間は、アクティビティの種類やデバイスによって変わります。
ランは屋外のGPSで10分以上、サイクリングはパワー計が必要

アクティビティごとの条件は次のとおりです。
| アクティビティ | 主な条件 |
|---|---|
| ラン/トレイルラン/ウルトララン | GPSを使って屋外で記録する。アクティビティの時間が10分以上。最大心拍数の70%以上を連続10分以上保つ。対応デバイスでは「パックウェイト」をオフにする |
| ラン(一部のvívo/Venu/Lily/CIRQA) | ランのアクティビティで記録する。アクティビティの時間が15分以上。コネクテッドGPSが必要な場合がある |
| ウォーク | GPSを使って屋外で記録する。アクティビティの時間が10分以上。対応デバイスでは「パックウェイト」をオフにする(一部のvívo/Venu/Lily/CIRQAは15分以上で、コネクテッドGPSが必要な場合がある) |
| サイクリング | アクティビティの時間が20分以上。最大心拍数の70%以上を連続20分以上保つ。対応するパワー計が必要 |
| 屋内ローイング | fēnix 9シリーズと、パワーメーターを搭載したローイングマシンをペアリングする。アクティビティの時間が20分以上。最大心拍数の70%以上を連続20分以上保つ |
| ウォーク・ラン(GPSを内蔵していないデバイス) | アクティビティの時間が15分以上。速度4km/h以上を保つ。最大心拍数の70%以上を連続15分以上保つ |
トレイルランとウルトラランでは、対応デバイスにある「VO2 Max記録」の設定を有効にしないと推定値が出ません。
サイクリングは、対象となるアクティビティのすべてで推定できます。推定値が出ないときは、屋内トレーナーを使うと運動の強さを一定に保ちやすく、推定値を取りやすくなることがある、とGarminはヒントを添えています。
推定できるアクティビティは機種で違い、fēnix 9は屋内ローイングにも対応
どのアクティビティでVO2 Maxを推定できるかは、機種によって違います。サポートページの一覧から、主な機種を抜き出すと次のとおりです(○が対応)。
| 機種 | ラン | トレイルラン | ウルトララン | ウォーク | サイクリング |
|---|---|---|---|---|---|
| Forerunner 70 | ○ | ○ | ○ | - | - |
| Forerunner 170シリーズ | ○ | ○ | ○ | - | ○ |
| Forerunner 265シリーズ | ○ | ○ | ○ | - | ○ |
| Forerunner 570 | ○ | ○ | ○ | - | ○ |
| Forerunner 970 | ○ | ○ | ○ | - | ○ |
| Venu 4 | ○ | ○ | ○ | - | ○ |
| Venu X1 | ○ | ○ | ○ | - | ○ |
| vívoactive 6 | ○ | ○ | - | - | - |
| fēnix 8シリーズ | ○ | ○ | ○ | - | ○ |
| fēnix 9シリーズ | ○ | ○ | ○ | - | ○ |
| fēnix E | ○ | ○ | ○ | - | ○ |
| Instinct 3シリーズ | ○ | ○ | ○ | - | ○ |
| Enduro 3 | ○ | ○ | ○ | - | ○ |
| Lily 2シリーズ | ○ | - | - | ○ | - |
| CIRQA Smart Band | ○ | - | - | ○ | - |
fēnix 9シリーズは、ラン・トレイルラン・ウルトララン・サイクリングに加えて、屋内ローイングでもVO2 Maxを推定できます。Venu 3シリーズやvívoactive 5のように、ランとウォークで推定する機種もあります。
一覧に載っていない機種は、操作マニュアルで「VO2 Max」を検索して対応を確かめるよう、Garminは案内しています。全機種の一覧は、Garminのサポートページ「GarminのVO2 Max(最大酸素摂取量)の要件と対応アクティビティ」で見られます。
他社のアプリで記録したアクティビティは対応サービスのものだけ反映
Garmin以外のサービスで記録したアクティビティは、対応するサードパーティのプラットフォームで記録した対象のアクティビティだけが、VO2 Maxの推定値に反映されます。どのサービスが対象かは、Garminのサポートページ「サードパーティのアクティビティはGarminのトレーニング指標に影響しますか?」で案内されています。
ガーミンでVO2 Maxが表示されないときは、プロフィールの年齢と最大心拍数、心拍データが取れているか、アクティビティの長さと心拍数の高さ、屋外でGPSを使ったかを順に見直すと、原因を絞り込めます。VO2 Maxそのものの意味や、数値の上げ方は、下の記事で紹介しています。
Source: Garmin VO2 Max(ランニングサイエンス)/Garmin サポートセンター
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