日本国内で心電図(ECG)アプリを使えるスマートウォッチは、2024年時点でApple Watchのみでした(※一部Garmin・HUAWEI製品も2025年以降対応)。
Apple Watchは医療機器としての認可を受けたことで、iPhoneとの連携で心電図データを取得・記録・保存できるようになっています。
この記事では、Apple Watchの心電図機能について
・使い方の手順
・記録結果の見方
・医師への提出方法
・関連機能(不規則な心拍通知)
などをわかりやすく解説します。
まずは実際の使用シーンを動画で確認してみましょう。
Apple Watchの心電図機能を動画で紹介!
設定から計測までの流れは非常にシンプルです。
・iPhoneのヘルスケアアプリで初期設定(生年月日の入力)を行う
・Apple Watchを装着し、心電図Appを起動
・腕を安定した場所(机や膝)に置く
・反対の手の指をDigital Crownに軽く触れる(押さない)
・約30秒で記録完了、分類結果が表示される
・症状があれば記録して保存する
医療用PDFレポートは、iPhoneのヘルスケアアプリから閲覧・保存可能です。
医師に提出するためのPDFレポートまで作ってくれるのが非常にすばらしいですね。
記録された心電図データは、iPhoneの「ヘルスケア」アプリの「心臓」カテゴリから確認できます。
「洞調律」「心房細動」などの診断結果の意味を解説!
測定結果は洞調律、心房細動、低心拍数、高心拍数、判定不能のいずれかに分類されます。
何も問題ない方は「洞調律」とおそらく判定されるでしょう。筆者も上のように「洞調律」と診断されました。
それぞれの判定の意味は以下のような形です。
●洞調律(どうちょうりつ)
心臓が 50 ~ 100 BPM の一定パターンで拍動していることを意味し、心房と心室の拍動のリズムが揃っている場合に起きます。簡単に言えば、「計測時には心臓が正常なリズムを示している状態だった」という結果ですね。
●心房細動(しんぼうさいどう)
心臓が不規則なパターンで拍動していることを意味します。心房細動は、深刻な不整脈や不規則な心拍リズムの典型的な一種なので、これまでに心房細動と診断されたことがない方は医師の診察を受けてください。
●高心拍数または低心拍数
心電図バージョン 1 で心拍数が 50 BPM を下回る場合や 120 BPM を上回る場合や、心電図バージョン 2 で心拍数が 50 BPM を下回る場合。
心拍数が低い理由としては、なんらかの薬の服用や、心臓全体に電気信号が正しく伝導していないことが考えられます。スポーツ選手さながらに体を鍛えている場合も、心拍数が低くなる傾向にあります。
心拍数が高い理由としては、運動、ストレス、緊張、アルコール、脱水症、感染症、心房細動、ほかの種類の不整脈などが考えられます。
●判定不能
判定不能という結果は、記録を分類できないことを意味します。原因としては、以下のいずれかの状況が考えられます。
・心電図バージョン 1 で、心拍数が 100 ~ 120 BPM であり、心房細動ではない場合。
・ペースメーカーや植え込み型除細動器 (ICD) を使っている場合
・記録状態が良好でない場合
などに起こるもの。記録状態をよくするためには、下記のようなことを心がけるとよいでしょう。
・記録中は腕を机や膝の上に置いておく。
・リラックスし、なるべく動かないようにする。
・「設定」で選択されている手首に Apple Watch を装着しているか確かめる。
・コンセントに差し込まれている電化製品から離れて、電気的干渉が起きないようにする。
・Apple Watch の装着がゆるすぎないか確かめる。バンドがぴったりとフィットし、Apple Watch の背面が手首に触れている必要があります。
・手首と Apple Watch がきれいで乾いた状態になっているか確かめます。水分や汗によって記録状態が悪くなることがあります。
【参考】Apple公式サポート:
https://support.apple.com/ja-jp/120278
判定不能を避けるには?
測定環境の整備が重要です。以下の点をチェックしましょう。
・計測中は腕を固定してリラックスする
・Apple Watchは装着位置・左右を正確に設定
・バンドはぴったりフィットさせる
・肌やWatchは乾いた清潔な状態に保つ
・電子機器(コンセント等)から距離を置く
不規則な心拍の通知をしてくれる機能も!
Apple Watchには、心拍数の異常やリズムの乱れを自動的に検知し通知してくれる機能もあります。
設定は以下のように行います。
・iPhoneのヘルスケアアプリを開く
・「心臓」カテゴリ内の「不規則な心拍の通知」を選択
・オンに設定するだけで、自動的に検出・通知を開始
なお、実際に心房細動が発見された人は日本でも一定数おり、Twitterで話題になったこともあります!
【参考】Apple公式ニュースリリース(2021年):
https://www.apple.com/jp/newsroom/2021/01/ecg-app-and-irregular-rhythm-notification-coming-to-apple-watch/
まとめ:Apple Watchの心電図アプリは「日常の安心」を提供
Apple Watchの心電図機能は、使い方が簡単でありながら医療レベルの記録が可能な、非常に優れたヘルスケア機能です。
・異常に早く気づける
・PDFレポートで医師と共有可能
・不規則な心拍も自動で通知
・毎日の健康管理のサポートに
Apple Watchをお持ちの方は、ぜひこの機能を活用して「自分の心臓の状態を知る」習慣を取り入れてみてください。
●執筆者:スマートウォッチライフ編集部
日本初のスマートウォッチのウェブメディア。編集部には50本以上のスマートウォッチがあり、スマートウォッチ・Apple Watchの選び方や入門者向けの記事を多く配信しています。日本唯一のスマートウォッチ専門ムック本『SmartWatchLife特別編集 最新スマートウォッチ完全ガイド』(コスミック出版)を出版したほか、編集長はスマートウォッチ専門家としてテレビ朝日「グッド!モーニング」や雑誌『anan』(マガジンハウス)にも出演。You Tube「スマートウォッチライフ」(チャンネル登録者7000人程度)でも各種レビューを行っています!
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