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今年のAppleのソフトウェア更新は、どうしても新しいSiriの話題ばかりが注目されがちです。ただ、Apple Watchを毎日使っている人にとって、この秋のwatchOS 27で本当に効いてくるのは、もう少し地味なところにあります。海外メディアのAppleInsiderが、公開中のベータ版から確認できる変更点を50個まとめて紹介しました。ホーム画面の見え方から「探す」アプリの統合、バッテリーの持ちまで、日々の使い勝手に直結する内容が並んでいます。ここでは、そのなかから日本のApple Watchユーザーが押さえておきたいポイントを整理してご紹介します。
Digital Crownを押した先が変わる「ダイナミックアプリグリッド」
watchOS 27では、サイドのDigital Crownを押したときに表示される画面が新しくなります。中央にSiriのアイコンが置かれ、その周囲を5つのアプリが囲むレイアウトで、6つ目の位置には常にリスト表示への切り替えが配置されます。
このとき並ぶ5つのアプリは、固定ではありません。時間帯や現在地といった手がかりをもとに、Apple Watch本体の知能が「今このアプリを使いたいのでは」と判断して選び出します。朝の通勤時と夜の自宅では、出てくる顔ぶれが変わるというわけです。もちろん、そこから全アプリ一覧にスクロールしたり、これまで通りグリッド表示とリスト表示を切り替えたりすることもできるので、慣れた使い方を捨てる必要はありません。
この新しいグリッドは開発者向けベータ3の段階から確認されており、正式版でも中心的な変更点になりそうです。
新しい「Siri」アプリ|会話がデバイスをまたいで続く

グリッドの中央に置かれたSiriは、独立したアプリとして生まれ変わります。呼び出すと、波打つ質感のガラス球のような新しい表示が現れ、iPhoneやMacなど27世代のほかのOSと見た目が揃います。
使い勝手の面で大きいのは、会話がデバイス間で同期されることです。iPhoneで話しかけた内容の続きを、そのままApple Watchで再開できます。しかも一問一答ではなく、追加の質問を重ねながら自然に会話を続けられる形になりました。
さらに、これまでのSiriと決定的に違うのが「個人的な文脈」を扱える点です。やりとりしたメッセージやアプリの中身から関係性を読み取り、たとえば母親がいつ空港に着くのかといった質問にも答えられるようになります。写真アプリにパスポートや運転免許証を撮影した画像が入っていれば、そこから番号を読み取って教えてもらう、といった使い方も想定されています。
アプリの中で実際に手を動かす作業も任せやすくなりました。フライトの情報を家族に共有したり、アクティビティリングの目標を設定し直したりといった操作を、設定画面を開かずにSiriへの一言で済ませられます。
なお、この新しいSiriはすべてのApple Watchで使えるわけではありません。Series 6〜8・SE 2・初代Ultraが対象外となる理由については、Apple幹部の説明を別記事で詳しくまとめています。
スマートスタック|手を使わずにめくれるようになる
情報カードを重ねて表示するスマートスタックにも、操作方法の追加がありました。指で画面に触れなくても、指を2回タップする動作で次のカードへ進み、1回のタップでそのカードを開き、手首を返すとスタックの一覧に戻れます。荷物を持っているときや料理中など、画面を触りにくい場面で役立ちそうです。
表示される提案の種類も増えています。知人の誕生日に合わせてお祝いのメッセージを送る動線が出たり、駐車した場所から離れたときに車の位置を思い出せるカードが出たりします。大型連休の前には睡眠アラームを変更する提案が出るほか、周囲が大きな音の環境になっていることを知らせる警告も加わりました。
さらに、よく使うカードを固定できるようになった点も見逃せません。交通系ICカードや身分証を留めておけば残高の確認がすぐに済みますし、やりとりの多いメッセージの会話も固定しておけます。
ワークアウト|Workout BuddyがApple Watch単体で動くように
運動中に声をかけてくれるWorkout Buddyは、これまでiPhoneが手元にないと動きませんでした。watchOS 27ではその条件がなくなり、Apple Watchだけを身に着けて走りに出ても、途中でアドバイスや通知を受け取れます。
内容そのものも充実しました。参照できるデータが増えたことで、ゾーン2にどれくらいの時間とどまっていたか、ペースがどう伸びているかといった、練習の振り返りに使える情報を伝えてくれます。対応言語にはスペイン語が加わりました。
計測の正確さについても改善が入っています。モーション検出のアルゴリズムが見直され、ウォーキングやトレッドミルでのランニングの記録がより精密になるとされています。
ヘルスケア|時差の扱いと周期記録が前進
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ヘルスケアアプリの睡眠データが、タイムゾーンの変更に対応しました。海外出張や旅行のたびに記録が乱れて困っていた人には、地味ながらありがたい修正です。フィットネスアプリの歩数がヘルスケアアプリとよりきちんと同期するようになった点も、日々の数字を気にする人には効いてきます。
周期記録には、閉経期と閉経周辺期のサポートが追加されました。年齢とともに変化する体調を、これまでより実態に沿った形で記録できるようになります。
「探す」が1つのアプリに統合
これまでApple Watchでは、デバイスを探す、持ち物を探す、人を探すという3つのアプリが別々に分かれていました。watchOS 27でようやく、これらが1つの「探す」アプリに統合されます。画面左上をタップすれば3種類を切り替えられる形です。
初期表示は地図になっており、スクロールすると人や持ち物を1件ずつ順番に表示していきます。上方向にスワイプすればリスト表示に切り替わり、追跡中のものを一覧で確認できます。
iPhoneやAirPods Pro 3、AirTag 2を持っている場合は、精密な位置検出にも対応します。対象までの距離と方向が示されるため、部屋のどこかに紛れ込んだ持ち物を探すときに頼りになります。自分の位置を共有する機能では、共有する時間の長さを自分で決められるようになりました。
設定まわりの地味に効く変更
設定アプリにも、実際に使うと違いが分かる項目がいくつか増えています。
・懐中電灯に「素早く最大の明るさにする」トグルが追加。従来は画面をタップするか手首を動かすまで暗いままでしたが、はじめから明るく点灯できるようになります
・タップ操作の追加に合わせて、設定の表記が単数形の「ジェスチャ」から複数形の「タップジェスチャ」へ変更
・音楽認識が独立した項目になり、通知のオンとオフを切り替えられるように。音楽の設定にはプレイリストから曲を削除するオプションも追加
夜道や停電時に懐中電灯を使う機会がある人にとって、最初の1つは意外と体感差の大きい変更です。
各アプリの細かな変更とトランシーバーの廃止
iPhone側のWatchアプリは設定画面のデザインが見直されました。ウォレットアプリはカードの残高を表示できるようになり、一時的なゲストキーにも対応します。iPhoneで作成したカスタムパスは、Apple Watchにも同期されるようになりました。
店舗や企業に電話をかけた際には、アプリの中にある関連情報をあらかじめ表示するCall Contextが働きます。確認コードなどをその場で探し回らずに済む仕組みです。
一方で、残念な知らせもあります。トランシーバー機能はwatchOS 27で削除されました。この件についてはベータ版から機能が消えていた経緯を以前に取り上げています。
目には見えないパフォーマンスの底上げ
最後に、画面上では確認しづらいものの、毎日の快適さに関わる改善です。
まず、Apple Watchでの音楽再生がかなり速くなりました。バッテリー持ちについても、ソフトウェアがリソースを使う方法を見直すことで改善されています。加えて、手首を上げて話しかける機能やジェスチャ検出をオフにするといった、電力を節約するための最適化案が提示されるようになりました。
Wi-Fiの動作もAppleによれば効率的で安定したものになり、アプリの拡張機能はより速く起動します。水の検出処理が効率化され、Liquid Glassの表現にも手が入りました。
watchOS 27の主な変更点
| 分野 | 主な変更 |
|---|---|
| ホーム画面 | ダイナミックアプリグリッド(中央にSiri+おすすめ5アプリ) |
| Siri | 独立アプリ化、デバイス間で会話を同期、個人的な文脈の理解、アプリ内での操作実行 |
| スマートスタック | タップ操作でのカード送り、提案の追加、カードの固定 |
| ワークアウト | Workout BuddyがApple Watch単体で動作、ゾーン2などの指標追加、スペイン語対応 |
| ヘルスケア | 睡眠データのタイムゾーン対応、歩数同期の改善、周期記録の閉経・閉経周辺期対応 |
| 探す | 3つのアプリを統合、精密な位置検出、位置共有の時間指定 |
| 設定 | 懐中電灯の最大輝度トグル、タップジェスチャ、音楽認識の項目追加 |
| ウォレット | カード残高表示、一時的なゲストキー、カスタムパスの同期 |
| 廃止 | トランシーバー機能 |
| 性能 | 音楽再生の高速化、バッテリー最適化の提案、Wi-Fiの安定性向上 |
まとめ
watchOS 27は、話題の中心こそ新しいSiriですが、実際に毎日使ってみて「変わった」と感じるのは、むしろ細かな部分かもしれません。Digital Crownを押した先の顔ぶれが変わること、3つに分かれていた「探す」がようやく1つになること、懐中電灯がすぐ明るくなること。どれも派手さはありませんが、1日に何度も触れる場所ばかりです。
なお、ここで紹介した内容は公開中のベータ版で確認されているもので、今秋の正式リリースまでに変更される可能性があります。Siriの新機能については対応する言語や機種の条件もあるため、自分のApple Watchで何が使えるようになるのかは、パブリックベータ時点での対応機種のまとめもあわせて確認しておくと安心です。正式版の登場を楽しみに待ちましょう。
Source: AppleInsider/画像: Apple WWDC26 基調講演
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