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スマートウォッチの安全機能は、ふだんは意識することがありません。設定した覚えすら曖昧なまま、何年も使っている方も多いはずです。
ただ、その機能が働くのは決まって「自分では助けを呼べない場面」です。米オハイオ州シンシナティで、まさにその状況が起きました。
体調不良の数時間後、自宅前で倒れた
Mohammad Islamさんは、その日「何かの病気にかかりかけているようだ」と感じていました。それから数時間後、ゴミを出しに外へ出たところで倒れます。周囲には誰もいませんでした。
「気を失って、そのあとのことは何も覚えていません」。Islamさんは地元局WKRCの取材にそう話しています。
本人の意識がない間も、腕のApple Watchは動いていました。転倒を検知し、本人からの応答がないことを確認したうえで、自動的に911へ通報したのです。同じ流れで助かった例は、屋根の崩落事故で911に自動通報されたケースでも報じられています。

搬送先で見つかったのは肺の血栓
その後の診察で、Islamさんの肺に血栓が見つかりました。People誌が伝えています。
本人が体調の異変を感じてから倒れるまで、数時間しかありませんでした。もし通報が遅れていたらどうなっていたかは、想像に難くありません。
なお、このApple Watchは娘さんたちからの贈り物だったとIslamさんは話しています。
転倒検出はどのように働くのか
この機能の流れはシンプルです。強い衝撃を検知する、装着者に呼びかける、一定時間まったく反応がなければ緊急通報サービスへ自動で連絡するという3段階になっています。
重要なのは3つ目です。本人が応答できる状態なら通報はされません。Appleが公開したマウンテンバイク事故のサイクリストが救助された実話でも、同じ手順が働いています。逆に言えば、意識を失っているときにだけ自動で動く設計になっているということです。今回のケースは、この設計がそのまま機能した例といえます。
対応しているのはApple Watchだけではない
いまや同じような機能は、Apple Watch以外にも広がっています。
SamsungのGalaxy Watchは、Active2の世代から「Hard Fall Detection」を搭載しています。衝撃を検知し、装着者に確認を求め、応答がなければ緊急サービスへ自動発信するという流れは基本的に同じです。
GoogleのPixel Watchや、Garminの一部モデルにも同種の技術が入っています。国内では、Apple WatchとGalaxy Watchの両方に対応した見守りアプリ「ココダヨ Life」のように、機種をまたいで使えるサービスも出てきました。
つまりブランドを問わず、いま買えるスマートウォッチの多くがこの備えを持っているということになります。どれか特定の機種を買わなければ守られない、という話ではありません。
手首の端末が、救急の一部になりつつある
元記事が指摘しているのは、ここです。
手首の端末から911へ発信されるケースが増えるにつれて、これらのデバイスは緊急通報の仕組みの、計画されていなかった延長線になりつつある——という見方です。
スマートウォッチはもともと通知や運動記録のための道具でした。それが結果として、救急の入口の役割を担い始めています。アスリートの不整脈を捉えて重い心筋症の早期発見につながった症例のように、発見のきっかけになる場面も増えています。メーカーが狙って作った位置づけというより、普及した結果としてそうなった、という点が示唆的です。
まとめ:一度、設定を見ておく
この手のニュースを読んで最もやる価値があるのは、自分の時計で機能がオンになっているかを確かめることです。
転倒検出は、加入年齢によっては初期状態でオフのままになっていることがあります。運動中の激しい動きで誤検知が起きるのを避けるため、意図的に切っている方もいるでしょう。
あわせて確認しておきたいのが緊急連絡先とメディカルIDの登録です。自動通報が働いたとき、駆けつけた側が持病やアレルギー、連絡先をすぐに見られるかどうかで、その後の対応が変わってきます。
ふだんは何も起きない機能ですが、必要になるのは決まって、自分では何もできないときです。視界ゼロの山肌を滑落した登山者が転倒検出に救われた話も、その意味では同じ性質のものです。
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