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台湾の調査会社TrendForceは2026年10月28日、Appleの初めての折りたたみiPhone「iPhone Duo」について、市場の見通しと技術面の課題をまとめたレポートを発表しました。予約開始から1週間もたたないうちに、Appleの公式サイトでは一部の注文の届く日が2027年1月までずれ込んでいたとしています。
TrendForceは、2026年のiPhone Duoの出荷を約500万台、折りたたみスマートフォン市場でのシェアを約24.8%と予測し、2027年には29.8%まで伸びると見ています。一方で、折り目まわりの構造の信頼性と、アプリの対応が課題として残るとしています。発売後に起きている画面のひび割れの報告にも触れています。
2026年の出荷は約500万台 シェア24.8%でHuaweiと並ぶ

折りたたみスマートフォンのブランド別シェア予測(2024〜2027年)。2026年と2027年は予測値。画像出典:TrendForce(2026年10月)
TrendForceは、2026年の世界の折りたたみスマートフォンの出荷台数は、前の年から0.5%増えるだけで、ほぼ横ばいと予測しています。そのなかでiPhone Duoは約500万台を出荷し、市場の約24.8%を占める見込みです。
グラフを見ると、2026年はSamsungが35.1%で1位、HuaweiとAppleが24.8%で並びます。2027年にはAppleが29.8%に伸び、Samsungの31.9%に近づく一方、Huaweiは21.3%に下がる予測です。市場全体が大きくならないなかでAppleが加わるため、ほかのブランドのシェアの動きが早まるとTrendForceは見ています。
グラフの値は、TrendForceが数字を示している2026年と2027年の主要3社だけを読み取っています。Xiaomi、OPPO、vivo、Honor、Motorolaなどはそれぞれ数%で、2024年と2025年はSamsungとHuaweiの2社で7割以上を占めていました。
使った人の評価は分かれている
TrendForceによると、最初のユーザーの評価ははっきり分かれています。開いたときの2画面表示や見やすさは好評です。その一方で、一部のアプリで画面の周りに黒い帯が出ることや、ボタンの位置、指紋認証には慣れが必要だという声があります。
画面が壊れたという報告や、修理の見積もりが高いという話も出ていて、信頼性や、長く使うときの費用に目が向くようになっています。価格の高い製品なので、広い画面で得られる使い心地が値段に見合うかどうかが、買う人にとっての分かれ目になるとしています。
折り目が目立たない理由は層ごとの力の逃がし方
iPhone Duoの特徴の1つが、ほとんど見えない画面の折り目です。TrendForceは、折りたたみの有機ELパネルが、表面の保護材、光学用の接着剤、表示部品、封止材など何層も重なってできていると説明しています。
折り曲げると、層ごとに引っ張られる力、押される力、ずれる力がかかります。曲げる半径や層の厚み、硬さを細かく調整し、接着剤の層で各層が少しずつすべるようにして、表示に関わる層への負担を減らしています。これで開いたときに平らに戻りやすくなります。
さらに、表面にナノメートル単位の細かい凹凸をつけて反射した光を散らし、折り目に沿った光の帯を目立たなくしています。形の変形と見た目の両方に手を打つことで、折り目のあたりでも明るさがそろって見えるようにしているとしています。
画面のひびはヒンジ中央の支えが下がりきらない可能性
iPhone Duoのヒンジは、閉じたときに水滴のような形をつくる「ティアドロップ型」です。開いたときは画面を平らに保ち、タッチ操作を安定させます。閉じたときは、パネルが決まったカーブで曲がれるだけのすき間をつくります。
TrendForceは、壊れた画面の分解調査から出ている仮説として、閉じるときに中央の支えが十分に下がりきらず、画面に当たって一部に力が集中している可能性を挙げています。iFixitの分解でも、同じ原因の候補が示されていました。Appleは、内側の画面に異常が出た少数の端末を交換しています。
技術の面で改善するなら、ヒンジの動く幅、支えの高さ、貼り合わせの精度、組み立ての誤差をまとめて管理することが中心になるとTrendForceは見ています。
広い画面を生かせないアプリと電池の課題
広い画面では、資料を読みながらAIの要約を確かめ、文章を直すといった作業を同時にできます。ただ、それを本当に仕事の効率につなげるには、開いたり閉じたりするたびにアプリが画面の配置を変え、読んでいた位置や入力中の文字、作業の続きを保つ必要があります。黒い帯が出るアプリや、画面を使いきれていないアプリがまだあり、ソフトウェアの対応はハードウェアに追いついていないとしています。
画面が大きくなると、電池の管理も難しくなります。リフレッシュレートを下げれば画面を動かす電力は少し減りますが、有機ELが光るための電力は、明るさや光る面積、表示する内容で決まります。白い背景の文書を表示しているだけでも電力を使い続けます。大きな画面での作業とAIの処理、電池の持ちを両立するには、効率のよい発光材料や光学構造、表示に合わせて駆動を変える技術を組み合わせる必要があるとしています。
TrendForceは、チップとOS、開発者の環境をまとめて手がけられることがAppleのいちばんの強みだとしています。アプリの対応とハードウェアの信頼性が上がれば、折りたたみスマートフォンの競争は、形の新しさから、複数の作業をどれだけ効率よくこなせるかに移っていくと見ています。iPhone Duoの品薄や画面の不具合へのAppleの対応は、下の記事でまとめています。
Source: TrendForce「iPhone Duo Launch Sparks Strong Demand, but Fold-Area Structural Reliability and Hardware–Software Integration Remain Challenges」/グラフ:TrendForce
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