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Apple Watchの振動を生み出す「Taptic Engine」をめぐる特許訴訟で、Appleが敗れました。米国の陪審は、AppleがTaction Technologyの特許を侵害したと認め、57億2,196万1,750ドル(1ドル150円換算で約8,580億円)の損害賠償を支払うべきだと判断しています。米国時間2026年9月26日、海外メディアのAppleInsiderがロイターの報道をもとに伝えました。
Appleは評決に強く反対しており、控訴すると表明しています。
陪審は3つのクレームの侵害を認めた
Tactionは2021年4月、Taptic Engineに自社の特許2件が使われているとしてAppleを訴えていました。それから5年あまりで、陪審がTaction側の主張を認めた形です。
AppleInsiderが伝えた評決の書面によると、陪審の判断は次のとおりです。
| 争点 | 陪審の判断 |
|---|---|
| 特許を侵害したか | 侵害あり。一方の特許で2つのクレーム、もう一方の特許で1つのクレーム |
| 故意の侵害か | 故意とは認めず |
| 特許は無効か | Appleは3つのクレームすべてで無効を証明できず |
| 損害賠償額 | 5,721,961,750ドル |
陪審は、Appleが特許を侵害したことは認めた一方で、Appleがそれを知りながら侵害したとまでは認めていません。AppleInsiderは、意図的な侵害だったとは限らない、と説明しています。
Tactionの代理人を務めるLance Yang氏は、陪審が自社の主張を認め、特許の権利が正当だと示されたことを喜んでいるとコメントしました。
Appleは「Taptic Engineは根本的に違う技術」と反論
Appleは、Tactionの技術を侵害していないとの立場を変えていません。Tactionには損害賠償を受ける資格がなく、認められた金額も裁判の記録にある証拠にもとづいていない、と主張しています。
AppleがAppleInsiderに寄せた声明は次のとおりです。
「陪審の皆さまが検討してくださったことには感謝しますが、本日の評決と認められた損害賠償額には強く反対します。事実によってまったく裏付けられていないものです。AppleのTaptic EngineはTactionの技術とは根本的に異なっており、そのことは裁判の中で、TactionがApple製品に対して行った試験によっても確かめられています。AppleはTactionの技術を使っておらず、控訴します。」
Taptic EngineはApple Watchから始まった
Taptic Engineは、2014年にApple Watchとともに登場した振動の仕組みです。それまでの振動モーターではなく、リニア共振アクチュエーターという部品を使っています。中で動く重りを細かく制御できるので、ブーンという振動から、トントンと軽くたたく感覚、心臓の鼓動をまねた振動まで、さまざまな触れ心地を作り分けられます。
ボタンを押せたことを伝える感触や、通知やメッセージの知らせにも使われています。この仕組みはのちにiPhoneなど、ほかの製品にも取り入れられました。
一度は「侵害なし」とされ、2025年に審理が復活していた
訴えの中でTactionは、Appleが初期の設計では、動く重りに抵抗を与えるためにコイルばねと中央の位置決め用の棒を使っていたと指摘しました。新しい設計では、たわむ部品と磁性流体で重りの位置を決め、抵抗を与えているとしています。
AppleがTactionの技術を使ったKannonのヘッドセットを2台購入し、分解して調べたとも主張していました。
この裁判は、2023年にサンディエゴの連邦地裁の判事が、Appleは特許を侵害していないと判断していました。しかし2025年に連邦巡回区控訴裁判所が審理を復活させ、今回の陪審評決に至っています。
まとめ
Apple Watchの振動を担うTaptic Engineをめぐる特許訴訟で、米国の陪審はAppleがTactionの特許を侵害したと認め、約57億ドルの損害賠償を支払うべきだと判断しました。ただし、故意の侵害とは認めていません。
Appleは、Taptic EngineはTactionの技術とは根本的に違い、評決も賠償額も事実に裏付けられていないとして、控訴する方針です。2023年には一度Appleの主張が認められていた裁判なので、控訴審でどう判断されるかが次の焦点になります。
Source: AppleInsider
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