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持ち歩いているだけで歩数をはじめとした様々な指標を計測してくれるiPhone。
「ヘルスケア」のアプリを開くと、「え、こんな項目も計測されてたの!」と驚くものが結構あります。
今回はそのうちの一つ、「歩行非対称性」について解説します。
歩行非対称性の目安
| 項目 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 左右対称に歩けている人の値 | おおむね10%未満 | Appleの検証資料(Brodkeほか、2025年が引用) |
| けがの前の値(下肢を骨折した患者107人、平均45歳) | 7〜8% | Brodkeほか、2025年(論文の表の推定値) |
| Appleの検証で非対称と判定した区切り | 35% | Appleの資料(次の節で解説) |
歩行非対称性には、Appleや医学の団体が決めた「正常値」はありません。参考になるのは、左右対称に歩けている人の値がおおむね10%未満だったというAppleの検証データです。iPhoneを携帯して歩いているだけで自動計測されるので、定期的にチェックしておくと自分の歩き方のクセや筋力バランスの変化に気付けます。
10%未満の数値は、Brodke DJほか「The Future Is Mobile: Pilot Validation Study of Apple Health Metrics in Orthopaedic Trauma」(J Bone Joint Surg Am、2025年)が、Appleの検証資料を引いて書いているものです。同じ論文の表では、下肢を骨折した患者のけがの前の値が7〜8%と推定されています。
Appleが公開している検証データでは、数値の扱いが次のようになっています。
Appleの検証データで見る歩行非対称性の数値
Appleは、iPhoneの歩行指標の作り方と検証の結果を、資料「iPhoneの歩行指標を使用した歩行の質の測定」(2021年5月)で公開しています。歩行非対称性について書かれている内容は次のとおりです。
| 項目 | Appleの資料に書かれている内容 |
|---|---|
| 数値の意味 | 歩いている時間のうち、左右で非対称なステップが検出された時間の割合。0%はすべてのステップが対称、100%はすべてが非対称 |
| 重症度の判定 | 非対称性の重症度を分類する指標ではない |
| 検証で使われた区切り | iPhoneの数値が35%のとき、非対称と判定した417件のうち348件が、実際に非対称な歩き方だった(検証のための区切りで、健康の基準ではない) |
| 数値が上がる場面 | 怪我のあとや、加齢・病気による神経の衰えで上がる。両脚の協調が落ちると、転倒のリスクが高まることがわかっている |
| 正確に測れる持ち方 | 腰に近いポケットなど、体に密着させてiPhoneを持って歩く。手に持ったりバッグに入れたりすると、推定される回数が減る |
| 測る前の設定 | ヘルスケアアプリに身長を入力しておく(脚の長さを身長から推定するため)。車椅子モードをオンにしていると測られない |
Appleの資料には、年齢別の平均値や「何%までが正常」といった基準は書かれていません。1日の数字だけで判断せず、同じ持ち方で測った数週間の推移を見るのがおすすめです。
歩行非対称性とは?

歩行の非対称性とは、「片方の足がもう片方の足より速くなったり遅くなったりする時間の割合」です。
簡単に言えば、「歩行中の左右の足の動きが不均衡な状態」ですね。
健康的な歩行パターンでは、左右の足のステップのタイミングはよく似ているため、非対称性の割合が低くなります。
つまり非対称性が低い=健康的な歩き方と考えられます。
一方で非対称性が高い場合は、片足に負担がかかっている可能性や、歩行のパターンに問題がある可能性があります。
そして非対称性が高く、片足を引きずるなどの不規則な歩行パターンをしている場合は、病気、怪我、またはその他の健康上の問題の兆候である可能性があります。
なおiPhoneには加速度計とジャイロスコープが内蔵されており、これらを利用して歩行時の身体の動きを計測します。これにより、左右の足の動きがどれだけ異なるかを検出できます。
歩行非対称性はどこで確認できる?

歩行非対称性を確認するには、まずiPhoneの「ヘルスケア」のアプリを開きます。
右上のハートマークのアプリですね。

次に開いた画面で「ブラウズ」をタップします。
右下の四角が4つ並んだアイコンです。

次に表示されたページを下にスクロールしていくと、「歩行」という項目が見つかるはずです。
ここをタップしてみましょう。

すると、歩行に関するいろいろな指標が出てくるはずです。
iPhoneをポケットに入れているだけで、こうした項目を自動で計測してくれているみたいです。
そのうちの一つに歩行非対称性があります。

こちらが筆者の過去一週間のデータです。
この数字が大きいのか小さいのか、よく分かりません(なので以下で解説します)。

過去1年間の数値も確認できました。
ではApple公式の解説を参考に、この数値の見方を確認していきましょう。
数値の見方について

この指標の数値は0%から100%の範囲で変化します。
0%は観察された歩行期間内のすべての歩行が対称と推定されていることを示し、100%は観察されたすべての歩行が非対称であることを示します。
歩行非対称性の値は、年齢や性別、健康状態、測り方で変わります。一般的な平均値や年齢別の基準は公表されていませんが、参考になる数値は次のとおりです。
・左右対称に歩けている人: おおむね10%未満です(Brodkeほか、2025年がAppleの検証資料から引用)。
・年齢による変化: Appleは、加齢や病気による神経の衰えで数値が上がるとしています。ただし、年齢ごとの数値の目安は示していません。
・けがのあと: 下肢を骨折した107人(平均45歳)を調べた研究では、けがの前に7〜8%だった値が、けがの直後に約6ポイント上がりました。6か月たっても、けがの前より約15ポイント高い状態でした。
片足を怪我していたりすると、非対称性は当然高くなるため、リハビリなどでは非対称性を改善していくことが大事になるわけですね。
数値が10%を超える日が続くときは、まず持ち方や歩き方を確かめ、下の「歩行非対称性が高いときに見直すこと」も参考にしてください。
そして筆者の計測データを見てみると、
・規則正しいリズムで早めに歩いているとき(電車に乗るための駅への移動中)などは数値は低くなる(0に近くなる)
・ダラダラ歩いているときは数値が高くなる
という傾向が見られました。
またこれは想像ですが、片手に重い荷物を持った買い物の帰り道などは、数値は高くならざるをえないでしょう。
歩行の非対称性は自分の健康状態を確認する一つの指標として、みなさんもチェックしてみましょう!
なおApple Watchを着用すると、心拍数や呼吸数など確認できる指標がグッと増えるので、健康維持を意識している人は併用もおすすめです。
同じくiPhoneで計測できる歩行指標として「歩行両脚支持時間」も参考になります。数値の意味や正常な範囲について解説しています。
iPhoneで計測できる「歩行両脚支持時間」とは?何%なら正常?
歩行非対称性が高いときに見直すこと
数値が高い日があっても、片手に重い荷物を持っていた、ゆっくり歩いていた、といった持ち方や歩き方で変わります。まずはiPhoneを腰に近いポケットに入れ、ヘルスケアアプリに身長を入力したうえで、数週間の推移を見てください。
そのうえで、Appleはヘルスケアアプリに歩行安定性を向上させるためのエクササイズを用意しています。「ブラウズ」から「歩行」を開き、下にスクロールして「歩行安定性を向上させる可能性のあるエクササイズ」をタップすると表示されます。歩行安定性は、歩行非対称性や歩行両脚支持時間などの歩行指標をもとに、バランス・筋力・歩容を評価する機能です。
怪我や痛みのある側をかばって歩くと、非対称性は上がります。痛みや違和感があるとき、数値が高い状態が長く続くときは、整形外科などの医療機関に相談してください。
Apple Watchで健康をもっと可視化しよう

iPhoneだけでも多くの健康データが取得できますが、Apple Watchを使えば心拍数、呼吸数、血中酸素濃度、睡眠の質など、より多角的な指標を把握できます。日々の体調管理に役立つ機能を詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
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●執筆者:スマートウォッチライフ編集部
日本初のスマートウォッチのウェブメディア。編集部には50本以上のスマートウォッチがあり、スマートウォッチ・Apple Watchの選び方や入門者向けの記事を多く配信しています。日本唯一のスマートウォッチ専門ムック本『SmartWatchLife特別編集 最新スマートウォッチ完全ガイド』(コスミック出版)を出版したほか、編集長はスマートウォッチ専門家としてテレビ朝日「グッド!モーニング」や雑誌『anan』(マガジンハウス)にも出演。You Tube「スマートウォッチライフ」(チャンネル登録者8000人程度)でも各種レビューを行っています!
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