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日本糖尿病学会が「血糖測定機能をうたうスマートウォッチ」に注意喚起

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公開日: 最終更新日:

さまざまなブランドのスマートウォッチを紹介している当サイト。

YouTubeチャンネルも運営しているのですが、そのコメントでは「血糖値を測れるモデルはないんですか?」といった声をよく聞いてきました。

ただ、当サイトが観測している範囲では、血糖値の測定機能を持っている大手ブランドのスマートウォッチは一つもありません(血圧が測れるモデルはごく少数ですがあります)。

怪しい広告や、Amazonの検索で表示される怪しいブランドのモデルには、「血糖値測定」と書かれていることもありますが、そうした製品には注意すべし……ということも過去の記事で伝えてきました(「体温測定」というモデルも怪しいので要注意です!)。

【関連記事】買ってはいけないスマートウォッチの特徴6選【専門サイト選定】。謎ブランドの格安モデルや「Amazonの商品名に機能列挙」は要注意!

【関連記事】「体温測定スマートウォッチ」の怪しいTwitter広告を調査してみた!

日本糖尿病学会がついに注意喚起!

一般社団法人 日本糖尿病学会のホームページのスクリーンショット

そうした製品は長らく野放しになっていたのですが、新しい動きが日本でもありました。

一般社団法人 日本糖尿病学会が4月23日に「血糖測定機能をうたうスマートウォッチ(腕時計型デバイス)について」という文書を発表。

その内容が話題を呼んでいるのでご紹介します。

以下、発表された文章の引用になります。

================

昨今、非侵襲的に血糖値を測定できるとするスマートウォッチ(腕時計型デバイス)に関する広告が増加しています。
2024年2月21日、米国食品医薬品局(FDA)は皮膚への穿刺をせずに血糖測定できるとうたうスマートウォッチやスマートリングを使用しないよう警告しています。

Do Not Use Smartwatches or Smart Rings to Measure Blood Glucose Levels: FDA Safety Communication

2024年4月現在、指先穿刺や皮下センサー留置のための皮膚穿刺をすることなく、血糖値やグルコース値を測定できる医療機器はありません。

(以上、「血糖測定機能をうたうスマートウォッチ(腕時計型デバイス)について」より)

================

「非侵襲的に」とというのは、簡単に言えば「身体を傷つけずに」という意味。

また「皮膚への穿刺(せんし)をせずに」というのは「(血液や体液、細胞などの採取のために)針を刺さずに」という意味です。

つまり、血糖値の測定には「針を指して血を取り、その血を使って数値を測定する」というプロセスが基本的に必要で、「そのプロセスなしに血糖値を測定できる……と言っているスマートウォッチは使わないでね!」と言っているわけです。

関連記事では「治療に使わないこと」を強く推奨

上の発表内容では、さらに関連記事として、日本糖尿病協会の「スマートウオッチによる血糖(グルコース)測定に関する見解」という記事(2024年4月21日発表)も紹介されていました。

同記事を執筆しているのは、公益社団法人日本糖尿病協会の理事長・清野 裕氏。

要約すると以下のような内容です。

・2024年2月21日に米国食品医薬品局(FDA)は、非観血的測定を行うどのスマートウオッチやリングも承認されておらず、不正確な測定値により糖尿病治療において誤った対応につながる可能性があることを警告。

・日本でも独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)によって承認されている同種の機器は現時点で存在しない。

・2022年2月に中国から発表された論文でも、スマートウオッチのセンサーによって手首から経皮的に間質液中のグルコースを測定した結果、現在国内において承認されている血糖自己測定器や持続グルコース測定器(CGM)と比べると精度の点で大きく劣っていることが示された

・以上より、糖尿病のある人では、スマートウオッチなどの非観血的機器で測定した血糖値を治療に用いることは思わぬ低血糖や高血糖を来す危険がある。そのため現時点では使用しないことを強く推奨する

先に紹介した文章と内容は似ていますが、こちらでは「血糖値が測れると主張しているスマートウォッチの計測精度は不正確で、治療に用いると危険だから、使わないようにしてくださいね!!」と伝えているわけです。

でも、Amazonだと血糖値が測れそうなモデルが沢山ある!

Amazonで「血糖値 スマートウォッチ」で検索してヒットした商品の一部

……が、Amazonで「血糖値 スマートウォッチ」と検索すると、今でも「血糖値測定可能」「血糖値モニターウォッチ」などと書かれたモデルが沢山ヒットします。

上記の日本糖尿病協会の文書で「承認されている同種の機器は現時点で存在しない」と書かれていたことを考えると、そうした機能をうたっているモデルは非常にリスクが高いといえます。

AppleやGoogle、Samsung(Galaxy)といった世界的ブランドの5万円前後するスマートウォッチでも、血糖値測定機能が搭載されていないことを考えれば、Amazonでヒットする1万円程度の「血糖値測定可能なスマートウォッチ」は、まあインチキ臭いものと考えておいてよいでしょう。

健康系の測定機能は認可を取るのが大変!

HUAWEI WATCH D

こちらは医療機器認証を取得した血圧計機能付きの「HUAWEI WATCH D」

ちなみに、血糖値測定以外の機能でも、スマートウォッチの健康系の測定機能については、日本で「測れます」と断言するにはそれなりの認可が必要。

たとえばApple Watchには心電図の測定機能がありますが、日本での使用認可が降りるまでは何年もかかりました(海外では日本より数年先に使える地域が多くありました)。

そして2026年現在、日本国内で正式に心電図機能が使えるスマートウォッチは、Apple Watch(Series 4以降)に加え、Garmin(Venu 4、Forerunner 970、fēnix 8 AMOLEDシリーズなど)、HUAWEI(GT Pro/Watch/Watch D/WATCH Ultimate各シリーズ)の3ブランドのみ。Galaxy WatchやWithingsなど海外では心電図に対応しているモデルでも、日本では機能が無効化されたまま販売されているケースが少なくありません。

【関連記事】「心電図が測れるスマートウォッチ」まとめ。Appleに加えHUAWEIとGarmin参入で戦国時代へ

また血圧を測れるスマートウォッチとして日本で医療機器認証を受けているのは、HUAWEI WATCH DおよびHUAWEI WATCH D2くらい。

そのモデルもカフ(血圧を測るときに膨らむ部分)が付いた本格的なもので、ごく普通の見た目のスマートウォッチで、手軽に血圧が測れるモデルは存在しません(オムロンにも腕時計型の血圧測定デバイスはありますが、スマートウォッチというより腕時計型の測定器です)。

Apple Watchについては、2025年9月発売のSeries 11/Ultra 3で「高血圧パターン通知」機能が搭載されました。ただしこれは血圧の数値そのものを測定するものではなく、長期間のデータからパターンを検出して通知する機能。数値をスマートウォッチで安定して計測するのは、現時点でもまだ難しい領域だといえます。

また、多くのモデルで搭載されている血中酸素濃度の測定機能についても、「医療機器ではありません」との断り付きで搭載されているのが現状。

筆者が使ってきた感触としても、血中酸素濃度の測定機能はどんなスマートウォッチでも精度があまり良くないです。

そしてコロナ禍では「体温測定スマートウォッチ」という怪しい広告が大量に発生しましたが、体温についても安定して測定ができる大手ブランドの製品は一つもなく、大手ブランドの製品に搭載されているのは「皮膚温度」の測定機能のみです(脇に挟んで測る深部体温とは別の数値です)。

こういったことを考えると、数千円のモデルで「体温が測れる」「血圧が測れる」「血糖値が測れる」と謳っているものは、「安いのにスゴい製品」と考えるより「買ったらヤバい製品」と考えるのが自然でしょう。

下記の動画でAmazonでの失敗しないスマートウォッチの選び方を解説しているので、よろしければぜひ御覧ください。

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