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Oura・WHOOP・Garminの訴訟が動いた──ウェアラブル業界の特許争い最新状況まとめ

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海外メディアのGadgets & Wearablesによると、ウェアラブルデバイス業界がここ数週間、法廷でも激しい動きを見せている。スマートリング、スクリーンレスバンド、スポーツウォッチのそれぞれで訴訟が進行中で、各案件が相次いで大きく動いた。今回はその全体像をまとめて整理する。

スマートリング市場で激化する特許争い

最近の動きでもっとも注目されるのが、Zepp HealthによるOuraへの特許侵害訴訟だ。テキサス州に提起されたこの訴訟で、Zepp Healthは「Oura Ring Gen 3」「Oura Ring Gen 4」およびOuraアプリが自社の6件の特許を侵害していると主張している。活動量トラッキング、睡眠分析、健康スコアリングの背後にあるソフトウェアとセンサーシステムが争点になっている。

今回の訴訟には背景がある。Ouraはその前に、Zepp Healthを含む複数の企業を相手取りITC(米国国際貿易委員会)に申し立てを行っていた。2024年12月に開始されたこのITC調査は、Samsung、Reebok、Zepp Health、Nexxbaseを対象に、スマートウェアラブルデバイスの特許侵害を訴えるものだ。ITC手続きは輸入差し止めにまで発展するケースがあり、業界内でも影響力の大きい手段として知られる。つまりZepp Healthは防御に徹するのではなく、Ouraへの反撃に出た形だ。

一方でOuraは、自社のITC申し立ての一部を自ら縮小している。2026年4月28日、ITCは22件の特許クレームおよび「’159特許」全体の取り下げを認める決定を下した。これはOuraが負けたわけではなく、次の重要な審理段階に向けて争点を絞り込んだと解釈するのが適切だ。

WHOOP、スクリーンレスバンドの「見た目」を巡る訴訟

WHOOPとPolarの訴訟でも動きがあった。Polarは当初、訴えの却下を求める申し立てを試みたが、裁判所から事前協議の開催が求められたことで方針を撤回。2026年4月10日にPolarが正式な答弁書を提出し、訴訟は通常の審理プロセスへと移行した。

この訴訟で争われているのは、センサーの精度やリカバリーアルゴリズムではなく、製品の外観だ。WHOOPは、Polar Loopが自社のスクリーンレストラッカーのデザインを模倣していると主張している。具体的には、文字盤のないデザイン、編み込みバンド、細いメタル製の側面アクセント、留め具のスタイルが争点となっている。Polarはこれらの主張を否定している。

「トレードドレス」と呼ばれるこの外観保護の考え方が認められれば、今後スクリーンレス型の健康トラッカーを展開しようとするブランドにとって重要な先例になりうる。WHOOPはデラウェア州でBevelに対する別の訴訟も手がけており、こちらは現状、弁護士の登録や初期書類の提出など手続き上の段階にとどまっている。ただ、2件の訴訟が同時進行していることは、WHOOPがスクリーンレスバンド市場で積極的に独自性を守る姿勢を示すものとして注目される。

Garmin対Suunto、スポーツウォッチの技術特許で衝突

スポーツウォッチカテゴリーでも訴訟が動いている。SuuntoはGarminに対して複数の特許侵害を訴えており、ゴルフショット検出、光学心拍数データを使った呼吸トラッキング、ウォッチのデザイン要素などが争点に含まれる。これに対しGarminは反訴を起こし、GPSアンテナ設計、トレーニングとリカバリー指標、フラッシュライトハードウェアに関する技術クレームを追加した。

特許訴訟は一般的に長期化しやすく、この件もすぐに決着がつく見込みは薄い。GarminやSuuntoの製品が市場から消えるような事態に直結するわけではなく、購入を検討しているユーザーが今すぐ心配する必要はないだろう。

なぜ今、各社は訴訟に動くのか

こうした動きの背景には、ウェアラブル市場の成熟がある。初期の段階では各社が、手首装着型の健康管理やスマートリング、リカバリー指標の市場需要を証明することに全力を注いでいた。主要カテゴリーが確立された今、自社が切り拓いた領域を守るために特許を競争手段として活用する局面に変わってきた。

Ouraが先駆けて普及させたスマートリング市場には、より安価な製品や特化型デバイスを提供する企業が次々と参入してきた。スクリーンレスバンドの分野では、WHOOPが自社のビジュアルアイデンティティを守ろうとしている。サブスクリプションや健康スコアリング、リカバリー指標の差別化が難しくなりつつある中で、訴訟はライバルの動きを制限するためのビジネス戦略の一つにもなっている。

ウェアラブル業界は一時の急成長期から、技術と法廷の両面で争う本格的な競争の局面へと移行しつつある。各訴訟の行方は、今後の製品設計や市場の勢力図にも影響を与えかねない。引き続き動向を追っていきたい。

Source: Gadgets & Wearables

関連記事はこちら

日本で購入可能なスマートリング徹底比較(2026年版)|訴訟の中心にあるOura Ringも含め、スマートリングの全体像はこちらで確認できます。

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