主要スマートウォッチの心房細動検出を比較|Apple・Galaxyなど5機種の研究【研究レポート】

Apple Watchに関するイメージ画像

「不整脈を見つけられる」とうたうスマートウォッチは増えましたが、機種によって精度に差はあるのでしょうか。Apple WatchやGalaxy Watchなど市販の5機種を、病院の心電図と同じ土俵で比較した研究(BASEL Wearable Study)が、その答えを示しています。買うときに気になる「結局どれが正確なの?」という疑問に、データで迫ります。

市販5機種を病院の12誘導心電図と比較

この研究は、循環器分野の専門誌「JACC: Clinical Electrophysiology」に2022年に掲載されました。市販されている5つのウェアラブル機器について、心房細動(AF)という不整脈をどれだけ正確に見分けられるかを、医師が判読する12誘導心電図(病院の標準的な検査)を基準に評価したものです。12誘導心電図は不整脈診断の“ゴールドスタンダード”であり、これと突き合わせることで各機種の実力を公平に比べられます。スマートウォッチやスマートリングなど、形やセンサーの異なる機器をまとめて検証した点に価値があります。

機種間の精度は“おおむね同等”だった

結果として、AF検出の感度・特異度は機種間でおおむね同等でした。たとえばApple Watch 6では感度85%・特異度75%程度で、ほかの機種も近い水準にありました。感度はAFを見逃さない力、特異度はAFでないものを正しくAFでないと判定する力を表します。つまり「特定の1機種だけが飛び抜けて優秀」というより、主要機種はいずれも実用的なレベルに達している、という結果です。

もう一つ重要なのが、判定が難しく結論を出せない記録(測定不能・判定保留)が一定数あったことです。これは家庭用機器に共通する課題で、体の動きや装着状態、皮膚の状態などによってきれいな波形が得られないことがあるためです。数値が出たからといって常に正しいわけではなく、うまく測れないこともある——この点を理解しておくと、過信せずに使えます。

結果の正しい読み解き方と機種選び

最も大切なのは、これらはあくまでスクリーニング(ふるい分け)であって診断ではないという点です。スマートウォッチが「異常かも」と示したら、自己判断せず医療機関で確定診断を受ける。これが正しい使い方です。逆に、通知が出ないからといって不整脈が絶対にないとも言い切れません。

機種選びの観点では、今回の研究が示すように主要機種のAF検出能力には大きな差がないため、AF検出の有無だけで選ぶ必要はありません。むしろ、普段使いのしやすさ、バッテリーの持ち、対応アプリ、価格、装着感といった総合的な使い勝手で選ぶのが現実的です。心臓の健康が気になる方は、心電図(ECG)アプリに対応しているかも一つの目安になります。

まとめ

5機種を比較した研究は、主要スマートウォッチの心房細動検出が機種を問わずおおむね同等の精度であることを示しました。どの機種も「気づきのきっかけ」としては十分役立ちますが、診断は医療機関の役割です。機種は使い勝手で選び、通知が出たら受診する——この基本を押さえて活用しましょう。

Source: JACC: Clinical Electrophysiology (2022) — BASEL Wearable Study

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