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9月のAppleのイベントというと、どうしてもiPhoneに目が向きます。ただ、その同じ舞台にはApple Watchの新型も並びます。Appleは日本時間9月10日午前2時(現地時間9月9日)にスペシャルイベントを開催すると発表しており、Apple Watch Ultra 4とApple Watch Series 12はその本命と見られています。
iPhone側は毎日のようにリーク画像が出てくるのに対し、Apple Watchの情報はずいぶん静かです。それでも、チップ・センサー・健康機能という3つの軸では、かなり具体的な話が出そろってきました。米メディア9to5Macは8月14日に現時点で分かっていることを整理し、さらに8月28日にはUltra 4が従来モデルと何で差別化されるのかに絞った記事を公開しています。この記事では、その2本で挙げられた材料をもとに、本番で何が変わりそうなのかを見ていきます。
Apple Watch Ultra 4のうわさは、デザイン・チップ・センサー・価格と話題が広がっています。これまでの報道をまとめて追いたい方は、Apple Watch Ultra 4は結局どう変わるのか? うわさ総まとめに集約しています。
登場するのはUltra 4とSeries 12の2モデル
9to5Macが9月のイベントで見込んでいるApple Watchは、次の2モデルです。
・Apple Watch Ultra 4
・Apple Watch Series 12
廉価版のApple Watch SEについては、今年は名前が挙がっていません。7月末のBloomberg報道でも、テスト段階に入っているのはSeries 12のWi-Fi版・セルラー版とUltra 4の3つとされていました。SE 3を昨年買った方は、今年はひとまず様子見の年になりそうです。
いちばんの変化は3年ぶりの新チップ

BloombergのMark Gurman氏は、両モデルに「待ち望まれていたチップとスピードの底上げ」があると伝えています。9to5Macもここを今年最大の注目点として扱っています。
現行のSeries 11とUltra 3が積んでいるのはS10チップです。ただし名前こそ毎年変わってきたものの、中身が本当に刷新されたのは2023年のSeries 9・Ultra 2に載ったS9が最後でした。つまりApple Watchの処理性能は、この3年ほとんど足踏みしていたことになります。
そこにS11と呼ばれる新しいチップが載るのではないか、というのが今回の見立てです。タイミングとしても理にかなっています。この秋のwatchOS 27では、Apple Watch上でSiri AIが動くようになると見られているためです。腕元で会話するようなAI機能は処理も電力も要求が高く、余裕のあるチップがあって初めて成り立ちます。
9to5Macは8月28日の記事で、この新しいチップを「AI時代に入って最初のSチップ」として位置づけています。2023年以来となるCPUの底上げが、watchOS 27でSiri AIが動き出すのとちょうど同じ年に来る。この重なりは偶然ではなく、AI機能を成立させるために用意された強化と見るのが自然だ、という読み方です。同メディアは、Apple Watchが多くの人の手に届く最初のAIウェアラブルになる可能性にも触れています。
数年前のモデルを使い続けている方ほど、この変化は体感に出やすい部分です。派手さはありませんが、毎日の操作の軽快さに直結します。
Ultra 4は大改造なのか、据え置きなのか
ここは報道が割れています。
台湾のDigitimesは、Apple Watch Ultra 4が「大幅なリデザイン」を受けると伝えました。一方でGurman氏は、大きなデザイン変更が来るのは早くても来年以降だと見ています。8月上旬には10〜15%の薄型化やTouch ID搭載という噂も出ていましたが、こちらもGurman氏の見立てとは正面からぶつかっています。
同じ製品について逆の絵が並んでいるときは、情報の出どころを見るのがいちばんの手がかりになります。Gurman氏はApple社内やサプライチェーンに近い情報を継続的に扱ってきた書き手で、発売直前の精度には定評があります。テストが最終段階まで進んでいる時期の証言という点でも重みが違います。
とはいえ、Digitimesは部品や製造側の情報に強いメディアです。外から見えるシルエットは据え置きでも、内部やセンサーまわりは大きく手が入る——そう考えると、両者は必ずしも矛盾しません。「リデザイン」という言葉が、外装を指しているのか内部設計を指しているのかで、話がずれている可能性もあります。
9to5Macは8月28日の記事で、このデザインの話だけを「ワイルドカード」として別扱いにしています。Series 12にセラミックケースが用意されるとみられていることから、Ultra 4にも素材や仕上げで何か独自の選択肢が置かれる可能性はある、という見立てです。ただし報道が割れている状態は変わっておらず、チップやセンサーの話と同じ確度では扱えません。
センサーが最大2倍という話の中身
そのDigitimesの報道でもうひとつ目を引くのが、Ultra 4には「センシング機能の大幅な強化」があり、搭載センサーの数が最大で2倍になるという部分です。
これは以前から出ている話ともつながります。7月中旬の報道では、背面のセンサー配置が見直され、8つのセンサーがリング状に並ぶとされていました。センサーの数が増えれば、同じ光学式の計測でも取れるデータの量と角度が増えます。血流の読み取りのように、ノイズとの戦いになる計測ではとくに効いてくる部分です。
この見方を補強するのが、Gurman氏が8月25日のBloombergで伝えた内容です。新しいApple Watchには「フィットネストラッキングの強化」が入るとされています。センサーの増加が、健康の異変を知らせる方向だけでなく、日々の運動をどう記録するかという部分にも向かう可能性が出てきました。
ただし、センサーが増えたからといって新しい測定項目が必ず加わるとは限りません。同じ項目の精度を上げるために数を増やす、という使い方も十分あり得ます。ここは発表を待つしかない部分です。
高血圧通知が、もう一段進むかもしれない
増えるセンサーの用途として9to5Macが挙げているのが、高血圧通知の強化です。
高血圧通知は2025年のwatchOS 26で登場し、日本でも同年12月から使えるようになった機能です。血圧を数値で測るのではなく、光学式心拍センサーで血管の反応を長期間観察し、高血圧の兆候が続いていれば知らせるという設計になっています。
そして現在、高血圧に関する新しい通知機能が米食品医薬品局(FDA)の審査を受けていると報じられています。9to5Macは、これがUltra 4とSeries 12の発表と同じタイミングで公開される可能性が高いと見ています。
Appleが健康関連の目玉機能を、開発者向けのWWDCではなく秋の製品イベントまで伏せておくのは、これまで何度も繰り返してきたやり方です。FDAの審査中で詳細を明かしにくい事情も重なります。9月に何かしらの発表がある、という見立てには十分な根拠があります。
セラミックのケースが戻ってくる可能性
もうひとつ、Gurman氏が触れているのが素材の話です。今年のモデルでセラミックケースが復活するかもしれないとしています。
Apple Watchのセラミックモデルが最後に登場したのは2019年のEdition Series 5で、その後はチタンに置き換わりました。傷が付きにくく、金属とは違う独特のなめらかさがある素材です。価格帯としては上位に来るため、実現すればUltra 4やSeries 12の最上位構成という形になりそうです。
ただしGurman氏自身、これは「今年か来年」という言い方をしています。確度としては、チップやセンサーの話より一段低いところにあると考えておくのがよさそうです。
海外の読者はこう受け止めている
興味深いのは、この話題に集まった反応です。9to5Macのコメント欄でいちばん多くの支持を集めていたのは、新機能への期待ではなく、買い替えそのものへのためらいでした。23人が賛同していた投稿は、おおよそ次のような内容です。
初代Apple Watch Ultraを使っているが、watchOS 27には上げられない。これだけ高価な時計で、受け取れたメジャーアップデートが3回というのは、計画的に古くさせられているように感じる。数年で時代遅れになってしまう機器に、ここまで依存したくない――。スマートウォッチそのものから距離を置きたくなった、という書き方でした。
この受け止めは、実際の対応状況とも合っています。watchOS 27では、Apple Watch Series 6・7・8、SE(第2世代)、そして初代Ultraの5モデルが対象から外れました。2022年に発売された初代Ultraが4年で最新OSの対象外になったわけで、当時の価格を考えると割り切れない人がいるのは自然なことだと思います。Appleの担当者はこの線引きについて、電力性能と処理性能を最優先した結果だと説明しています。
新モデルの噂を追いかけるときは、これから出るものに何が足されるかと同じくらい、いま使っているモデルがあと何年アップデートを受けられるかを見ておくと、判断がぶれにくくなります。裏を返せば、今年の新モデルで3年ぶりに新しいチップが載るなら、そこから先のサポートの余地はそのぶん長くなる、という見方もできます。
まとめ:形より中身の年になりそう
現時点で見えているものを並べると、次のようになります。
・イベントは日本時間9月10日午前2時(現地9月9日)に確定し、Ultra 4とSeries 12が本命
・3年ぶりに実質的な新チップが載り、watchOS 27のSiri AIを支える。AI時代に入って最初のSチップという位置づけ
・Ultra 4はセンサーが最大2倍になるという報道があり、Gurman氏はフィットネストラッキングの強化にも言及
・FDA審査中の新しい高血圧通知が、同じタイミングで発表される可能性がある
・外観については報道が割れたままで、セラミックケースの復活も今年か来年かが読めない
9to5Mac自身も、Apple Watchについてはまだ驚きの余地が残っていると書いています。iPhoneのように部品の流出画像で全体像が見えてしまう状態とは違い、今年のApple Watchは蓋を開けてみないと分からない部分が多く残っています。
いま使っているApple Watchが不便でないなら、イベントを見てから考えても遅くはありません。逆に、動作のもたつきが気になり始めている方にとっては、今年は買い替えの効果が出やすい年になりそうです。どちらにしても、答え合わせまであと10日ほどです。
Source: 9to5Mac/9to5Mac(8月28日)
画像出典: Unsplash
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