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AI食事管理アプリ『あすけん』を運営する株式会社askenが、9月3日の「秋の睡眠の日」に合わせて、睡眠と食事に関する大規模研究の結果を発表しました。
材料になったのは、『あすけん』の食事記録と、Google Fitbitで取得された睡眠データです。この2つを突き合わせ、延べ約38万件を統合解析しています。早稲田大学の柴田重信名誉教授、株式会社310LIFEとの共同研究で、成果は日本抗加齢医学会総会(2026年6月)と日本睡眠学会第50回定期学術集会(2026年7月)で発表されました。

『あすけん』の食事記録とFitbitの睡眠データ延べ約38万件を統合解析(画像:asken)
ウェアラブルで測った睡眠が、これだけの規模で学会発表の材料になったという点で、スマートウォッチを使っている人にも関係のある話です。順に見ていきます。
何を、どう調べた研究か
対象になったのは、『あすけん』で1日3食の食事記録をつけていて、同じ日の夜にFitbitの睡眠記録もそろっている利用者です。2つの学会で規模が異なります。
| 発表先 | 対象者 | 解析した記録 |
|---|---|---|
| 日本抗加齢医学会総会(2026年6月) | 20〜70代の男女 18,173名 | 延べ382,566件 |
| 日本睡眠学会第50回定期学術集会(2026年7月) | 標準体型(BMI18.5以上25.0未満)の30〜59歳 8,428人 | 延べ188,982件(1人あたり平均約22日分) |
対象期間はどちらも2025年9月1日から11月16日までです。Fitbit側からは床上時間、総睡眠時間、深睡眠、浅睡眠、レム睡眠、中途覚醒時間、運動カロリーを、『あすけん』側からは朝食・昼食・夕食・間食のエネルギー量と、たんぱく質から食物繊維、アルコールまで24項目の栄養成分を使っています。
睡眠の良し悪しの線引きに使われたのは「睡眠効率」です。布団の中にいた時間のうち、実際に眠っていた時間の割合を指します。この研究では睡眠効率85%以上を「良質」とし、そこから総睡眠時間6時間以上か未満かで3群に分けています。
睡眠の質が良い人は、6つの栄養素の摂取量が多かった

睡眠が良質・長時間の群はカリウムなど6栄養素の摂取量が多かった(画像:asken)
睡眠が「良質・長時間」(睡眠効率85%以上かつ6時間以上)の群は、睡眠不良の群と比べて、カリウム、ビタミンA、マグネシウム、たんぱく質、食物繊維、カルシウムの6つで摂取量の平均が上回りました。
特定の栄養素だけが突出しているのではなく、たんぱく質、食物繊維、ミネラル類と、複数にまたがって差が出たのがこの結果の形です。
深く眠れている人は、運動量が多くアルコールが少ない

深い眠りが多い群はたんぱく質・食物繊維・カリウムと運動量が多く、アルコールが少ない(画像:asken)
深い眠りが多い層では、たんぱく質・食物繊維・カリウムの摂取量と運動量が多く、アルコール摂取が少ないという結果でした。
深い眠りとは、ノンレム睡眠のうち深い段階のことです。Fitbitをはじめ多くのスマートウォッチやスマートリングが「深い睡眠」として表示しているのがこの区分にあたります。アプリの画面で見慣れた数字が、そのまま研究の指標として使われているわけです。
なお、深い眠りの多い・少ないは絶対値ではなく、性別・年代ごとにベースラインを設定して、そこから1.5ポイント高いか低いかで3分類しています。
短い睡眠でも質が良い人は、朝食をしっかり食べていた

短い睡眠でも質が良い群は朝夕比が高い(画像:asken)
3つ目は食べる時間の話です。夕食に対する朝食のエネルギー比を「朝夕比(朝食÷夕食)」として比べたところ、睡眠が「良質・短時間」(睡眠効率85%以上で6時間未満)の群は、睡眠不良の群より朝夕比が高い傾向がありました。睡眠時間が短くても質が保てている人ほど、夕食に偏らず朝食を食べていたということになります。
BMI別に見ると差はもっとはっきりします。睡眠効率が低く、かつ肥満2度以上の群では朝夕比が0.49。夕食のエネルギーが朝食の2倍以上に達していました。
深い眠りが多い群と少ない群の比較でも、差が出たのは朝食側で、夕食にはほとんど差がありませんでした。研究チームは、時間栄養学の「何を食べるか」に加えて「いつ、どの配分で食べるか」という視点が示されたとしています。
「食べれば眠れる」という話ではない
ここは押さえておきたいところです。この研究は介入を伴わない観察研究で、asken自身も「因果関係を示すものではありません」と明記しています。
つまり、たんぱく質を増やせば深く眠れるようになる、と読むことはできません。よく眠れている人がたまたまバランスの良い食事をしている、あるいは規則正しい生活が食事と睡眠の両方に効いている、という説明も同じくらい成り立ちます。
それでも、実生活のなかで記録された38万件規模のデータで両者が並んで見えたこと自体が、これまでになかった材料です。研究者コメントでも、早稲田大学の柴田名誉教授が「深睡眠は夕食でなく、朝食に関連するという非常に面白い成果」と述べています。
自分のFitbitやスマートウォッチで確かめるなら
この研究で使われた指標は、どれも特別なものではありません。睡眠効率、深い睡眠、中途覚醒はFitbitのアプリにそのまま表示されますし、他社のスマートウォッチやスマートリングでも同じ名前で見られます。
自分の数字をどう読むかは、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」と突き合わせるのが確実です。SWLでもスマートウォッチの睡眠データをこのガイドと照らし合わせる読み方をまとめています。
食事の記録と睡眠の記録を両方つけている人であれば、今回の研究と同じ切り口で自分のデータを眺めることもできます。朝食と夕食のエネルギー比なら、食事記録アプリの数字を割るだけです。
まとめ
askenが、『あすけん』の食事記録とFitbitの睡眠データ延べ約38万件を統合解析した研究を発表しました。睡眠の質が良い人は6つの栄養素の摂取量が多く、深く眠れている人は運動量が多くアルコールが少なく、短い睡眠でも質が良い人は朝食をしっかり食べていた、という3点です。
観察研究なので因果関係ではありません。ただ、ウェアラブルが日々記録している睡眠のデータが、こうした規模の研究に使われる段階に来ているのは確かです。
自分の睡眠スコアが伸びない理由を寝室の環境ばかりに求めてきた方は、朝食の量という別の切り口を試してみる余地があるかもしれません。
Source:株式会社asken プレスリリース(画像:asken)
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