折りたたみMacBookは幻に終わるのか?「ターナスの優先案件」が中止と調査会社Omdia、OLED MacBookももう1機種消える【海外ニュース】

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Appleロゴの店舗のイメージ画像。Apple Watchは写っていない。

Appleが何年も開発してきたとされる折りたたみのMac/iPadハイブリッドについて、製品計画がキャンセルされたと伝えられました。9月3日に調査会社Omdiaが出したリサーチノートが元になっています。

この製品は、今年3月にBloombergのMark Gurman氏が「ターナスの優先案件(Ternus priority)」と表現していたものです。9月1日にAppleのCEOに就任したばかりのジョン・ターナス氏が、副社長時代から力を入れてきたとされる製品でした。

消えたのは2機種、どちらも「Proの上」だった

Omdiaのノートには「16.1インチから18インチの折りたたみMacBookの製品計画は中止された」と書かれています。海外メディアの報道を見ると、キャンセルされたとされるのはこれだけではありません。

製品 画面サイズ 位置づけ 状況
折りたたみMacBook(iPad/Macハイブリッド) 16.1〜18インチ(開いた状態) ラインナップの最上位 中止と報道
OLED MacBook 14.4〜16.1インチ MacBook Proと折りたたみの間 中止と報道
MacBook Pro OLED(通称MacBook Ultra) 14.3/16.3インチ Proの最上位 2026年後半〜2027年前半に発表見込み
新しいOLED MacBook 13.8インチ MacBook AirとProの間 新たに追加

つまり「Proより上」に用意されていた2機種が消え、代わりに「AirとProの間」に1機種が入るという組み替えです。14.3〜16.3インチのサイズ帯は、今後もMacBook Proシリーズだけのものになる、というのがOmdiaの見立てです。

新しく加わるとされる13.8インチモデルは、LTPO+バックプレーンやアンダーパネルカメラを含む新世代のOLEDを使うとされています。上に伸ばすのをやめて、真ん中を厚くする方向です。

「日の目を見ないかもしれない」とは言われていた

折りたたみのMac/iPadは、2026年の登場が噂された時期を経て、2028年へ後ろ倒しされたと報じられていた製品です。Gurman氏は今年、こう書いていました。

Appleはおよそ20インチの折りたたみiPadに取り組んできた。この製品はターナスの優先案件だが、日の目を見ない突飛な実験に終わる可能性もある(関わった複数の人物の話)

「優先案件」と「日の目を見ないかもしれない」が同じ文に並んでいたわけです。今回のOmdiaのノートは、後半のほうが当たったことを示していることになります。

なお、この製品はこれまで「大画面の折りたたみiPad」として語られることが多く、今回のノートでは「折りたたみMacBook」と書かれています。呼び名が揺れているのは、iPadとMacの境目にある製品だからです。

Omdiaはどんな調査会社か

Appleロゴが掲げられた店舗

ディスプレイ業界の調査で知られるOmdiaのリサーチノートが今回の情報源(画像はイメージです)

Omdiaはディスプレイ産業の調査で知られる会社で、パネルの生産計画から製品の中身を推測する立場にあります。SWLでもウェアラブル出荷台数の四半期レポートや2032年までの市場予測を紹介してきました。

ただし、これはAppleの発表ではありません。パネルの発注計画が動いたことを、製品の中止として読んだ内容です。Apple自身が未発表の製品について語ることはないので、確認は取れません。

同じノートには、既存のmini-LED MacBook Proは高価格のOLED版が出た後もすぐには終わらず、少なくとも2028年ごろまで併売される見込みだとも書かれています。OLEDをiPadとMacの全ラインへ広げるという方針自体は変わっておらず、どの製品にどの世代のOLEDを割り当てるかを組み替えた、という整理です。

なぜこのタイミングなのか

9to5Macは、Appleが折りたたみのiPhone Ultraの反響を見てから判断する「様子見」の姿勢かもしれない、と書いています。折りたたみiPhoneが当たれば、大型の折りたたみも動き出す可能性がある、という見方です。

もうひとつ挙げられているのが価格です。メモリ価格の高騰で製品の値段が上がっている状況では、超高価格帯の意欲的な製品に道筋が見えないのではないか、と指摘しています。この点はSWLでも、メモリ不足でAppleが2026年の出荷計画を縮小したという報道を取り上げました。

読者コメントでも、価格からしてVision Proのようなニッチな製品になり、販売数は限られただろうという声が上がっています。Vision Proのチームが人員削減されたと報じられたのは先月のことです。高価で数の出ない挑戦的な製品を、いま抱え込まないという判断だとすれば筋は通ります。

ターナス体制で何が残るのか

気になるのは、これがCEOに就任したばかりのターナス氏の判断なのかどうかです。今回の報道からは分かりません。パネルの計画は数年単位で動くので、就任前から決まっていた可能性もあります。

ただ、ターナス氏の経歴を振り返ると、彼はハードウェアエンジニアリングの責任者としてAirPodsやApple Watchを世に出してきた人です。話題性より、量が出て日常的に使われる製品を積み上げてきたという評価があります。

そのターナス体制の最初の大きな舞台が、日本時間9月10日午前2時のスペシャルイベントです。ターナス氏は社内メモで「来週のとてつもない発表」を予告しています。ここで何が出て、何が出ないかを見れば、折りたたみのような実験的な製品にAppleが今後どう向き合うのかも、いくらか読めるはずです。

まとめ

調査会社Omdiaのリサーチノートによると、16.1〜18インチの折りたたみMacBookと、14.4〜16.1インチのOLED MacBookの計画が中止されました。代わりに13.8インチのOLED MacBookが加わり、14.3〜16.3インチはMacBook Proのものになります。

折りたたみのMac/iPadは、Gurman氏が「ターナスの優先案件」と呼びつつ「日の目を見ない可能性」も併記していた製品でした。Appleの発表ではないため確定ではありませんが、少なくとも近いうちに出るという話ではなくなったようです。

9月9日(日本時間10日)のイベントで、Appleが今どこに力を入れているのかが見えてきます。

Source:9to5Mac、MacRumors(画像:Unsplash)

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