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エレコムが2026年9月25日、防災グッズとアウトドア用品の使い方に関する調査結果を公表しました。防災グッズを買ったことがある人のうち44%が、購入後に「一度も確認していない」か「一度だけ確認した」にとどまっていたという内容です(エレコム株式会社調べ)。
先に断っておきたいことがあります。この調査の回答者は、モバイルバッテリー・ポータブル電源・LEDランタンなどのアウトドア用品をすでに持っていると答えた20歳以上の男女873名です。日本全体の縮図ではありません。以下の数字はすべて「アウトドア用品を持っている人のなかでの割合」として読んでください。
そのうえで、数字そのものは考える材料になります。とくに、アウトドア用品を月に数回以上使う層で防災グッズの点検率が76.1%と高く出た点は、備え方の設計に関わる話です。順に見ていきます。
防災グッズを買った人の44%が購入後にほとんど確認していない
まず購入経験から。アウトドア用品を持っている873名のうち、非常食・水・防災専用ライトなどの防災グッズを買ったことがある人は76%でした(エレコム株式会社調べ)。アウトドア用品を持っている層への調査なので、一般より高めに出ていると考えるのが自然です。
問題はその後です。購入経験があると答えた人に、買ったあとに使ったり点検したりしたことがあるかを聞いた結果が次の表です。
| 購入後の状態 | 割合 |
|---|---|
| 定期的に点検・使用している | 53% |
| 購入時以来、一度も確認していない | 28% |
| 一度だけ確認した | 16% |
| わからない | 3% |
防災グッズの購入経験がある663名の回答(エレコム株式会社調べ)
「購入時以来、一度も確認していない」28%と「一度だけ確認した」16%を足すと44%。購入者の4割強が、実質的に買ったところで止まっていることになります。一方で「定期的に点検・使用している」も53%あり、半数は手をつけています。全員が放置しているわけではありません。
点検されていない備えは、いざというときに動かない可能性があります。モバイルバッテリーは保管しているだけでも自然放電しますし、非常食や電池には使用期限があります。実際の災害では、メーカー各社が避難所へ電源機材を提供する動きも出ています。ただ、届く支援があるとしても、最初の数日を自力でしのぐ道具が生きているかどうかは別の話です。
続かない理由の1位は「使う機会がないので後回しになる」
防災グッズを「使っていない」「確認していない」「そもそも買っていない」と答えた499名に、その理由を聞いた結果が次の表です(エレコム株式会社調べ)。複数回答なので合計は100%を超えます。
| 理由 | 割合 |
|---|---|
| 使う機会がないので後回しになる | 36.8% |
| 点検・管理が面倒 | 27.7% |
| どこに保管したか忘れる | 23.4% |
| 特に理由はない | 19.3% |
| わざわざ専用のものを買う必要性を感じない | 14.7% |
| その他 | 1.5% |
未使用・未確認・未購入の理由(n=499・複数回答/エレコム株式会社調べ)
上位3つはいずれも、防災への意識が低いというより、防災グッズが日常の動線から外れていることを示しています。「わざわざ専用のものを買う必要性を感じない」14.7%も、同じ方向を向いた答えに見えます。
なお、この設問の対象は防災グッズの購入者だけではありません。買っていない人も含まれています。
アウトドア用品を月に数回以上使う層は点検率が76.1%
今回の調査でエレコムがいちばん押し出しているのが、アウトドア用品の使用頻度と防災グッズの点検頻度を掛け合わせた集計です。防災グッズの購入経験がある人を、キャンプ・車中泊・アウトドアレジャーでモバイルバッテリーやポータブル電源、LEDランタンを使う頻度で5つに分けています。
| アウトドア用品の使用頻度 | 定期的に点検・使用している | 購入時以来、一度も確認していない |
|---|---|---|
| 月に数回以上 | 76.1% | 16.2% |
| 季節ごと(年数回) | 53.4% | 36.0% |
| 年1回程度 | 45.1% | 28.0% |
| ほとんど使っていない | 40.2% | 25.2% |
| まったく使用していない | 41.3% | 31.3% |
防災グッズの点検頻度とアウトドア用品の使用頻度の関係(n=667/エレコム株式会社調べ)
アウトドア用品を月に数回以上使う層では「定期的に点検・使用している」が76.1%。購入者全体の53%より20ポイント以上高く、「購入時以来、一度も確認していない」も16.2%と最も低い水準でした。
エレコムはこの結果をこう説明しています。キャンプなどは電気や水道が制限された状況の疑似体験になる。だからアウトドア用品に日常的に触れることが「意図せず災害への対応能力を高める備えになっています」。
ただし、これは両者に関係が見られたという話です。アウトドア用品を使えば防災グッズを点検するようになる、という因果関係が確かめられたわけではありません。もともと備えへの関心が高い人がアウトドアにもよく行く、という順序も同じデータから読めます。
使用頻度が下がるほど点検率が下がるわけではない
上の表をもう一度見ると、きれいな右肩下がりにはなっていません。月に数回以上から年1回程度までは点検率が順に下がりますが、下の2区分は40.2%と41.3%でほぼ並び、最後でわずかに戻ります。
まったく使っていない層のほうが、ほとんど使っていない層より点検率が高いという並びです。差は1.1ポイント。各区分の人数を考えれば誤差の範囲かもしれません。それでも、使用頻度が下がるほど点検率も比例して下がる、という単純な関係ではないことは読み取れます。
確かなのは、月に数回以上の層だけが他の4区分から大きく離れている点です。下の4区分はおおむね40%台から50%台前半に固まっていて、76.1%との段差のほうがはるかに大きくなっています。
停電で最初に困るのはスマートフォンとウォッチの電池
スマートウォッチを使っている人にとって、この調査が引っかかるのは電源の部分です。停電が起きたとき、最初に減っていくのはスマートフォンとウォッチの残量です。
Apple Watchの緊急SOSや転倒検出、他社ウォッチの緊急通報機能も、本体の電池が残っていることが前提になります。1日単位で充電する機種なら、停電した初日から残量が気になります。スマートフォン経由で通報する仕組みなら、スマートフォン側の残量も必要です。
ここで効いてくるのが、点検されているモバイルバッテリーかどうかです。ウォッチの充電器は専用形状のものが多く、防災リュックにケーブルだけ入れ忘れているパターンもあります。半年に一度でも中身を開けていれば気づける類のものです。
電池の持たせ方そのものを見直す手もあります。GPSを常時使う設定はバッテリーの減りに直結するので、停電が長引きそうな場面では測定を切って時計と通知だけにするほうが長持ちします。
調査の概要
| 調査内容 | アウトドアギアの防災利用調査 |
|---|---|
| 調査方法 | インターネット調査 |
| 調査期間 | 2026年8月19日〜8月22日 |
| 調査対象 | モバイルバッテリー・ポータブル電源・LEDランタンなどのアウトドア用品を持っていると回答した20歳以上の男女 |
| 有効回答数 | 873名 |
調査概要(エレコム株式会社調べ)
回答者はアウトドア用品をすでに持っている人に限られています。数値はこの層における傾向であり、アウトドア用品を持たない人を含めた全体の傾向ではありません。「日本人の76%が防災グッズを買っている」とは読めない数字です。
構成比は小数第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合や、複数回答の設問で100%を超える場合があります。設問ごとの集計対象人数は、上の各表のキャプションに記載したとおりです。
まとめ
アウトドア用品を持っている873名への調査で、防災グッズを買ったことがある人は76%、そのうち44%が購入後にほとんど確認していない状態でした。続かない理由の上位は「使う機会がない」「点検が面倒」「どこにしまったか忘れる」で、意識の低さより動線の問題に見えます。
アウトドア用品を月に数回以上使う層では点検率が76.1%と高く出ました。因果が確かめられたわけではありませんが、ふだんから触っている道具は状態が分かる、というのは納得しやすい話です。
エレコムはこの調査に合わせて、アウトドアブランド「NESTOUT」のポータブル電源やモバイルバッテリーを防災の選択肢として挙げています。専用品を買い足すかどうかはさておき、手元のモバイルバッテリーを一度充電してみる、ウォッチの充電ケーブルが防災リュックに入っているか確かめる。そのくらいなら今日のうちにできます。
Source: エレコム「防災グッズ購入者の4割以上が、購入後に点検していないと回答」(2026年9月25日)
画像:エレコム
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