GarminがMoxyを買収|筋肉酸素センサーの老舗 声明は1文だけ IOENGINEからの特許訴訟も【海外ニュース】

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黒背景のGarmin Forerunnerスマートウォッチ

Garminが、筋肉の酸素飽和度を測るセンサーを手がける「Moxy Monitor」を買収しました。米国時間2026年9月28日、海外のスポーツテック専門メディアDC Rainmakerが伝えています。Garminは7月にもコーチング大手のTrainingPeaksを買収していますが、今回はそのときと違い、プレスリリースを出していません。

同じ記事では、GarminとSamsungが、IOENGINEという会社から特許侵害で訴えられたことも伝えられています。ここでは、Moxyの買収と新しい特許訴訟の2つを整理します。

Garminの声明は「買収は認めるが、それ以上のコメントはない」

Moxyは、筋肉にどれだけ酸素が行き渡っているかを測るセンサーのメーカーです。脚などに取り付けて、運動中の筋肉の酸素の状態を記録します。

Garminは、DC Rainmakerに対して次のように回答しています。

「GarminはMoxy Monitorの買収を認めますが、現時点でそれ以上のコメントはありません」

DC Rainmakerによると、Garminは毎年いくつもの会社を買収していて、ふだんはプレスリリースを出し、買収した会社の説明や幹部のコメントを添えるのが通例です。買収された側も、既存の顧客に「当面は何も変わらない」といった連絡を送るのが決まった流れでした。今回はそのどちらもなく、同メディアはこの短さを異例だとしています。

MoxyとGarminは10年以上の付き合い

DC Rainmakerは、MoxyとGarminのあいだには10年以上の深いつながりがあったと振り返っています。

時期 できごと
2014年1月 MoxyがANT+への対応を発表
2014年9月 GarminがConnect IQを発表したANT+シンポジウムで、Moxyが紹介される。その数か月後、MoxyはGarminのウォッチで最初のConnect IQアプリになった
その約1年後 筋肉の酸素のデータ形式(Muscle Oxygenプロファイル)がANT+の認証を受け、Connect IQアプリなしでGarminのウォッチに直接表示できるようになった

同じ分野ではBSXという会社がMoxyと競っていましたが、BSXは事業をたたみ、MoxyがBSXの利用者向けに割引を出したこともあったといいます。

その後のMoxyは、一般の消費者よりも、コーチや研究の用途に軸足を移していきました。CEO兼創業者はRoger Schmitz氏です。DC Rainmakerによると、センサーのセット価格は2018年当時とまったく同じで、生産の規模も大きくありません。

DC Rainmakerは「小型化」と「特許の先回り」を狙いと見る

Garminが何を狙っているのかは、明らかにされていません。DC Rainmakerは、狙いは2つあるのではないかと見ています。

ひとつは小型化です。以前は大きな機器でしか実現できなかったセンサーが、いまは手首などの小さなウェアラブルに入るようになっています。Garminの製造技術があれば、筋肉の酸素のセンサーをもっと小さくできるかもしれず、Garminの販売網で広く売ることもできる、という見方です。

もうひとつは、同メディアがより可能性が高いと見ている理由で、ほかの会社が特許を目当てにMoxyを買うのを防ぐことです。同メディアは推測として、関心を持ちそうな相手の筆頭にWHOOPを挙げています。WHOOPが最近ほかの会社を訴えていることを踏まえると、あとで訴訟に対応する費用より、先にMoxyを買っておくほうが安く済むはずだ、という見立てです。

Moxyの既存ユーザーがこの先どうなるのかは、まだ分かっていません。DC Rainmakerによると、Moxyのセンサーは、Moxy Portalを使っていない限り、どこかのサーバーに頼って動くものではありません。また、Garminがサービスを止めると示すものも、いまのところ何もないとしています。

IOENGINEがGarminとSamsungを特許侵害で提訴

もうひとつの話題は訴訟です。IOENGINEという特許の保有者が、GarminとSamsungをそれぞれ特許侵害で訴えました。米国の裁判所の記録によると、Garminへの訴えは米国時間2026年9月25日(金)にフロリダ州南部地区連邦地裁へ、Samsungへの訴えはそれに先立つ9月22日にテキサス州東部地区連邦地裁へ起こされています。

問題にされているのは2004年ごろの特許で、2つの地点のあいだでデータをやりとりする(トンネリングする)方法に関するものです。訴状では、侵害しているとする製品の主な例としてfēnix Eとfēnix 5を挙げ、さらに、Physio TrueUpのデータをデバイスからGarmin Connectへ同期する例などを挙げています。

IOENGINEはこれまでにも、PayPal、Imation、Ingenico、Rokuなど、より大きな会社と同じような主張で争ってきました。DC Rainmakerによると、なかでも目立つPayPalとの訴訟(1:18-cv-00452)は8年近く続き、IOENGINEはほぼすべての争点で敗れ、残りも棄却されています。

DC Rainmakerは、IOENGINEの主張の多くは、いわゆるパテントトロールによくある形だと評しています。今回の特許の主張についても「コンピューターの仕組みそのもの」と言えるほど広く、理屈の上ではほとんどどの会社にも当てはまってしまう、という指摘です。そのうえで、Garminはこうした訴えに反論してきた実績があるとし、今年Suuntoから訴えられた件でもGarminが反訴し、その係争が今も続いていると紹介しています。

まとめ

Garminは、筋肉の酸素センサーのMoxy Monitorを買収しました。Garminは買収を認めたものの、それ以上のコメントはなく、ふだんのようなプレスリリースも出ていません。DC Rainmakerは、センサーの小型化と、ほかの会社に特許を押さえられるのを防ぐことが狙いではないかと見ています。

同じ時期に、GarminとSamsungはIOENGINEから特許侵害で訴えられました。DC Rainmakerによると、IOENGINEは過去のPayPalとの訴訟でほぼ全面的に敗れています。今回の訴えがどう進むかは、今後の裁判を待つことになります。

Source: DC Rainmaker

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