Apple Watch Ultraの発売以降、Galaxy Watch Ultraをはじめ、超ハイエンドなモデルを多く発売してきました。
そんななかで、見た目がUltraっぽい『HUAWEI WATCH FIT 4 Pro』は、今までにないパターンのモデル。
チタン合金ベゼルなどの見た目や、バッテリーの持ちの良さはApple Watch Ultraっぽいですが、価格は何と37,180円~。
この『HUAWEI WATCH FIT』シリーズが、もともとミドルレンジ(2万円前後)のシリーズだったこともあり、10万円前後する他社のUltraモデルより価格はグッと抑えられています。
おまけに健康機能では心電図も計測可能と、4万円以下のモデルでは見たことないレベルの完成度になっていて、実際に使っても使用感は抜群でした!
本記事ではその使用レビューを詳しくお届けします!
なお本製品はブランド側から貸与を受けていますが、広告記事ではありませんので、感想は率直にお伝えします!
レビューするモデルはこちら
HUAWEI WATCH FIT 4 Pro
・ブルー、ブラック(フルオロエラストマーベルト):税込37,180円
・グリーン(ナイロンベルト):税込39,380円
なおこちらのモデルと同時期には「WATCH FIT 4」という名前に「Pro」がないモデルも販売開始しています。
基本的には、今回レビューするProモデルのほうがスペックが上の部分が多く、そのぶん価格も高くなっています。
両者の比較については下記記事でまとめましたので、そちらをご覧ください。
【あわせて読みたい】HUAWEI WATCH FIT 4 ProとWATCH FIT 4を徹底比較! 違いをスペックごとに詳しく解説
主要な機能を一覧表でチェック
当サイトが使用しているスマートウォッチの主要機能表を使い、本モデルに搭載されている機能をチェックしてみました。
緑色の部分が搭載している機能で、色のない部分が未搭載の機能です。
機能全体の雑感としては、4万円を切るモデルとしては異例のオールラウンドぶりが目を引きます。
通知や天気などの日常の機能はもちろんのこと、運動の機能、健康の機能などもベーシックな機能はほぼ完璧に揃っています。
搭載している機能で目を引くのは気圧高度計の搭載。これはFITシリーズ初で、このモデルが登山等のアクティビティに向いたモデルだと分かります。
未搭載の機能として気になるのは、HUAWEIのスマートウォッチ全般にいえることですが、「Suicaなどの決済機能がないこと」「Alexaなどの音声アシスタントが未搭載のこと」。
この2点はApple WatchやGalaxy Watch、Google Pixel Watchなどと比べると明確に遅れをとっています。
対応するスマートフォンはAndroid 8.0以降、iOS 13.0以降。
搭載するセンサー類は以下のとおりで、上記の表にない部分だと水深を測る深度センサー、そして心電図を計測する心電図センサーを搭載している部分が目を引きます。
センサー類
・加速度センサー
・ジャイロスコープセンサー
・地磁気センサー
・光学式心拍センサー
・気圧センサー(FITシリーズ初)
・温度センサー
・環境光センサー
・心電図(ECG)センサー
・深度センサー
・マイク:対応
・スピーカー:対応
バッテリーの持ち具合は?
みなさんが気になるであろう、バッテリーの持ち具合についても、公式発表のデータと、実際に使用したときの減り具合をお伝えします。
ブランド公式のデータだと以下のようになっています。
・通常使用:約10日
・ヘビーユース:約7日
・AOD(常時表示)使用時:約4日
・ワイヤレス急速充電:約60分でフル充電
実際に筆者が使ってみたところでも、画面を常時表示にしない場合は1日あたり10%程度、常時表示にした場合は20%程度減る印象でした。
同梱品をチェック
ケーブル一体型の専用充電クレードルが同梱されており、電源側はUSB Type-A端子。モバイルバッテリーやPCからの給電でも使用可能で、外出先でも安心して充電できます。
同梱されているものも確認してみましょう。
見た目をチェック
素材や大きさ、重量について
見た目や素材もチェックしていきます。
まずサイズと重量は以下の通りです。
・サイズ:44.5 × 40.0 × 9.3 mm(最薄部・センサー部除く)
・重量:約30.4g(ベルト除く)
これまでのFITシリーズは、「スマートバンドと呼ばれる製品よりはケースが横に広い」という感じの大きさでしたが、今回はさらに大きめに。
サイズ感としてはApple Watchの44~46mmモデルに近い感じで、明確に大画面なモデルとなりました。
そしてベゼルにはチタン合金を使用しているため、ステンレスケースの製品と比べると、高級感が上で、なおかつ軽め。
約30.4 g というのは、着用していてそこまでストレスを感じない重さといえます。
チタン素材を使っていることや、フラットなディスプレイなど、見た目はApple Watch Ultraにかなり似ています。
物理ボタンについて
ボタンは右側面に回転式クラウン、サイドボタンを装備。
Apple Watch Ultraの場合は左側にもボタンがありますが、本モデルにはありません。
下のボタンは1回押すとワークアウトが出てくるのがデフォルトの設定ですが、設定から違うアプリに変更することも可能です。
防水等級や耐久性について
この点のスペックは以下の通り。
・5ATM防水(ISO 22810:2010 準拠)
・IP6X防塵(IEC 60529:2013)
・40mまでのフリーダイビング対応(EN13319規格)
40mまでのフリーダイビング対応というスペックが目を引きます。
高温・高湿環境(温泉、サウナ等)での使用は非推奨ですが、マリンアクティビティではバッチリ使えるモデルといえるでしょう。
ディスプレイについて
ディスプレイ関連のスペックは以下の通り。
・ディスプレイ:1.82インチ AMOLED
・解像度:480 × 408 ピクセル(PPI:347)
・最大輝度:3000nits(ファーウェイ史上最高輝度)
最大3,000 nitsの輝度があるため、明るい照明の下でも、アウトドアでも、鮮明な見た目を保ってくれます。
こうした明るさもApple Watch UltraをはじめとしたUltra系モデルの特徴なので、やはり先行モデルを意識している感があります。
素材は以下の通り。人口サファイヤガラスを使っているので、一般的なスマートウォッチよりは堅牢性は高いといえます。
・ガラス素材:人工サファイアガラス
・フレーム素材:アルミニウム合金(ミッドフレーム)
バンドについて
・ブルー:フルオロエラストマー
・ブラック:フルオロエラストマー
・グリーン:ナイロン
バンドについてはカラーにより素材が違いますが、シリコンより高品質なフルオロエラストマーが使われているのが一つの特徴。
フルオロエラストマーはApple Watchのスポーツバンドにも使われている素材です。
詳細は下記の記事で詳しく解説しています。
スマートウォッチのバンドでよく見る「フルオロエラストマー」とは? 特徴やメリットを解説
操作感をチェック
操作感もチェックしていきます。
2つの物理ボタンがあり、なおかつ上のデジタルクラウンは回転することで画面の上下動が可能なため、ボタンなしのモデルと比べると操作感は圧倒的に軽快です。
アプリ一覧の画面も見やすい工夫がされていました。
デジタルクラウンを回していくと、アイコンが次々と変わっていくのですが、下向きに回し続けると「アイコンの下にアプリ名を表示」というモードにすることも可能。
そのためアプリの数が多くても、目当てのアプリを探しやすいのです。
また左右のスワイプで表示される「カード」は、順番の並び替えや追加・削除ができるほか、画面によっては表示項目のカスタムも可能。
こちらも非常に使いやすくなっています。
日常の機能をチェック
ウォッチフェイスについて
日常で使う機能をチェックしていきます。まずはウォッチフェイスです。
こちらはHUAWEI Healthアプリの文字盤ストアから有料、無料の物を含めて超大量の文字盤を選ぶことが可能。
目を引いたのは「マキシマムモジュール」という文字盤で、これがApple Watch Ultraの文字盤にソックリです(笑)。
画面内に表示できるアプリも5つと非常に多く、使い勝手が良いと感じました。
そのほか色んなタイプの文字盤があるので、文字盤ストアで探してみましょう。
そのほか日常で使う機能について
そのほか日常で使う機能としては、以下のようなものが揃っています。
・スマホの通知受け取り
・Bluetooth通話対応・音楽再生コントロール(Androidとのペアリング時はウォッチ内保存可)
・スマホのカメラのリモートシャッター
・タイマー、アラーム、ストップウォッチ
・天気
・スマホの場所を探す
通知機能では、Gmailやカレンダー、Twitter、Instagram、SMSなど多くのアプリで、本文の冒頭や詳細まで表示されます。
LINEはAndroid端末とのペアリング時に限り、メッセージの内容が確認可能です(iOSでは制限あり)。
通知を受け取るアプリは、HUAWEI Healthアプリの設定から自由にカスタマイズできます。
音声アシスタントと決済機能がない意外は、非常にハイスペックなもでるといえるでしょう。
健康の機能をチェック
血圧の項目も表示されていますが、今回のモデルでは計測できません
健康関連の機能も確認してみましょう。
ざっくり書くと搭載している機能は以下になります。
・心電図(ECG)測定(日本のプログラム医療機器承認取得済)
・24時間心拍・血中酸素レベル・体表面温度・ストレスレベルモニタリング
・情緒(ストレス)モニタリング(快適/普通/不快)
・呼吸エクササイズ機能
・睡眠時呼吸乱れ検知
・睡眠分析(HRV、心拍変動、SpO2、呼吸数など)
一般的なスマートウォッチにある機能を幅広く搭載していることが分かります。
この点はハイエンドのスマートウォッチの証拠といえるでしょう。
日本のプログラム医療機器承認を取得した心電図測定機能があるのがやはり目を引きますね。
心電図の計測は、ウォッチ右側面の下部にあるボタンに約30秒間、指をタッチして行います。
このボタンには電極が内蔵されており、測定中は手首と指の間で微弱な電気信号を読み取ります。
測定結果はウォッチ画面上ですぐに確認でき、スマートフォンのHUAWEI Healthアプリを通じてPDF形式で保存・共有することも可能です。
使ってみましたが、使い勝手はApple Watchの心電図機能と同じ感じで、しっかり測定ができました。
また睡眠計測の項目も非常に詳細で、呼吸の質や心拍変動が正常か否かなどを判定してくれました。
皮膚温度や血中酸素濃度もしっかり計測できており、健康系の機能は非常に多彩です。
健康管理モデルとしてもハイスペックなスマートウォッチといえるでしょう。
運動の機能をチェック
ワークアウトなどの運動関連の機能も確認してみましょう。
100種類以上のワークアウトに対応しており、特徴的な機能は以下になります。
・ランニングフォーム分析
・等高線付きフルカラーマップ表示
・GPXルート対応のオフラインナビゲーション
・ゴルフモード:1万5000以上のゴルフコースに対応。グリーン、バンカー、池などのハザード表示、グリーン傾斜ヒートマップなど
・ダイビングモード:水深計測、時間、リマインダー設定可
ダイビング、ゴルフ、そして地図を利用した登山などのアウトドアアクティビティで幅広く使えるスペックを持っていることが分かります。
このあたりの機能は数千円~2万円程度のモデルではまず搭載していないものばかりで、4万円を下回るこのモデルで搭載しているのは驚きといえます。
なお「等高線付きフルカラーマップ表示」は地図をダウンロードして使ってみましたが、詳細な等高線付きの地図を見ることができました。
ロングバッテリーのモデルのため、日帰り登山等ではバッチリ使えると思います。
またランニングの計測も実際に行ってみました。
最大酸素摂取量(Vo2MAX)のほか、標高の変化、そして平均設置時間、垂直振動、左右のバランスといったランニングフォームの分析まで、幅広く対応。
ランニング計測のモデルとしても相当ハイスペックだと感じました。
なおナビゲーション・GNSSのスペックは以下の通り。
専門用語ばかりで分かりづらいですが、簡単にいうと、「アメリカや欧州、日本などの主要な衛星測位システムに対応し、L1/L5の複数周波数で位置情報を取得できる」「ヒマワリ型アンテナの採用により、特にビル街や山間部でも安定して正確な測位が可能」「ウォーキングやランニング、登山など、どんな環境でも信頼性の高いGPSトラッキングを実現している」という感じです。
・GNSS対応:
L1:GPS、GLONASS、GALILEO、BDS、QZSS
L5:GPS、GALILEO、BDS、QZSS
・ヒマワリ型アンテナで位置情報精度がFIT 3比で約20%向上
まとめ
こんな形でしばらく使ってみました。
『HUAWEI WATCH FIT 4 Pro』は、4万円を切る価格帯ながら、Apple Watch Ultraを思わせる外観と堅牢性、そしてダイビングや登山、ゴルフなど多彩なアクティビティに対応できるハイスペックな機能を搭載しています。
気圧高度計や深度センサー、心電図機能など、これまでハイエンドモデルにしか見られなかった機能を惜しみなく盛り込んだこのモデルは、「コスパ重視だけど機能は妥協したくない」というユーザーにとって理想的な選択肢となるでしょう。
実際に使ってみた感触としても、操作性やバッテリー持続時間、各種計測の正確さなど、完成度の高さを感じました。
決済機能や音声アシスタントが非搭載であることはやや残念ですが、それを補って余りある価値のある一台です。
価格と機能のバランスが絶妙な、今もっとも注目すべきスマートウォッチのひとつと言えるでしょう。
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