2025年10月、Garminは公式ブログで「フィットネストラッカーのデータが、パニック発作の予測研究に貢献した」と発表しました。
この研究は台湾・国立台湾大学(NTU)生医電子與資訊研究所(BEBI)が実施したもので、Garminの「vívosmart」シリーズが用いられました。
研究チームは、被験者の心拍、活動量、睡眠などの生理データをGarminトラッカーで取得し、さらに心理アンケートや環境データと組み合わせて分析。その結果、最大7日前にパニック発作を予測できる可能性が確認されたと報告しています。
Garmin vívosmartシリーズが研究に活用
研究は3段階のコホート(追跡)研究として実施され、期間は1〜3年に及びました。初期の研究では59名のパニック障害患者を対象に、Garmin vívosmart 4を着用して日常生活の生理データを収集。これに加えて、スマートフォンアプリを通じて感情や環境に関する情報も取得しました。
参加者の多くが「自分の体調や感情を客観的に把握できた」とポジティブに回答し、デバイスによる自己理解の向上も確認されています。
最大7日前に「発作の予兆」を察知
研究では、Garminの心拍・睡眠データやアンケート結果を機械学習で分析。翌週に発作が起きる可能性を92%以上の精度で予測できたケースも報告されました。
また、平均心拍数(72〜87 bpm)、安静時心拍数(55〜60 bpm)、深い睡眠50分以上といった数値が安定しているほど、発作リスクが低下する傾向も示されています。
これは、Garminのようなウェアラブルデバイスを使うことで「再発防止のための早期介入」が可能になる可能性を示唆する重要な成果です。
モバイル支援による新しい治療モデルへ

写真はvívosmart 5
さらに、最新の研究では「モバイル支援型ケースマネジメント」を導入。スマホアプリを通じて医療専門家と連携し、患者が日常生活の中で症状をセルフコントロールできる仕組みを検証しました。
結果として、アプリを活用した患者は「自分で症状を管理できる感覚が高まった」と回答。Garminデバイスのようなツールが、医師と患者の双方に新たな治療支援の形をもたらすことが期待されています。
研究の学術的背景
この研究成果は、国際学術誌『JMIR Medical Informatics』(2022年)に掲載された「Panic Attack Prediction Using Wearable Devices and Machine Learning」に基づいています。
研究ではGarmin vívosmart 4を使用し、1年間のデータ収集を実施。睡眠や心拍、環境要因(PM2.5やAQIなど)と心理指標(BAI, BDI, STAIなど)を組み合わせたモデルを構築し、ランダムフォレスト手法で最大81.3%の精度を達成しました。
これは、ウェアラブルデバイスとAIが精神疾患の予防・治療支援に役立つ可能性を示す画期的な成果です。
Garminデバイスがもたらす新たな可能性
Garminデバイスは医療機器ではありませんが、ユーザー自身が心身の変化を可視化し、早めに対策を取る「デジタルヘルスケア」の基盤として注目されています。
パニック障害のようなメンタルヘルス領域だけでなく、今後は睡眠やストレス管理、慢性疾患の早期発見など、より広い分野での応用が期待されます。
研究に関する詳細はGarmin公式ブログ(Garmin 日本ブログ)で紹介されています。
まとめ
今回の研究は、スマートウォッチが「心拍を測るためのガジェット」から、「心の健康を守るための科学的ツール」へと進化していることを示しています。
Garminのようなデバイスを日常的に活用することで、自分の心と体のリズムを理解し、より健やかな毎日を過ごすことができるでしょう。
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