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ブラジル人プログラマーがTicWatchを20年前のアウディA4のシフトレバーに改造!3DプリンタとWear OSアプリで実現したDIYカスタムが話題

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クラシックカーのシフトレバーが、スマートウォッチに置き換わったら——。海外メディアのModernet Digitalによると、ブラジル人プログラマーが第1世代の「TicWatch」を3Dプリンタで自作したパーツに組み込み、20年以上前のアウディA4(B5型)のシフトレバーとして使うDIYカスタムを公開し、海外で話題になっています。さらに、このスマートウォッチはマルチメディアのリモコンとしても機能するというから驚きです。スマートウォッチの新しい使い道を考えるうえで、見逃せない事例として紹介します。

Source:Modernet Digital

TicWatchがクラシックカーのシフトレバーに変身

このDIYカスタムを手がけたのは、ブラジル在住のプログラマー。素材として選ばれたのは、第1世代のTicWatchでした。オリジナルのシフトノブを取り外したうえで、3Dプリンタで自作したパーツにTicWatchをぴったり収め、シフトレバーの先端に固定したそうです。

仕組みのカギになっているのは、TicWatchに搭載されているジャイロセンサーと加速度センサー。レバーを動かしたときの傾きと位置をスマートウォッチ側が読み取り、現在どのギアに入っているのかを判定する仕組みです。1速・2速・3速・4速・5速、そしてリバースまで、すべてスマートウォッチで認識できるよう設計されています。

この機能を実現するために、プログラマー自身が独自のWear OSアプリを開発。センサーの数値から「いまどのギアか」を推定し、リアルタイムで画面に表示するというものです。20年以上前のクラシックカーに、最新のウェアラブル技術が組み合わさるという、なかなか見られない構成になっています。

センサーの誤差は「動的キャリブレーション」で克服

この仕組みで最大の壁になったのが、傾斜のある道でセンサーが誤動作してしまう問題でした。とくに上り坂では車体そのものが傾いてしまうため、シフトレバーの角度も基準位置からずれてしまい、誤ったギアを認識する可能性があったといいます。

そこで開発者が実装したのが、走行中に基準値をリアルタイムで補正する「動的キャリブレーション」です。車体の傾きをセンサー側で吸収するように調整することで、坂道でも誤判定を起こしにくい仕組みに仕上げたとのこと。

1990年代後半のアウディA4は、いまのクルマと違ってデジタルなギア情報を外部に出力できるような通信プロトコルを持っていません。そのため、車体側ではなくスマートウォッチ側のセンサーに頼るというアプローチは、古いクルマを活かしながら新しい体験を加える方法として理にかなった選択といえそうです。

シフトレバーが「Spotify用リモコン」にも進化

このプロジェクトが面白いのは、ここで終わらなかったところ。当初は「見た目を変えただけのギミックでは?」という声もあったそうですが、開発者はライブコーディング配信プラットフォーム「Twitch」で生放送をしながら、TicWatchをタッチ式のメディアリモコンとして使うコードを書き上げてしまいます。

これにより、シフトレバーは単なるギアセレクターから、Spotifyの再生・一時停止・曲送りなどをタッチ操作で行えるリモコンへと進化。ステアリングから手を大きく離さず、視線を前に向けたままで音楽操作ができるようになった点が、運転体験のうえでは大きな変化です。

「安全に使う」ための注意点も明確に

一方で開発者は、安全面の注意も忘れていません。あくまで運転中は両手をハンドルに添えるのが基本であり、シフト操作以外で頻繁にレバーへ触れるのは推奨されない、というスタンスです。

また、シフトノブの位置に電子機器を搭載しているため、強く押し込んだり、無理な力を加えたりすると、ギア機構そのものにダメージが及ぶ可能性も指摘されています。クルマ本体を傷めずに長く楽しむには、あくまで「やさしく触れる」ことが前提だといえそうです。

個人発の発想が示す、ウェアラブルの新しい可能性

一見すると、プログラマーの遊び心から生まれたユニークな実験プロジェクトに見えますが、考えてみると示唆に富む事例です。3Dプリンタ、プログラミング、市販のスマートウォッチ——いずれも個人が手の届く範囲のツールだけを使って、20年以上前のクルマを「最新のインターフェース」に近づけている点が、何より興味深いところです。

大きな研究所や自動車メーカーの開発部門でなくても、こうした発想は形にできる。むしろ「日々の不便」や「ちょっと面白そう」というモチベーションこそが、新しい体験を生み出すきっかけになっているという見方もできます。

シフトレバーの位置にタッチデバイスを置き、ジェスチャーや軽いタップでメディアやナビ、エアコンを操作するというアイデアは、現代の新車のUI設計にもヒントを与えてくれそうです。実際、近年は物理ボタンを減らしてタッチパネルに集約する車種も増えていますが、それを「運転姿勢のまま自然に触れる位置」に置けるかどうかは、改めて議論の余地があるテーマです。

古いクルマを「いまの体験」にアップデートする発想

このプロジェクトのもう一つの面白さは、車体側に大きな改造を加えずに、スマートウォッチ単体で新しい機能を実現している点です。配線を大幅に引き直したり、純正のECUに手を入れたりする必要がなく、3Dプリンタのパーツとシフトノブの置き換えだけで完結しているため、後戻りもしやすい構造になっています。

つまり「クラシックカーの世界観は壊さず、操作系のごく一部だけを現代化する」というアプローチです。乗り味やスタイルを大切にしながら、現代的な音楽再生体験だけはアップデートしたい——そんなユーザーにとっては、参考になる方向性かもしれません。

もちろん、これは公道での実用を前提に万全のテストを重ねた量産品ではなく、あくまで個人による実験的なプロジェクトです。同じ仕組みを自分のクルマに導入するには、安全性・耐久性・各国の法規制を踏まえる必要があります。それでも、「スマートウォッチ=手首に着けるもの」という前提を超え、生活空間や愛車のインテリアの一部として再利用するという発想は、これからのウェアラブルの可能性を広げてくれそうです。

まとめ

ブラジル人プログラマーによる今回のプロジェクトは、第1世代のTicWatchと3Dプリンタ、そしてWear OSアプリを組み合わせることで、20年以上前のアウディA4を新しい操作体験へと作り変えた事例でした。ジャイロセンサーと加速度センサーでギアを判定し、動的キャリブレーションで坂道の誤差を吸収。さらに、Twitchでのライブコーディングを通じてSpotify用のタッチリモコンへと発展させたところまで含めると、スマートウォッチの可能性を再認識させてくれる内容といえます。

新しいクルマやガジェットを買い替えるだけでなく、いま手元にあるデバイスをどう活かすか。Smart Watch Lifeでは、こうしたユニークな海外事例も含め、スマートウォッチに関する話題を引き続き追いかけていきます。

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