Ray-Ban Metaはどんな人が買っている? 子育て世代の使い方から「視覚障害者ニーズ」まで【販売現場のリアル】

コラム・業界分析

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Meta と仏エシロールルックスオティカが共同開発するメガネ型AIグラス「Ray-Ban Meta(Gen 2)」が、2026年5月21日に日本上陸しました。参考価格は73,700〜89,100円(税込)のレンジ。Meta公式オンラインストア(Meta.com)に加え、メガネスーパー・メガネの愛眼・ビジョンメガネ・和真など全国のメガネ専門店でも順次取扱いがスタートしており、「ネットで買う」「実店舗で買う」のどちらも選べる体制になっています。

そんなRay-Ban Metaについて、「カメラ付きのAIグラスなんて、買うのはガジェット好きやお金に余裕がある人だけでしょ?」と思っている人がいれば、それは大きな勘違いかもしれません(筆者も勘違いしていました)。

たとえばメガネスーパーは2026年5月21日に全国限定5店舗で取扱いを開始(参考:メガネスーパー、AIグラス「Ray-Ban Meta」を限定5店舗で取扱い開始)。なかでも先頭に立つ新宿中央東口店では、想像とはちがう客層と用途が次々に持ち込まれているといいます。

同店を統括する株式会社メガネスーパー メガネ事業部 アイウェアグループの坂田憲一(さかた けんいち)グループ長と、新宿中央東口店の宮田永士(みやた えいし)店長への取材で見えてきたのは、ガジェット好きだけの製品では収まらない、Ray-Ban Metaの「もうひとつの顔」でした。

購入者の約9割が新規客。視覚障害のある方からの問い合わせ、子育て世帯からのライフログ需要、そして通訳機能を待つ強い期待。販売現場で起きていることをまとめます。

購入者の約9割が新規客——想定を超えた「視覚障害ニーズ」も

新宿中央東口店の宮田永士(みやた えいし)店長

取材で最初に印象的だったのが、「Ray-Ban Metaの購入者については、90%以上が新規のお客様でした」(坂田グループ長)という話でした。

つまり利用客は、おそらくはガジェット志向で情報を集めて来店している方が中心なのです。

2026年5月21日のスタート時点では、事前学習をしていたスタッフでも対応が追いつかないほどの問い合わせが集中したとのこと。

AIグラスというカテゴリそのものが、新しい客層をメガネ店に呼び込む役割を果たしている格好です。

搭載されたカメラで撮影が可能なAIグラスは、メガネ店に新しい客層を呼び込んでいる

そして想定を超えていたのが、「視覚障害や弱視のある方からの問い合わせの多さ」でした。

「今いる場所や、目の前にあるものが見えない状況での、サポートとして使われる方が多いです。『今いる場所を言葉で教えてもらえると頭の中で想像できるし、自分の位置を把握しやすい』と仰っていた方もいました。文書の読み上げを期待されている方もいらっしゃいましたね。また、すでにAIグラスを複数台持っていて、今回のRay-Ban Metaもかけてみて感触が良くその場で購入、という方もいました」(宮田店長)

なお「いま目の前に何が写っている?」とRay-Ban Metaに問いかける使い方は筆者も試してみましたが、大半のことは正確に言い当てられていて、その精度の高さに驚かされました(息子と妻の前で聞いたら「子供が2人います」と言われたこともありましたが笑)。

なおRay-Ban Metaは医療機器ではなく生活支援としての利用にとどまること、視覚障害のある方への安全性・有効性については、製品の医療的な保証があるわけではないことは注意すべきですが、それでもこうした製品には大きな期待が寄せられていることが分かります。

「カメラを意識させずに残せる」――出産前後の子育て世帯に刺さる

Ray-Ban Metaで撮影した用水路を覗き込む子供の俯瞰一人称ショット
筆者がRay-Ban Metaで撮影したザリガニ釣り中の息子。家族の思い出も気軽に、手間なく記録に残せる

もうひとつ、現場で増えているのが子育て世帯からの問い合わせです。「お子さんが生まれたての方や、出産を控えている方からの問い合わせも多いです」と宮田店長。理由は明確で、Ray-Ban Metaならばカメラを意識させずに、自分の視点のまま子どもを撮れるからです。

子供が小さいうちから自然な姿を写したい。でも、カメラを向けると意識がそっちに行ってしまう。しかも、子育て中は常にスマホやカメラを持てる状況でもない——そんな時に、自分の視点のまま子どもを撮影できるRay-Ban Metaは、子育て世代に刺さっているのです。

また撮影の操作は声の命令でも可能ですし、ボタン操作も右側テンプルのボタンを押すだけなので非常に簡単です。

スマホやビデオカメラよりも簡単に撮影でき、なおかつ自分の視線そのものを記録できるという点は、この新世代のガジェットの大きな魅力と言えます。

息子と義父が畑でアスパラガスを抜く瞬間を撮影中の筆者。動画は撮影スタートすると1分は自動で録画してくれる

宮田店長自身も、子育て中の使用には大きな可能性を感じているとのことでした。

「Ray-Ban Metaの発売2日後が子どもの運動会で、『これがあればカメラやスマホを持って動き回る必要がなくなるな」と感じました。先日は地域の夏祭りでも、風景をカメラ越しでなく自分の視点のまま記録できました」(宮田店長)

子育て以外の用途では、ライフログ・スポーツ用途でもいろいろな使い方があるとのこと。

「自転車に乗りながらでもハンズフリーで撮影をできるので、そこで撮った映像をInstagram等にアップしている方もいるようです。また海外では、Ray-Ban Metaで撮った動画をスマホで編集し、そのままSNSに投稿している方もいましたね。先行販売されているアメリカでは、すでに多種多様な使い方をされている印象です」(宮田店長)

このサイトのようなガジェットを扱うメディアの場合は、製品レビューでもRay-Ban Metaは使える可能性があるなと感じました(画角が広角なので寄りの撮影には不向きですが)。

「いつ日本語が来る」――店頭スタッフも通訳機能を待ち望む

新宿東口の駅前にあるメガネスーパーの店舗では、スタッフの側にもAIグラスの翻訳機能への期待が高いとのこと

機能面で最も問い合わせが多いのは、通訳機能です。海外ではすでに提供が始まっており、日本展開はまだのため、「いつ対応するのか」「どれだけ実用的なのか」を確かめてから買いたい、という方が一定数いるとのこと。

そしてこの機能については、販売するスタッフの側も大きな期待を寄せているとのこと。

「新宿中央東口店は場所柄インバウンドの方が多く、片言の英語ならメガネ販売の範囲で返せますが、それ以外の言語は難しいのが実情です。今はお客様の言葉の2割ほどの単語を拾って提案している状態なので、これがRay-Ban Metaで8割・9割になれば、本当のご要望をすくって販売できると期待しています」(宮田店長)

Ray-Ban Metaに興味はあるけれど、この通訳機能などの解禁待ちで、まだ買っていない層も一定数いる様子とのことなので、この通訳機能の解禁は、Ray-Ban Metaの日本での販売をさらに加速させる起爆剤になりそうです。

Meta AIは「育つ製品」——メガネ店も初体験

Ray-Ban Metaに搭載されているMeta AIは、ChatGPTやGeminiほど成熟しておらず、ときどき誤認識もあります。

それでもRay-Ban Metaが面白いのは、販売後にアップデートで進化していく前提の製品である点です。

「売ったあとも製品そのものが進化していく」のは、販売するメガネ店にとっても稀有な体験とのこと。

そしてRay-Ban Metaが面白いのは、「販売する側も買う側の用途が想像できない」というところです。

視覚障害のサポート、子育ての視点撮影、ライフログ、SNSへの投稿、音楽再生——それ以外にも様々な使い方があり、宮田店長も「売り場でお客様から問い合わせを受けて初めて『そんな使い方もあったのか』と気付かされることもありますし、お客様から教わることも多いです」と話します。

AIグラスはまだ用途の答えが固まりきっていない、典型的な新カテゴリー製品です。スマートウォッチが「これは何に使うんだ?」と言われていた10年前を思い出すような状況が、いまRay-Ban Metaの店頭で起きています。

「実際に何に使うのか」が見えはじめている今だからこそ、購入前に Ray-Ban Metaの実機レビュー記事(カメラ・音・Meta AI・通訳) や、メガネスーパー新宿中央東口店で取材した専門店での購入ガイド にも目を通しておくと、自分なりの使いどころが見えてくるはずです。

メガネスーパー新宿中央東口店
住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿3-27-5
電話:03-3355-0653
営業時間:月〜日 11:00〜20:00
店舗ページ:メガネスーパー新宿中央東口店
メガネスーパーのRay-Ban Meta特設ページ:RAY-BAN META(レイバンメタ)|メガネスーパー

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出典:メガネスーパー 新宿中央東口店 取材(2026年6月12日)

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