TD SYNNEXがAI/ARスマートグラス「INMO GO 3」の国内取り扱いを開始|98言語翻訳・約58g、法人向け流通で観光や接客の現場へ

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INMO GO3 を装着した女性が、フレームのテンプルに手を添えて視線を上げているキービジュアル

スマートグラスが「ガジェット好きが買うもの」から「仕事で使う道具」に変わるかどうかは、法人向けの流通に乗るかどうかで決まります。TD SYNNEX株式会社は2026年7月28日、INMO(イノモ)XRのAI/ARスマートグラス「INMO GO 3」を、7月30日より日本国内で販売開始すると発表しました。同社は世界100カ国・取引メーカー1,500社超のネットワークを持つ大手ITディストリビューターです。個人向けの発売と並行して、観光・接客・小売・製造・教育・医療といった現場への提案が始まることになります。

大手ITディストリビューターが扱う意味

TD SYNNEXは、単にメーカーの製品を右から左に流す卸ではなく、複数メーカーの製品やクラウドサービスを組み合わせて提案する「ソリューションアグリゲーター」を名乗っています。今回のINMO GO 3も、デバイス単体の販売にとどめず、スマートフォンやクラウドサービス、業務アプリケーションと組み合わせた活用提案を進めるとしています。

INMO GO3をビジネスシーンで装着し、視界上に情報を表示しながら打ち合わせをしているイメージ

TD SYNNEXコンシューマビジネス部門執行役員部門長の佐藤正隆氏は「スマートグラスは、スマートフォンやPCに続く新たなインターフェースとして、業務効率化だけでなく、コミュニケーションや顧客体験の在り方を変革する可能性を持つテクノロジーだと考えています」とコメントしています。

同社は2026年3月にもスマートグラスブランド「Even Realities」の取り扱いを開始しており、このカテゴリーへの本気度がうかがえます。個人が試しに買うフェーズから、企業がまとめて導入するフェーズへ。スマートグラスの立ち位置が動きつつあることを示す発表です。

約58gの本体にMicroLEDとカメラを載せる

INMO GO 3は、約58gという軽量ボディに両眼グリーンMicroLEDスクリーンと回折光導波路、カメラ、交換式バッテリーを搭載したAI/ARスマートグラスです。日常のメガネに近い感覚で装着しながら、レンズ上に情報を表示できます。

INMO GO3のレンズ越しに見えるAIテレプロンプターの文字表示

ディスプレイの解像度は640×480、視野角30度、最大輝度1,500nits(調整可能)。屋外でも視認できる明るさが確保されています。プロセッサはDual-core CPUでRTOSを採用、メモリとストレージは256MB+64GBという構成です。素材はアルミニウム合金とPA素材で、日本市場向けモデルはヒンジカラーにシルバーを採用しています。

オンライン98言語、オフラインでも9言語に対応

翻訳がこの製品の主役です。オンライン環境では98言語以上のリアルタイム翻訳に対応し、会話内容を翻訳してレンズ上に字幕として表示します。双方向の会話翻訳、写真翻訳、翻訳履歴の保存・共有にも対応しています。

機内でINMO GO3のオフライン翻訳を使っているイメージ

通信が不安定な場所ではオフライン翻訳が使えます。対応は英語、簡体字中国語、日本語、スペイン語、韓国語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、タイ語の9言語。機内や地下、電波の届きにくい観光地でも翻訳が止まらないのは、実用面で大きい部分です。

音声をリアルタイムでテキスト化する字幕表示にも対応しており、会議、講演、接客、移動中の会話などで聞き取りを支援します。

会議の録音・文字起こし・要約とテレプロンプター

業務用途で効いてきそうなのが記録系の機能です。会議や通話の録音、文字起こし、AIによる要約に対応し、要約内容のコピーや共有もできます。AIアシスタントはChatGPTとGeminiを活用し、質問への回答、画像認識、翻訳、メモ作成をサポートします。

INMO GO3を装着して多言語のミーティングに参加しているイメージ

テレプロンプター機能では、スピーチ原稿やプレゼン原稿をレンズ上に表示できます。音声追従による自動スクロール、手動ページ送り、アプリ連携に対応。手元の紙を見ずに話せるので、登壇や動画撮影の場面で使えそうです。

ナビゲーションはHERE Maps連携のARナビで、徒歩・自転車モードとターンバイターン案内に対応します。

操作はタッチ・ボタン・リング・アプリの4通り

本体のタッチ操作と物理ボタンに加え、専用の「INMO Ring」による操作、スマートフォンアプリからの操作に対応します。両手がふさがっている場面ではリング、細かい設定はアプリ、という使い分けができます。

INMO Ring 4でINMO GO3を操作しているイメージ

バッテリーは270mAhの交換式で、スタンバイ最大8時間以上、翻訳モード最大3時間、テレプロンプターモード最大3.3時間、音楽・通話は最大4.5時間の連続使用に対応します。マグネット式のスワップ充電に加え、1,000mAhのバッテリー充電ケースが付属し約3回分のフル充電が可能です。連続稼働時間そのものは長くありませんが、バッテリーを差し替えて使い続けられる設計になっています。

カメラは写真撮影と最大60秒の動画撮影に対応し、歪み補正とスマートフォンへの転送機能を備えます。プライバシーに配慮したカメラカバーが搭載され、同梱物にもカメラカバーが9枚含まれています。オーディオは4マイク・2スピーカー構成です。

想定される導入シーン

TD SYNNEXが挙げているのは、海外旅行や出張時のリアルタイム翻訳、ホテル・空港・観光・百貨店・飲食・小売でのインバウンド接客、会議や商談での翻訳と文字起こし、展示会やイベント運営での会場案内と記録、現場業務やフィールドワークでの両手を空けた記録、講演やプレゼンでのテレプロンプター活用などです。

どれも「スマートフォンを取り出す手間を省く」という一点でつながっています。接客中にスマホを見るわけにいかない、作業中に手を離せない。そういう場面でこそ、視界に情報が出る意味が生まれます。

INMO GO 3の主な仕様

製品名 INMO GO 3 AIスマートグラス Black Silver(モデル:IMG301)
ディスプレイ 両眼グリーンMicroLEDスクリーン+回折光導波路/640×480/視野角30度/最大輝度1,500nits(調整可能)
プロセッサ Dual-core CPU、RTOS
メモリ/ストレージ 256MB+64GB
素材・重量 アルミニウム合金、PA素材/約58g
バッテリー 交換式270mAh。スタンバイ8時間以上、翻訳3時間、テレプロンプター3.3時間、音楽・通話4.5時間
充電 マグネット式スワップ充電/充電ケース1,000mAh(約3回分)
カメラ 内蔵カメラ(写真・最大60秒動画、歪み補正、スマホ転送、カメラカバー搭載)
オーディオ 4マイク、2スピーカー
操作 タッチ、物理ボタン、INMO Ring、スマートフォンアプリ
AI機能 ChatGPT/Gemini活用のAIアシスタント、音声起動、画像認識、AIノート、会話履歴保存
翻訳 オンライン98言語以上/オフライン9言語/双方向会話翻訳、写真翻訳、リアルタイム字幕
ナビゲーション HERE Maps連携ARナビ(徒歩・自転車、ターンバイターン)
対応OS iOS/Android
同梱物 本体、バッテリー充電ケース、予備バッテリー、メガネクロス、取扱説明書、カメラカバー×9
販売開始 2026年7月30日

仕様は販売開始時点で変更となる場合があり、一部機能はアプリ・OS・通信環境・利用地域・設定により利用条件が異なるとされています。法人での導入相談はTD SYNNEXの問い合わせ窓口から受け付けています。

まとめ

今回の発表は新製品の登場そのものではなく、すでに発表済みのINMO GO 3が法人向けの流通ルートに乗るという話です。地味に見えますが、スマートグラスにとってはむしろ重要な段階だと言えます。個人がガジェットとして買う数には限りがありますが、ホテルや空港が業務用に導入すれば台数はまとめて動きます。使われる場所が増えれば、翻訳精度も表示の作り込みも磨かれていきます。

スマートウォッチも同じ道をたどりました。趣味の道具から始まり、健康管理という実用に接続され、法人の福利厚生や現場管理で使われるようになって一気に広がっています。スマートグラスがいまどのあたりにいるのかを測るうえで、大手ディストリビューターが手を挙げたという事実は分かりやすい目印になります。

Source: TD SYNNEX株式会社 プレスリリース(画像:イノモ日本株式会社)

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