睡眠デバイスを選ぶ「物差し」はできるのか|韓国LEESOLの「Sleepisol+」が米NSFのSleepMarkを日本初取得、ただし効果の保証ではない

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韓国LEESOLのスリープケアデバイス「Sleepisol+」が米国NSFのSleepMark認証を取得したことを伝えるビジュアル

睡眠にまつわる製品は、ここ数年で一気に増えました。寝具、サプリメント、リカバリーウェア、睡眠アプリ、スマートリング。選択肢が広がったのはいいことですが、そのぶん何を基準に選べばいいのか分かりにくくなったのも事実です。

韓国発のスリープテック企業LEESOLが、その「選ぶ基準」にまつわる認証を取得したと発表しました。米国National Sleep Foundation(NSF)による「SleepMark」で、同社によれば日本国内で販売される睡眠関連デバイスとしては初めての取得になります。

SleepMarkとは、NSFがつくった「基準に合っているか」の認証

SleepMark認証を運営する米国の非営利団体National Sleep Foundationの公式サイト画面

National Sleep Foundation(NSF)は、35年以上にわたり米国で睡眠健康の調査・研究・啓発を行ってきた非営利団体です。査読を経たガイドラインの発行、消費者向け睡眠関連製品の業界基準の策定、大規模な睡眠実態調査などを手がけてきました。

SleepMarkは、そのNSFが運営する認証プログラムです。企業側がNSFに申請し、査読済みのガイドラインや専門家が定めた客観的基準に基づく審査を受け、適合すると判断された製品だけがマークの使用を認められます。

睡眠関連の製品が増え続けるなか、独立した第三者機関の評価を選択の目安にするという動きが世界では始まっています。SleepMarkはその代表例のひとつという位置づけです。睡眠に働きかける製品がどれだけ増えているかは、注目のスリープテック7選をまとめた記事を見ると分かります。

ただし「効果を保証するもの」ではない

ここは誤解しやすいところなので、先に書いておきます。

LEESOL自身がリリースのなかで、「SleepMarkは、製品の健康効果や他製品に対する優位性を保証するものではありません」と明記しています。

つまりこの認証は「よく効く製品のお墨付き」ではありません。科学的根拠に基づく睡眠コンディショニングをサポートする製品として、NSFの定める基準に沿っているかを確認したもの、と読むのが正確です。効果があると証明されたわけでも、他社製品より優れていると認められたわけでもありません。

選ぶときの手がかりが1つ増えた、という受け止め方が実態に近いと思います。

Sleepisol+は何をするデバイスなのか

頭部に装着して微弱な電流を流すスリープケアデバイス「Sleepisol+」の製品画像。重さ約30g

スマートウォッチやスマートリングが睡眠を「測る」デバイスなのに対し、Sleepisol+は「働きかける」側の製品です。ここが大きく違います。

搭載されているのは、LEESOLの独自特許技術「CS-tACS(Cranial Stimulation-transcranial Alternating Current Stimulation)」。頭部の表面へ微弱な電流を流すことで、脳の周辺環境にアプローチする技術とされています。米国食品医薬品局(FDA)が承認したCES技術(頭蓋電気刺激療法)から発展したものだ、と同社は説明しています。

主力製品Sleepisol+の睡眠モードは、深い睡眠時に現れるデルタ波(4Hz以下)の発現を促すよう設計されているとのことです。同社の製品ラインアップは、2026年6月の健康経営EXPO出展を伝えた記事でも紹介しています。

なお、CES技術そのものがFDAに承認されているという説明であって、Sleepisol+という製品がFDAの承認を受けたという話ではありません。ここも読み分けが必要なところです。

韓国での臨床試験では不眠重症度指数が改善

LEESOLは韓国で、複数世代にわたる製品改良と臨床研究を重ねてきたとしています。

ソウル大学校盆唐病院などで実施した臨床試験では、6週間の継続使用によって不眠重症度指数(ISI)の有意な改善と、入眠時間の短縮が確認されたと発表されています。ISIは不眠の程度を測る際に広く使われている評価尺度です。

ただし、リリースには被験者の人数や試験デザインの詳細までは書かれていません。数字を読むときは、そのあたりが公開されていない点も踏まえておきたいところです。

「不眠に悩む妻のために」から始まった製品

不眠に悩む妻を支えたいという想いからSleepisolの開発を始めたLEESOL共同代表イ・スンウ氏と妻

LEESOLの成り立ちは、共同代表のイ・スンウ氏が海外出張による時差ぼけと不眠に悩む妻を支えたいと考え、睡眠技術の研究を始めたことがきっかけだったと説明されています。

同社はいま年間売上約10億円規模まで成長し、韓国政府から「2025年ベビーユニコーン企業」に選定されたほか、「CES 2025 Innovation Award」のBeauty & Personal Care部門を受賞しています。日本市場への本格展開は2026年6月に始まったばかりです。

ちなみに初代のSleepisolは2022年に日本でも販売が始まっており、SWLでも当時取り上げています。4年をかけて、認証を伴う製品へと形を変えてきたことになります。

製品概要

製品名 Sleepisol+(スリーピーソルプラス)
販売価格 29,700円(税込)
独自技術 CS-tACS(独自脳波同調技術)
操作 専用アプリ連携に対応
重さ 約30g
充電 USB Type-C
メーカー 株式会社LEESOL(韓国・釜山広域市、2017年10月設立)
認証 米国NSFによるSleepMark(2026年8月取得)

「日本初」という表現については、2026年8月時点でNSFの認証製品リストに基づく同社調べという但し書きが付いています。第三者が網羅的に確認した結果ではない点は、頭に入れておいてください。

「測る」から「整える」へ、という流れの中で

スマートウォッチやスマートリングで睡眠を測る習慣は、この数年でかなり広がりました。ただ、測ったあとにどうするかとなると、まだ答えが揃っていません。数字を見て「よく眠れていないな」と分かっても、そこから先の打ち手が見つからない、というのはよくある話です。寝室の環境から整えるなら、就寝90分前から音と光が変わるバルミューダ「The Clock」のナイトルーティンのような製品もあります。

睡眠に直接働きかけるデバイスは、その空白を埋めようとする製品群です。今回のSleepMark取得は、この領域で「何をもって良し悪しを判断するか」という物差しが整い始めたことの表れとも言えます。

とはいえ、認証は効果の保証ではありません。物差しができたことと、その製品が自分に合うかどうかは別の話です。

まとめ

LEESOLは今回の取得を「日本における事業のゴールではなく新たな出発点」と位置づけ、今後は個人向けにとどまらず、健康経営を進める企業への法人導入や、睡眠データを活用したアプリでのサポート体制構築へ広げていく方針を示しています。

頭に微弱な電流を流すという仕組みは、睡眠計測に慣れた人にとっても踏み込んだ選択に映るはずです。持病がある方や不安のある方は、導入前に医師へ相談することをおすすめします。不眠が続いている場合、その原因が別のところにある可能性もあります。

そのうえで、第三者機関の基準に照らした評価が示されたことは、選ぶ側にとって判断材料が増えたという意味を持ちます。今後この種の認証が広がるのかどうかも含めて、見ておきたい動きです。

Source: 株式会社LEESOL プレスリリース(PR TIMES)Sleepisol 公式サイトNational Sleep Foundation

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