スマートウォッチは半年で価値の何%を失うのか|eBay 6,372件の分析でGarminが69%、Galaxy Watchは42%【海外調査】

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右肩下がりの赤い棒グラフと下向きの矢印。スマートウォッチの中古価格が半年で大きく下がることを示すイメージ画像

スマートウォッチを買うとき、「これ、いくらで売れるんだろう」と考えたことはありますか。

英メディアのWareableが、米eBayでの中古スマートウォッチ6,372件の販売データを分析し、ブランドやモデルによって半年後にどれだけ価値が残るかを調べた結果を公開しました。数字は「6か月で24〜60%を失う」という、なかなか厳しいものです。

ただ、この調査の面白いところは「全部下がる」で終わっていない点にあります。ブランドによって残る額がはっきり違い、しかもその差に理由がある。順に見ていきます。

半年で24〜60%。安いモデルほど「率」では大きく落ちる

まず全体像です。調査対象の中古スマートウォッチは、機種によって購入から6か月で元値の24%から60%を失っていました

傾向としては、廉価モデルのほうが率では大きく落ちます。廉価帯は半年で平均およそ50%を失うのに対し、プレミアム帯は約37%にとどまりました。

ところが、金額で見ると逆転します。この調査のプレミアム機は平均発売価格が960ドルと高く、率では損が小さくても、失う金額は平均307ドル。廉価機の平均133ドルより大きくなります。「率で得しても、財布から消える額は高いほうが大きい」という、当たり前ですが忘れやすい話です。

この視点は、Apple Watchを定期的に買い替えると高級時計より割高になるのか、という以前の検証とも重なります。

ブランド別の残価率|Garminが69%でトップ、Samsungは42%

ブランドごとの平均残価率(購入から6か月後に元値の何%で売れたか)は次のとおりです。

ブランド 6か月後の残価率
Garmin 約69%
Apple 約58%
Google 約56%
Samsung 約42%

Garminが頭ひとつ抜けています。調査対象の中でGarminは最も高価な部類の時計を含んでいるにもかかわらず、一貫して元値の60%超をキープしていました。

モデル単位で強かったのは、Forerunner 970が74%、Venu 4とFenix 8がそろって72%。ランナーや登山者に長く使われる機種が上位に並んでいます。Garminを10年以上使い続けているユーザーの話を読むと、この数字の背景が少し分かる気がします。

個別モデルの最強はCOROS PACE 4の76%。ただしサンプルは18件

単体で最も価値を保っていたのは、意外にも廉価帯のCOROS PACE 4でした。

発売価格249ドルに対し、6か月後の平均落札価格は190ドル。残価率76%です。廉価モデルは半年で半分になるという全体傾向を考えると、かなり異例の結果になります。

ただし、Wareable自身がはっきり但し書きを付けています。この数字は18件の取引にもとづくもので、確定的な結論というより「値持ちが良さそうだという初期のサイン」として読むべきだ、と。数字だけ切り取って広まりやすいところなので、ここは一緒に覚えておきたい部分です。

Apple Watchは中古市場の主役|Ultra 2は69%、SE 3は半分

右肩下がりの赤い棒グラフと下向きの矢印。スマートウォッチの中古価格が半年で大きく下がることを示すイメージ画像

取引件数で見ると、中古市場の主役はやはりAppleでした。6,372件のうち4,809件がApple Watchで、圧倒的なシェアです。

Apple全体の平均残価率は58%。その中で最も強かったのがApple Watch Ultra 2で69%、799ドルの発売価格に対して550ドル前後で取引されていました。

逆に弱かったのがApple Watch SE 3で、半年後に残っていたのは元値のちょうど半分ほど。ここでも「高いモデルのほうが率としては値持ちする」という、ほぼ全ブランドに共通する傾向が出ています。

いちばん値落ちが大きいのはGalaxy Watch Ultra

厳しい結果だったのはSamsungです。平均残価率は42%で、残価率ワースト5がすべてGalaxy Watchという並びになりました。

中でもGalaxy Watch Ultraが目を引きます。プレミアム機でありながら残価率は44%。650ドルの購入価格に対して、半年で約362ドルが消えた計算です。他のプレミアム機が値持ちする傾向から外れています。

もっとも、これは売る側から見た話です。Wareableは買う側から見れば機会になるとも書いています。同じ傾向がGalaxy Watch Ultra 2でも続くなら、2027年初頭には中古相場が発売価格の半分を切る、という見立てです。プレミアム機を安く手に入れたい人にとっては、むしろ狙い目ということになります。

なぜ差がつくのか|「毎年更新される時計」と「道具として使われる時計」

Wareableの編集長Conor Allison氏は、この差をスポーツウォッチと汎用スマートウォッチの性格の違いで説明しています。

Garminのような専用機が評価されるのは、計測精度・バッテリー持ち・地図表示といった中核機能です。そしてこれらは、後継機が出た瞬間に価値を失う種類の機能ではありません。去年のForerunnerでも、GPSの精度と電池もちは去年のままそこにある、というわけです。

一方の汎用スマートウォッチは、スマートフォンに隣接した世界で動いています。毎年の更新サイクルがあり、新型には積極的な値引きがかかる。そして更新の中身が小幅なとき、ユーザーは「去年のモデルと本質的に変わらない」ことに気づいてしまう。これがSamsungだけでなく、Appleの中位モデルやPixel Watchにも共通して効いている、という指摘です。

これは「一生もの」として機械式時計とスマートウォッチのどちらが選ばれるかという調査とも通じる話で、道具として長く使われるかどうかが、そのまま値持ちに出ていることになります。

Allison氏は今後の注目としてCOROSを挙げています。2018年に参入した新興ブランドながら、電池もちと価格でランナーの支持を集めてきた。PACE 4の76%は、軽くて性能に振ったウェアラブルが長期的な価値保持で有利だという早期の兆候だとしています。

この数字を日本にそのまま当てはめられない理由

ここまで見てきた数字は、あくまで米国eBayでの取引にもとづくものです。日本で読むときは、いくつか差し引いて考える必要があります。

まず売り先が違います。日本の中古はフリマアプリや買取店、メーカーの下取りが中心で、Appleの下取りプログラムのように、そもそもオークション相場とは別の値付けがされる窓口もあります。手数料の構造もeBayとは違います。

次に、ブランドごとの人気度が国によって違います。同じGarminでも、日本でどれだけの需要があるかは米国の数字とは別の話です。加えてドル建てのため、為替の動きもそのまま乗ってきます。

それでも、「専用機は値持ちし、毎年更新される汎用機は落ちる」という仕組みの部分は、市場が変わっても効くはずです。パーセンテージを覚えるより、こちらを持ち帰るほうが役に立ちます。

まとめ|「売るとき」まで含めて考えると、選び方が少し変わる

調査から読み取れることを整理します。

半年で失うのは24〜60%。率では廉価機のほうが大きく落ちるが、金額では高い機種のほうが多く消える。ブランド別ではGarminが69%で最も強く、Samsungが42%で最も弱い。そして値持ちの差は、「後継機が出ても価値が減らない機能を持っているか」で説明できる

もちろん、スマートウォッチは値上がりを狙って買うものではありません。ただ、中古で安く手に入れる方法を考えるときや、数年おきに買い替える前提で予算を組むときには、この差が効いてきます。

そして買う側から見れば、値落ちが大きいブランドほど中古では狙いやすい、という裏返しの話でもあります。売るときのことを考えるか、買うときのことを考えるかで、同じ数字の読み方が変わってくるのが面白いところです。

Source: Wareable/画像出典: Unsplash

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