Anker PowerCore 10000のリコール対象品で火災|回収率は39.6%、41万台のうち24万台以上が未回収【消費者庁公表】

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消費者庁が公表したリコールを示すアイキャッチ。警告マークとモバイルバッテリー、回収・交換を表す循環矢印、Anker PowerCore 10000の文字

消費者庁が2026年9月4日、消費生活用製品安全法にもとづく重大製品事故の公表を行いました。そのなかで特記事項として挙げられたのが、アンカー・ジャパンが輸入したリチウム電池内蔵充電器「Anker PowerCore 10000」です。すでにリコール(回収・交換)が行われている製品で、宿泊施設での火災が報告されました。なお、この事故の原因は調査中で、リコールの対象となった事象によるものかどうかは現時点では分かっていません。

この製品のリコールは2025年10月に始まっています。それから約1年が経ちましたが、回収率は39.6%。対象は41万台を超えるので、単純に計算すると24万台以上が回収されていないことになります。

手持ちのモバイルバッテリーが対象かどうか、この機会に確かめておきたい内容です。

今回の事故:宿泊施設で充電中に火災

公表された内容によると、事故が起きたのは2026年6月11日、長野県。宿泊施設で当該製品を充電中、異音がしたため確認すると、製品と周辺を焼損する火災が発生していました。消費者庁への報告受理は2026年9月2日です。

ただし、ここは正確に書いておきます。事故の原因は現在調査中で、消費者庁の資料にも「今般報告のあった当該事故が上記のリコール事象によるものかどうかは現時点では不明です」と明記されています。この記事も、製品に原因があったと決めつけるものではありません。

公表資料そのものにも留意事項があり、報告内容の概要であって事実関係が確認されたものではないこと、消費者庁として事故原因の評価を行ったものではないこと、速報段階であり今後変更や削除の可能性があることが書かれています。

リコール対象は「Anker PowerCore 10000」41万台

リコールが始まったのは2025年10月21日。理由は、セル製造を委託しているサプライヤーの製造工程において、特定時期に異物が混入している可能性がある製品が国内で出荷され、使用にともなって電池セルの内部短絡が起き、火災に至る可能性が判明したためとされています。

対象は次のとおりです。

色 JAN(EAN)コード 型番
ブラック 4571411204692 A1263N12
ブラック 4571411205163 A1263016
ホワイト 4571411204708 A1263N22
ホワイト 4571411205170 A1263026
ブルー 4571411205187 A1263036
レッド 4571411205194 A1263096

製品名はいずれもAnker PowerCore 10000。ほかのブランドを含めたリコール対象はモバイルバッテリーのリコール対象製品まとめで一覧にしています。対象になる販売期間は2022年12月25日から2025年10月21日までで、対象台数は410,124台です。この期間の外で売られた同じ型番の製品は、今回の対象には含まれません。

回収の対象はモバイルバッテリーだけではない|Ankerが公表した4製品

今回の火災はモバイルバッテリーで起きましたが、2025年10月21日に始まったこのリコールの対象は4製品です。原因はいずれも先ほどと同じ、電池セルに異物が混入した可能性があるというものです。

製品名 品番 対象販売期間
Anker PowerCore 10000(モバイルバッテリー) A1263 2022年12月25日〜2025年10月21日
Soundcore 3(Bluetoothスピーカー) A3117 2022年12月16日〜2025年10月21日
Soundcore Motion X600(Bluetoothスピーカー) A3130 2023年4月24日〜2025年10月21日
Anker PowerConf S500(会議用スピーカー) A3305 2022年12月29日〜2025年10月21日

注目してほしいのは、製品ごとに対象販売期間が違うことです。さらにSoundcore Motion X600は、スペースグレー・ブルー・グリーンが対象で、ホワイトは対象外とされています。同じ品番でも色によって扱いが変わるということです。スピーカー側で報告された事故は別の記事にまとめています。

回収率は39.6%。24万台以上が未回収

この記事でいちばんお伝えしたいのがこの数字です。回収率は39.6%(2026年9月3日時点)。リコール開始から1年近く経っても、4割に届いていません。

41万台のうち約4割が戻ったということは、残りの24万台以上が回収されていないということになります。すでに廃棄されたものも含まれるはずですが、まだ使われていたり、引き出しにしまわれたままだったりする分もあると考えられます。モバイルバッテリーは壊れるまで使い続けるものでもなく、買ったことすら忘れているケースも珍しくありません。

ちなみに同じ日に公表されたもう1件の特記事項、サイン・ハウスの高圧洗浄機は回収率70.5%(2026年7月31日時点)でした。40%を切る数字が、どのくらいの水準なのかの参考になります。

リコール対象の内容による事故は、この2年で10件

消費者庁の資料には、リコール対象の内容による事故の件数も年度ごとに載っています。原因調査中のものを含む件数です。

年度 事故件数 被害状況
2026年度 5件 火災
2025年度 5件 火災
2024年度 0件 -
2023年度 0件 -
2022年度 0件 -

件数が計上されている2025年度と2026年度は、いずれも被害状況が火災です。なお、この件数に今回報告された事故は含まれていません。2024年度までゼロだったものが、2025年度から続けて発生している形です。リチウムイオン電池の事故は夏に増える傾向があり、NITEも「3つのC」で注意を呼びかけています。

品番が同じでも対象とは限らない|確認は3段階

リコールと聞くと、まず品番を見ます。ただ、品番が「A1263」だから対象、というわけではありません。アンカー・ジャパンの案内では、品番・販売時期・シリアルナンバーの3つがそろってはじめて対象と判別される仕組みになっています。

手順 見るところ 対象になる条件
1 本体の印字にある品番 「A1263」から始まっている
2 買った(売られた)時期 2022年12月25日から2025年10月21日までの間
3 シリアルナンバー 「SN:」に続くAから始まる16桁を、オンライン受付フォームに入力して対象と判別されること

決め手になるのは3番目です。1と2だけでは「対象かもしれない」までしか分かりません。最終的に対象かどうかを決めるのは、シリアルナンバーをフォームに入力した結果です。

Anker PowerCore 10000(A1263)は長く売られてきたモデルなので、同じ品番でも対象期間より前に買ったものは含まれません。編集部にも2017年5月に買った1台があります。この個体で確かめたことを書いておきます。

まず、手元の個体で本体に印字されていたのは「Model: A1263」までで、枝番は刻まれていませんでした。先に挙げた対象6型番は「A1263N12」「A1263016」のように枝番まで含んだ表記です。少なくともこの個体については、本体の印字だけでは6つのどれに当たるのか、どれにも当たらないのかまでは判断できませんでした。

購入時の商品名に付いていた型番は「A1263011」でした。これは対象6型番のリストにありません。買ったのも2017年5月で、対象期間の始まりである2022年12月25日より5年以上前です。この2点からは対象外と考えられます。ただし確実なのは、シリアルナンバーをオンライン受付フォームに入力して判別してもらうことです。

本体の印字はどこを見るか

Anker PowerCore 10000の側面に印字された製品名・品番A1263・シリアルナンバーの位置を示した図

いま挙げた3段階のうち、1の品番と3のシリアルナンバーは本体の印字で確認します。印字は本体の側面、細長い面のところにあります。見るのは3か所です。

・1行目の製品名が「PowerCore 10000」になっている
・2行目の品番が「A1263」から始まっている
・その下の「SN:」に続く、Aから始まる16桁がシリアルナンバー

10,000mAhクラスのAnker製モバイルバッテリーは種類が多いので、容量だけで判断せず品番まで確かめるのが確実です。ただし、ここまでで分かるのは「対象かもしれない」までです。パッケージを捨てていてもシリアルナンバーは本体に印字されているので、その16桁をオンライン受付フォームに入力すれば結論が出ます。

印字が読めないときは、斜めに傾けて光を当てる

ここで一つ、実際に手持ちの1台で確かめて分かったことがあります。使い込んだ個体ほど、この印字は読みにくくなります。つや消しの黒い樹脂に同系色で印刷されているうえ、手の脂や擦れで文字がかすれていくためです。正面から見ると、何も書かれていないように見えることさえあります。

使い込んだAnker PowerCore 10000を手に持ち、斜めに傾けて側面の印字に光を当てたところ。PowerCore 10000、Model A1263、容量、SNの各行が浮かび上がって読める

そんなときは、本体を斜めに傾けて、光の当たる角度を変えながら見てください。印字のわずかな凹凸や光沢の差に光が反射して、正面からでは見えなかった文字が浮かび上がります。上の写真も、そうやって角度を探しながら撮ったものです。「PowerCore 10000」「Model: A1263」から、いちばん下の「SN:」に続く16桁まで読み取れます。

スマートフォンのライトを斜めから当てると、さらに見つけやすくなります。真上から当てると反射で白く飛んでしまうので、浅い角度で当てるのがコツです。印字が完全に消えてしまっている場合は、購入履歴やパッケージからシリアルナンバーをたどるか、窓口に相談してください。

消費者庁は「直ちに使用を中止」と呼びかけ

消費者庁は、対象製品を持っていてまだ回収・交換を受けていない場合は、直ちに使用を中止し、速やかに問合せ先へ連絡するよう呼びかけています。

アンカー・ジャパンの受付窓口は次のとおりです。

電話:0120-775-171
受付時間:9時〜17時(土・日・祝日を含む)
案内ページ:アンカー・ジャパン公式のお知らせ
オンライン受付フォーム(24時間):受付フォームのページ

土日祝も電話がつながり、フォームは24時間受け付けています。「たぶん違うと思うけれど」という段階でも、品番とシリアルナンバーを控えて問い合わせてしまうのが早いと思います。

同じ日の公表では、ほかにも充電器の火災が6件

もう少し引いて見ると、今回の公表全体の構成も気になります。

この日に公表された「製品起因が疑われる事故」7件のうち、リチウム電池内蔵充電器は1件で、これが今回のAnker製品の事故にあたります。これとは別に、「製品起因か否かが特定できていない事故」17件のうち6件が「リチウム電池内蔵充電器」でした。今回の1件を除いても、1回の公表で充電器の火災が6件並んでいることになります。発生地は大阪府、広島県、埼玉県、滋賀県、東京都、千葉県と各地に散っています。

この6件はメーカー名が公表されておらず、原因もいずれも調査中です。消費者庁は身近な充電式グッズについても確認ポイントを挙げています。ただ、充電器やモバイルバッテリーの火災が特定のブランドだけの話ではないことは、この並びからも読み取れます。

まとめ

今回のポイントを整理します。消費者庁が2026年9月4日に公表した重大製品事故のなかで、リコール中のAnker PowerCore 10000を充電中に起きた火災が特記事項として挙げられました。事故は2026年6月11日に長野県の宿泊施設で発生し、原因は調査中です。リコールの対象となった事象によるものかどうかも、現時点では分かっていません。

リコールは2025年10月21日から続いていますが、回収率は39.6%。対象410,124台に対して、24万台以上がまだ回収されていません。リコール対象の内容による事故は2025年度に5件、2026年度に5件と続いています(いずれも原因調査中のものを含む件数)。

確認は3段階です。本体の印字がA1263から始まっているか、買った時期が2022年12月25日から2025年10月21日の間か、そしてシリアルナンバーをオンライン受付フォームに入力して対象と判別されるか。品番が合っていても、対象期間より前に買ったものは含まれません。迷ったらフォームに入れてしまうのがいちばん早い方法です。対象と判別されたら、充電をやめて窓口に連絡してください。

Source: 消費者庁「消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について」(2026年9月4日)/アンカー・ジャパン(製品画像・確認方法図は消費者庁公表資料より、印字の実機写真は編集部撮影)

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