watchOS 27が配信開始、Series 10でも新機能の大半が使える|無料で来るものと、71,800円払わないと使えないもの

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Appleロゴの店舗のイメージ画像。Apple Watchは写っていない。

手元のApple Watchが、今日から新しくなります。

Appleが現地時間9月14日、watchOS 27の配信を開始しました。日本時間では9月15日です。対応するのはApple Watch Series 9以降、Apple Watch SE 3、Apple Watch Ultra 2以降。2024年発売のSeries 10も対象で、無料で更新できます。

同じ日に、Apple Watch Series 12の予約も進んでいます。発売は9月18日(金)、価格は71,800円(税込)から。ここで多くの人が迷います。OSを更新すれば済むのか、それとも買い替えが要るのか。

結論から書くと、watchOS 27で来る機能はかなり多く、Series 10のままでも大半は使えます。ただし日本では、注意すべき点が2つあります。順に見ていきます。

Series 10にも無料で来るもの

Appleが公開したリリースノートから、Series 10でも使えるようになるものを整理しました。

機能 内容
Siri AI 会話が続けられる新しいSiri。専用のSiriアプリで過去のやり取りを見返せる
Siriモジュラー文字盤 スマートスタックの最上段ウィジェットを映す長方形コンプリケーション
片手のタップ 人差し指と親指を1回合わせると、スマートスタックのウィジェットを選べる
スマートスタックの提案 駐車位置、親しい人の誕生日、交通系ICの残高変化、騒音通知の後のノイズアプリなど
Workout Buddy iPhoneが近くになくても、Wi-Fiかモバイル通信があれば動く
Call Context 通話中に、確認コードや予約番号をアプリから先回りして出す
周期記録 40歳以上に、閉経周辺期をうかがわせる周期の変化を通知
ダイナミックなアプリグリッド よく使うアプリと最近使ったアプリが前に出る
「探す」の統合 人・デバイス・持ち物が1つのアプリに。地図中心の画面へ
Shazamのオフライン対応 圏外でも曲を識別し、通信が戻ってから結果を返す
ワークアウトの精度 トレッドミルでの距離計算が、歩き始め・走り始めの1歩目から正確に
バッテリー延長の通知 ジェスチャーなど一部機能を切る提案を先回りで出す
Liquid Glassの調整 屈折が均一になり、コントラストが上がって読みやすく

見てのとおり、今年の新機能の大半はソフトウェア側です。Series 10を使っていて、通知とワークアウトとアプリが中心の使い方なら、これで足ります。

なお「トランシーバー」アプリは廃止されました。増えるものだけでなく、なくなるものもあります。リリースノートの全項目はこちらで整理しています

ただしSiri AIは、日本語では10月から

ここが1つめの注意点です。

watchOS 27の目玉であるSiri AIは、配信初日から誰でも使えるわけではありません。条件が3つあります。

まず言語。開始時点では英語で、日本語への対応は10月の予定です。デバイスの言語を英語に設定していないと、当面は試せません。フランス語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語も同じく10月です。

次にiPhone。Apple Watch側のSiri AIは、ペアリングしているiPhoneがApple Intelligenceに対応している必要があります。対象はiPhone 15 Proシリーズ、iPhone Air、そしてiPhone 16・17・18の全モデル。iPhone 14以前やiPhone 15の無印を使っている場合、Apple Watchを更新してもSiri AIは動きません

そして使用回数。サーバー側のモデルを使う一部の機能には1日あたりの上限があり、その上限を超える分は将来有料で提供される予定だとAppleが明記しています

Siri AIはベータ版としての提供です。watchOS 27に更新した瞬間に新しいSiriが日本語で使える、という状態ではないことは押さえておきたいところです。

71,800円払わないと使えないもの

一方で、OSを更新しても降りてこない機能があります。新しいセンサーとチップに載っているものです。

機能 Series 10 Series 12
心拍の測定間隔 Appleは非公表 一日中、5秒ごと
心拍変動(HRV) Appleは非公表 5分ごと
準備度(0〜10) 非対応 対応
日中のバイタル表示 非対応 対応
オーディオインテリジェンス 非対応 対応(サウンド認識は2026年後半)
ケース素材 アルミニウム、チタニウム 左記+セラミック
前面ガラス(アルミ) Ion-X Ceramic Shield 2

このうち注目されているのが準備度です。睡眠・トレーニングの負荷・バイタルから、その日どれだけ動けるかを0〜10で示すもので、スコアの中身と、信じすぎてはいけない理由はこちらにまとめています

AppleはこれらをSeries 12とUltra 4の欄にだけ記載しており、旧モデルに降りてくるかどうかは何も言っていません。現時点ではハードウェアの機能だと考えるのが妥当です。

「バッテリーが6時間増える」の中身

ここからが、海外の記事を読むときに引っかかりやすい部分です。

ワークアウト中のApple Watch。watchOS 27ではWorkout BuddyがiPhoneなしでも動くようになった

Workout BuddyはiPhoneが近くになくても動くようになりました(画像:Unsplash)

Series 10は通常使用で最大18時間、Series 12は最大24時間。差は6時間です。買い替えの理由として挙げられることが多い数字ですが、この6時間はSeries 12で増えたものではありません

項目 Series 10 Series 11 Series 12
通常使用 最大18時間 最大24時間 最大24時間
低電力モード 最大36時間 最大38時間 最大38時間
15分の充電で 最大8時間 最大8時間 最大12時間

並べると分かります。駆動時間が18時間から24時間へ伸びたのはSeries 11のときで、Series 12は据え置きです。Series 12で実際に伸びたのは充電の速さのほうで、15分の充電で使える時間が8時間から12時間へ、50%増えています。5分の充電で最大10時間の睡眠記録ができるのも新しい部分です。

つまりSeries 10から乗り換えるなら6時間の差は本物ですが、それは2世代ぶんをまとめて受け取っているということです。Series 11からSeries 12への変化はこちらで詳しく見ています。なお最大輝度2,000ニト、50m防水とIP6X、ストレージ64GBは3世代とも変わりません。

米国は据え置き。日本は12,000円上がっている

2つめの注意点であり、日本の読者にとってはこちらのほうが重いかもしれません。

米国では、Series 10もSeries 12も399ドルからです。2世代を経て価格が動いていないので、現地では「同じ値段で中身が良くなった」という話になります。

日本は違います。

モデル 日本の価格(税込) 米国
Series 10
(2024年9月発売)
59,800円から 399ドルから
Series 12
(2026年9月18日発売)
71,800円から 399ドルから
+12,000円(約20%) 変わらず

いずれもアルミニウムケース・42mm・GPSモデルの価格です。日本では2年で12,000円、率にして約20%上がっています

この差は為替だけの話ではありません。Appleは2026年7月18日に日本限定で価格を改定しており、その時点でSeries 11が64,800円から71,800円へ、SE 3も37,800円から41,800円へ上がっていました。Series 12の71,800円は、その改定後の水準をそのまま引き継いだ数字です。

海外メディアが「価格は据え置き」と書いているのを読んで、日本でも同じだと思って店頭に行くと、想定と1万円以上ずれます。

結局、更新すべきか買い替えるべきか

整理すると、判断の分かれ目ははっきりしています。

watchOS 27の更新だけで足りる人。通知、ワークアウト、アプリ、文字盤が使い方の中心なら、今日の更新でほぼ全部が手に入ります。71,800円を出す理由は薄いです。日本語のSiri AIを待つ人にとっては、10月まではSeries 12を買っても条件は変わりません。

買い替える価値がある人。準備度を使いたい、心拍を5秒ごとに取りたい、日中のバイタルを見たい。この3つはソフトウェアでは降りてきません。加えて睡眠記録を毎晩取るなら、15分で12時間ぶん入る充電の速さがあると、日中に充電を挟みやすくなります。

そして忘れたくないのが、Series 10はまだ現役だということです。watchOS 27で旧モデルにも来る機能と、新モデル限定の機能の線引きを知ったうえで、急がない判断をしても不利益はありません。

まとめ

watchOS 27は日本時間9月15日に配信が始まりました。Apple Watch Series 9以降、SE 3、Ultra 2以降が対象で、2024年のSeries 10も無料で更新できます。

Siri AI、片手のタップ、スマートスタックの新しい提案、iPhoneなしで動くWorkout Buddy、統合された「探す」、オフラインのShazam。今年の新機能の大半はSeries 10でも使えます。ただしSiri AIは英語が先で、日本語は10月。しかもApple Intelligenceに対応したiPhoneが必要です。

Series 12でなければ使えないのは、5秒ごとの心拍、5分ごとのHRV、準備度、日中のバイタル、オーディオインテリジェンス。バッテリーの6時間差はSeries 11で生まれたもので、Series 12で伸びたのは充電の速さのほうでした。

そして価格。米国は399ドルのままですが、日本は59,800円から71,800円へ、2年で12,000円上がっています。海外記事の「据え置き」をそのまま受け取らないことが、日本で買うときの前提になります。

Source: The Mac ObserverMacRumorsAppleInsider/Series 12の仕様と日本の価格はApple「Apple Watch Series 12 の仕様」より/画像:Unsplash

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