ナイキ初の“神経科学シューズ”「Nike Mind」とは?片足22ノードで「今」への集中を促す一足を解説

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ナイキ初の神経科学ベースのフットウェア「Nike Mind」のヘッドラインビジュアル。フォームノードが並ぶ赤いソール

「良い選手」は日々のトレーニングと自制心でつくられます。しかし、そこから一歩抜け出して「一流」になるには、もうひとつ見落とされがちな力が必要だと言われます。プレッシャーのかかる場面で平常心を保ち、集中を切らさない「心の強さ」です。ナイキはこの見えにくい領域に、意外な角度から答えを出しました。答えは「シューズ」です。

2025年10月に発表され、2026年1月にnike.comと一部販売店で発売された「Nike Mind(ナイキ マインド)」は、ナイキ初の神経科学(ニューロサイエンス)をベースにしたフットウェアです。試合前後のアスリートのマインドセットを安定させることを目的にデザインされた、これまでにないコンセプトの一足です。この記事では、Nike Mindがそもそもどんなシューズなのか、その仕組みと2つのモデル、価格までをやさしく整理して解説します。

「Nike Mind」とは?ナイキ初の“神経科学×フットウェア”

Nike Mind 002スニーカー(グレー)とNike Mind 001ミュール(レッド)を並べた製品ビジュアル

Nike Mindは、足裏の感覚に働きかけることで足・身体・心を目覚めさせる、まったく新しいフットウェアのコンセプトです。ラインナップは、着脱が簡単なミュール「Mind 001」と、しっかり足を支えるスニーカー「Mind 002」の2種類。どちらも足裏を刺激することで脳の活動が活性化する可能性がある、という研究結果をもとに設計されています。

これは、スマートウォッチのように身体データを“測る”デバイスとは発想がまったく異なります。Nike Mindが目指すのは、履くことで身体の感覚そのものに働きかけ、アスリートの身体への集中を促して「今」を意識させること。ナイキのイノベーション事業部門長兼クリエイティブディレクター、エリック・アバール氏は次のように語っています。

「Nike Mindは、感覚に働きかけることで足、身体、心を目覚めさせるという新たなフットウェアのコンセプトです。パフォーマンスのパラダイム転換であり、アスリートのパフォーマンス向上を目指す未来的なアプローチです」

片足22個のフォームノードが足裏から脳を刺激する仕組み

Nike Mindのソールに配置されたオレンジ色のフォームノードのクローズアップ。赤とグレーの2モデル

Nike Mindの心臓部となるのが、10年以上の歳月をかけて開発されたエンジニアリングと製造テクノロジーです。Mind 001とMind 002は、いずれも片足あたり22個の独立したフォームノードを備えています。

これらのノードは柔軟で耐水性のある素材に接着されており、アスリートの動きに合わせてピストンやジンバルのようにそれぞれ独立して機能します。これによって、足裏に地面の感触やその質感までがダイレクトに伝わります。この一歩ごとの相互作用に集中することで、感覚的な認識が高まる仕組みです。歩くたびに、いつもより足の裏を強く意識するような感覚といえばイメージしやすいかもしれません。

脳科学が裏付ける「今」への集中

脳波を計測するヘッドギアを装着し、Nike Sport Research Labで研究に参加するアスリート

Mind 001とMind 002は、ナイキの「マインドサイエンス部門」が送り出した初のイノベーションです。この最先端の部門は「Nike Sport Research Lab」内に置かれ、心身のつながりへの理解を深めることを目的としています。

同部門の神経科学者たちは、世界でも数少ない移動式の脳・身体イメージングラボを活用し、運動中のアスリートの神経系・脳活動・認知機能を研究しています。そこで得られた独自の知見が、準備・トレーニング・試合・リカバリーをサポートする新しいカテゴリーの製品開発に活かされています。ナイキで最高科学責任者(チーフ サイエンス オフィサー)を務めるマシュー・ナース博士は、この取り組みをこう表現しています。

「ナイキは45年にわたって、筋肉の収縮、関節の動き、酸素がパフォーマンスを支える仕組みといった身体の動きを研究してきました。今、私たちはマインドへと研究を拡大しています。知覚、注意力、感覚フィードバックを研究することで、脳と身体のつながりを新たな方法で解明しています。単に速く走るためだけではありません。『今』をより意識し、集中力と回復力を高めること。それがパフォーマンスにおける次のフロンティアです」

サッカー選手アーリン・ハーランドも実証テストに参加

Nike Mindの赤いソールを見せながら躍動するサッカー選手アーリン・ハーランド

Nike Mindは、過去5年間で数百人のアスリートがテストに参加してきました。そのひとりが、ナイキのシグネチャーアスリートであるサッカー選手のアーリン・ハーランド選手です。彼はNike Mindの手応えをこう語っています。

「サッカーにおいては集中力がすべてです。一歩ごとに、シューズと足の感覚を意識しています。それはとても良いことです。プレーのバランスを生み出すからです」

試合中の一歩一歩で足裏の感覚に意識を向けることが、プレーのバランスにつながる——トップアスリートの実感は、Nike Mindが狙う「今への集中」を分かりやすく伝えてくれます。

2つのシルエット「Mind 001」と「Mind 002」

Nike Mindには、同じテクノロジーを搭載しながら好みに合わせて選べる2つのシルエットが用意されています。どちらもメンズ・ウィメンズ両方のサイズ展開です。

赤いNike Mind 001ミュールを履いて会場の通路を歩くバスケットボール選手アジャ・ウィルソン

Mind 001(ミュール)は、着脱が簡単で快適な履き心地を実現したスリップオンタイプです。試合前後にサッと履きたい人に向いています。

グレーのNike Mind 002スニーカーを履いて屋外を歩くバスケットボール選手ビクター・ウェンバンヤマ

Mind 002(スニーカー)は、足をインソールにしっかりと固定する構造で、良好な履き心地とサポート性をもたらします。足とシューズの一体感を求める人に向いた一足です。

“体感する”ためのデザイン思想

暗い背景に浮かぶ赤いNike Mind 001ミュール。方向性のないシルエットとソールのノードが見える

Nike Mindのマインドサイエンス研究を製品に落とし込むにあたり、両シューズの形状・素材・構造といったあらゆる要素が慎重に選ばれています。狙いは、このテクノロジーによるプレミアムな体験を生み出し、アスリートとシューズ、環境、身体とのつながりを高めること。ナイキは「Mind 001とMind 002は単に履くものではなく、体感するもの」と表現しています。

Nike Mindプラットフォームは、ナイキが同時期に発表した4つの主要テクノロジー革新のひとつでもあります。ほかにはAirアパレル、先進的なクーリング技術、パワードフットウェアが並び、アスリートを中心に据えたイノベーションでスポーツの未来を切り開こうとするナイキの姿勢を示しています。

価格・日本での展開

Nike Mindは2026年1月に、nike.comと一部販売店で発売されました。日本での主な価格は次の通りです。

Nike Mind 001(ミュール)
・メンズ/ウィメンズ Pregame Mules:13,200円

Nike Mind 002(スニーカー)
・ウィメンズ Pregame Shoes:20,900円

スマートウォッチやスマートリングが「身体のデータを測って可視化する」方向で進化してきたのに対し、Nike Mindは「履くことで身体の感覚に直接働きかける」というまったく別のアプローチをとっています。ウェアラブルとは異なる角度から、集中やリカバリーといったコンディショニングに踏み込んだ製品として、押さえておきたい一足です。

Nike公式サイトの製品ページは以下から確認できます。

Nike公式でMind 001を見る

Nike公式でMind 002を見る

まとめ

Nike Mindは、ナイキが45年培ってきた「動く身体」の研究を、はじめて「心」の領域へと広げた意欲的なプロダクトです。10年以上をかけて開発された片足22個のフォームノードが足裏を刺激し、集中やマインドフルネス、リカバリーをサポートするという発想は、これまでのスポーツシューズにはなかったものです。試合前後の“気持ちの切り替え”をシューズで支えるというアイデアは、忙しい日常のオンとオフを整えたい人にとってもヒントになりそうです。「体ひとつあれば、誰もがアスリート」——Nike Mindは、そんなナイキの思想を足元から体感させてくれる一足だと言えそうです。

Source: Nike, Inc. ニュースルーム

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