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腕時計を買うとき、便利さを取るか、長く使える安心感を取るか。ぜんまいで動く機械式時計と、健康管理から通知確認までこなすスマートウォッチは、そもそも性格がまったく違う道具です。では実際のところ、世の中の人はこの2つをどう見ているのでしょうか。株式会社NEXER Groupと高級腕時計の正規販売店「HARADA」による調査で、両者のイメージの差がはっきり数字に出ました。「一生もの」として持つなら機械式時計が67.2%、これから買うとしても機械式時計が54.0%。ただしその差の縮まり方に、スマートウォッチの現在地が見えてきます。
全国500人に聞いた「機械式時計とスマートウォッチ」調査
この調査は、株式会社NEXER GroupとHARADAによる調査として実施されたものです。調査概要は以下のとおりです。
| 調査手法 | インターネットでのアンケート |
| 調査期間 | 2026年7月15日〜7月21日 |
| 調査対象者 | 全国の男女 |
| 有効回答 | 500サンプル |
| 主な質問 | 機械式時計/スマートウォッチそれぞれのイメージ、「一生もの」として選ぶならどちらか、これから買うならどちらに惹かれるか |
原則として小数点以下第2位を四捨五入して表記しているため、合計が100%にならない場合があります。
機械式時計のイメージ1位は「長く使える/一生もの」34.8%
まず「機械式時計」に対するイメージを複数選択で聞いた結果です。

最も多かったのは「長く使える/一生もの」で34.8%。次いで「高級感がある」33.0%、「職人技・ものづくりを感じる」28.8%と続きました。上位に並んだのは、時計そのものの価値や作り手の技術を感じさせる項目ばかりです。
一方で「価格が高い」25.4%、「メンテナンスが大変」23.6%というネガティブな項目も4分の1前後を占めています。「古い・時代遅れに感じる」も13.6%。長く使えるという評価と、手間とコストがかかるという実感が、同じ製品に対して同居している構図です。
スマートウォッチのイメージ1位は「便利・多機能」45.6%
続いて「スマートウォッチ」に対するイメージです。

1位は「便利・多機能」で45.6%。機械式時計の1位(34.8%)より10ポイント以上高く、イメージが一点に集中しているのがわかります。以下、「健康管理に役立つ」28.2%、「若い人向けのイメージがある」24.6%、「バッテリーが心配」22.4%と続きました。
歩数、睡眠、心拍数を測れることが暮らしを支えるツールとして定着している一方、「資産価値がない」12.8%、「数年で古くなる/買い替えが必要」11.0%、「高級感がない」6.6%といった、長期保有には向かないという見方も一定数あります。機械式時計が「価値」や「作り」で評価され、スマートウォッチが「便利さ」で評価される。役割分担がきれいに分かれた結果です。
「一生もの」として選ばれたのは機械式時計67.2%
では「一生もの」として持つなら、どちらを選ぶのでしょうか。

結果は機械式時計が67.2%、スマートウォッチが32.8%。約3人に2人が機械式時計を選びました。
機械式時計を選んだ人からは「メンテナンスを続ければ一生使えるから」(30代・女性)、「長持ちするイメージがある。父もそうゆうの好きで集めて、自分でメンテしてるの見てたから」(30代・女性)といった声が挙がっています。親が手入れしている姿を見てきたという回答は象徴的で、時計が世代を越えて受け継がれるものとして捉えられていることがうかがえます。
一方、スマートウォッチを選んだ人の理由は「価格が安いから」(20代・男性)、「健康が分かるから」(20代・女性)、「色々な機能があって便利な面が多いから」(30代・女性)。同じ「一生もの」という問いでも、機械式時計は時間をかけて育てるもの、スマートウォッチは今の暮らしを支えるものとして受け取られているようです。
これから買うなら機械式54.0%、スマートウォッチ46.0%と差が縮まる
興味深いのは次の質問です。「これから腕時計を購入するとしたら、どちらに惹かれますか」と聞くと、結果はこうなりました。

機械式時計が54.0%、スマートウォッチが46.0%。機械式時計が上回ってはいるものの、その差は8ポイントまで縮まりました。「一生もの」を聞いたときの34.4ポイント差と比べると、実際の購入検討では明らかにスマートウォッチが盛り返しています。
言い換えると、理想として憧れるのは機械式時計だが、次に自分が買うものとしてはスマートウォッチも十分候補に入るということです。この2つの数字のギャップこそ、今の腕時計市場の空気をよく表しています。
ためらいの理由は「メンテナンス費用」だった
機械式時計を選んだ人の理由は「長く使える物を買いたい」(20代・男性)、「機械式は時代を超える時計だ」(20代・男性)、「機械式時計のほうがファッション性が高くて好みだし、長く使えそうだから」(30代・女性)と、価値観がはっきりしています。
注目したいのは、スマートウォッチを選んだ人の中にあったこの声です。
「機械式時計も良いなと思うけど、これからずっとメンテナンスを続ける費用を考えると腰が引けてしまう。スマートウォッチはものによっては異常時に緊急通報してくれるものがあるので、持ってるといざという時に役に立ちそうだから」(30代・女性)
機械式時計に魅力を感じていないわけではなく、オーバーホール(分解して内部を掃除・調整する定期メンテナンス)の費用が積み上がることを考えて手が止まる。そして代わりに、転倒検出や緊急SOSといった安全機能に実利を見いだしている。機械式時計の弱点とスマートウォッチの強みが、1人の回答の中で並んでいる例です。
数字から読み取れること
この調査でおもしろいのは、両者が同じ土俵で比べられていない点です。機械式時計の評価軸は「どれだけ長く持つか」であり、スマートウォッチの評価軸は「今どれだけ役に立つか」。スマートウォッチのイメージ上位に「資産価値がない」「数年で古くなる/買い替えが必要」が入っていることからも、長期保有の物差しで見ると分が悪いのは避けられません。
ただ、それは弱点であると同時に性格の違いでもあります。スマートウォッチは数年ごとに買い替えることで新しい健康機能が手に入る製品で、それを前提に価格も設定されています。10年同じものを使うことに価値があるジャンルではありません。「一生もの」を聞かれたときに3分の1が選んだこと自体、むしろ健闘といえる数字かもしれません。
そして「これから買うなら」で46.0%まで追い上げていることを踏まえると、実用品としてのポジションはすでに確立しています。腕にひとつしか着けられない以上、どちらかを選ぶ必要はあります。ただ、日常はスマートウォッチ、勝負どころは機械式時計と使い分ける人も現実には少なくありません。両方を1本にまとめようという製品も、これまで何度か登場してきました。
まとめ
今回の調査では、機械式時計に「長く使える/一生もの」34.8%、スマートウォッチに「便利・多機能」45.6%というイメージがそれぞれ最も多く集まりました。「一生もの」として持つなら機械式時計が67.2%、これから購入するなら54.0%。長く寄り添う一本としては、今も機械式時計に魅力を感じる人が多数派です。
とはいえ、購入検討の場面では差が8ポイントまで縮まります。そして機械式時計を諦める理由がデザインでも精度でもなく「メンテナンス費用」だったことは、両ジャンルにとって示唆的です。長く使うためのコストをどう見せるか、あるいは買い替え前提の製品としてどう納得感を作るか。時計を選ぶ理由は、機能の多さだけでは決まらないということがよくわかる調査結果でした。
調査を実施したHARADAについてはHARADA公式サイトで確認できます。
Source: 株式会社NEXER GroupとHARADAによる調査(PR TIMES)(画像:株式会社NEXER Group)
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