Table of Contents
補聴器と聞くと、テレビの音を大きくする機械のようなイメージを持つ方が多いかもしれません。ところが今の補聴器は、iPhoneとBluetoothでつながり、音楽や通話の音声を耳元へ直接届けられるものが増えています。iPhone側で音量や聞こえ方を調整できるので、鞄からスマホを出さずに設定を変えることもできます。
この「iPhoneと直接つながる補聴器」は、Appleが定めた規格に対応している必要があります。海外メディアの9to5Macによると、Appleは2026年8月7日(現地時間)にその対応機器リストを更新し、22ブランド43モデルを新たに追加しました。合計は623モデル・104ブランドに広がっています。
Appleが対応リストを更新、22ブランド43モデルを追加
Appleは自社製品と外部メーカーの製品をつなぐ「MFi(Made for iPhone)」というプログラムを運営しています。スマートホーム機器やヘッドセット、ゲームコントローラー、フィットネス機器などが含まれるプログラムで、補聴器もそのひとつです。
今回の更新で加わったのは43モデル。累計では623モデル・104ブランドが「Made for iPhone対応の補聴器」として登録されたことになります。数字だけを見ても、対応機器がかなりの規模になっていることが分かります。
そもそも「Made for iPhone対応の補聴器」とは
MFiに対応した補聴器は、iPhoneやiPad、Mac、Apple Vision Proとペアリングして、機器から出る音声をそのまま補聴器へ流せます。動画の音声も、音楽も、通話の相手の声も、耳元のスピーカーで直接聞けるという仕組みです。
ストリーミングには一方向と双方向の2種類があります。一方向はiPhoneから補聴器へ音を送るだけ。双方向は補聴器側のマイクも使えるため、Appleの説明によればハンズフリーで通話ができます。ワイヤレスイヤホンで通話するときの感覚に近いと考えると分かりやすいでしょう。どちらに対応するかは、補聴器とつなぐ機器の組み合わせによって変わります。
スマートウォッチやワイヤレスイヤホンと同じで、対応表に名前があるかどうかが購入前の確認ポイントになります。サードパーティ製品と純正の違いを押さえておくと、対応表の読み方も分かりやすくなります。
今回追加された22ブランド43モデル
追加されたモデルは次のとおりです。双方向ストリーミングの欄が「一方向のみ」となっているものは、iPhoneから補聴器へ音を送る使い方に対応します。
| ブランド | 追加されたモデル | 双方向ストリーミング | 備考 |
|---|---|---|---|
| Afflelou | Incognito Edge AI/Incognito GS/Incognito OM AI | 全モデル対応 | |
| Audibel | A Series AI/Aris AI/Vitality AI | 全モデル対応 | |
| Audigy | AGXs Edge AI | 対応 | |
| Bellson | A1 X0 | 対応 | 新規ブランド |
| Bernafon | A1 X0/Encanta | 全モデル対応 | |
| GPL | A1 X0 | 対応 | |
| Maico | A1 X0/Aligo XT X | 全モデル対応 | |
| Makichie | FX00 | 対応 | |
| MED-EL | AudioStream Adapter/SONNET 3 | 一方向のみ | |
| MediTrend | SoniTon A1 X0 | 対応 | |
| MicroSom | Edge AI/Intrigue AI | 全モデル対応 | 新規ブランド |
| Multisound | A1 X0 | 対応 | |
| NuEar | Edge AI/NE Series AI/Nobel AI | 全モデル対応 | |
| Oticon | Engage/Sage/Semper | Sageのみ対応 | |
| OuïeZen | GS/OM/SK ED/SK EV | 全モデル対応 | |
| Panasonic | WH-C5/WH-R5 | 一方向のみ | 新規ブランド |
| RION | HB-A8/HI-C7 | 一方向のみ | 新規ブランド |
| Sonic | A1 X0 | 対応 | |
| SoundGear | AMP | 対応 | |
| Starkey | Edge AI/G Series AI/Omega AI | 全モデル対応 | |
| Widex | Allure ARRD1/Moment MRRLD | Allure ARRD1のみ対応 | |
| Yeasound | RIC700/RIC800 | 一方向のみ | 新規ブランド |
新しくリストに名前が載ったのはBellson、MicroSom、Panasonic、RION、Yeasoundの5ブランドです。PanasonicやRIONのように日本でも聞き覚えのある名前が並んでいますが、Appleの対応表は世界のさまざまな国のモデルをまとめたもので、同じ型番が日本国内で販売されているとは限りません。購入を検討するときは、国内の取り扱い販売店や補聴器の専門店で確認するのが確実です。
国内でも、聞こえをサポートするデバイスは静かに増えています。たとえばCASIOは耳をふさがないヒアリングアシストイヤホン「earU ER-100」で新ブランドを立ち上げました。補聴器ほど本格的ではないけれど聞こえを底上げしたい、という需要が広がっていることが分かります。
既存モデルの更新とMacBook Neoの追加
今回は新規追加だけでなく、すでに掲載されていたモデルの情報も更新されました。BernafonのEntra A X、Pro AkustikのIneo A X、SoniTonのIneo A Xの3モデルが、新たに双方向ストリーミング対応として記載されています。手持ちの補聴器がそのまま通話にも使えるようになるという意味で、地味ながらうれしい更新です。
さらにAppleは、一方向・双方向いずれのストリーミングについても、システム要件にMacBook Neoを追加しました。対応が始まるのはmacOS Tahoe 26からとされています。iPhoneだけでなくMacでも同じ補聴器を使える環境が、対象機種の面で少しずつ広がっている形です。Appleの周辺環境がどう更新されているかはApple Intelligenceを使った新しいアクセシビリティ機能の発表と合わせて見ると流れがつかみやすくなります。
AirPodsの「ヒアリング補助」とは役割が違う
Appleといえば、AirPods Proのヒアリング機能を思い浮かべる方もいるはずです。ただしこちらは、聞こえの状態をチェックしたり、軽度から中等度の聞こえにくさをサポートしたりする機能で、専門店で調整して使う補聴器とは位置づけが異なります。MFi対応の補聴器は、あくまで医療機器としての補聴器がiPhoneとつながるという話です。
実際にAirPods Proでヒアリングチェックを受けてみた体験を読むと、両者の違いがイメージしやすくなります。自分の聞こえがいまどうなのかを知る入口としては、手軽な選択肢と言えます。
聞こえを守るという意味では、大きな音にさらされる時間を把握することも大切です。Apple Watchには周囲の騒音を測る機能があり、日常のなかで耳にどれくらい負担がかかっているかを数値で確かめられます。聞こえにくさが進む前にできることは、意外と身近なところにあります。
まとめ
今回の更新は新製品の発表ではなく、対応機器リストの拡充です。それでも、iPhoneと直接つながる補聴器が623モデルまで増えたという事実は、選択肢が着実に広がっていることを示しています。新規ブランドが5つ加わり、既存モデルが双方向対応になり、MacBook Neoまで要件に加わりました。
聞こえに不安を感じ始めた家族がいる方や、自分の聞こえが気になり始めた方にとって、スマートフォンと連携できる補聴器は現実的な選択肢のひとつです。まずは対応表で名前を確認し、そのうえで専門店に相談するという順番が安心でしょう。
Source: 9to5Mac/Apple サポート「Made for iPhone対応の補聴器」
あわせて読みたい関連記事
自分の聞こえがいまどうなのかを、家にいながら確かめた記録です。測定の流れと結果を正直にまとめています。
AirPods Proでヒアリングチェックを実際に受けてみた|測定の流れ・結果・不安になった瞬間まで正直レビュー
耳を守るという観点なら、Apple Watchの騒音測定を使わない手はありません。通知の仕組みと設定方法を解説しています。
Apple Watchの「ノイズ(騒音)」測定機能とは?聴覚を守る通知の仕組みと設定方法を解説
Appleが聞こえや見え方のサポートをどう広げようとしているのか、発表内容から整理しました。
Apple、Apple Intelligenceを活用した新アクセシビリティ機能を発表 字幕生成やVision Proでの車椅子操作も年内に
国内メーカーの動きも見ておきたい方へ。CASIOが立ち上げた新ブランドの第1弾を紹介しています。
CASIOが新ブランド「earU」を立ち上げ。耳をふさがないヒアリングアシストイヤホン『ER-100』を5月28日発売
Appleが体まわりのデバイスをどこへ広げようとしているのか、次の一手を追った記事です。
Appleのスマートグラスは“次の健康デバイス”になるのか? Vision Proで断念したフィットネス構想と、求人票が示す再挑戦
聞こえ以外にも、暮らしをいたわる家電は増えています。気になるものから試してみてください。
注目の健康家電5選|いびき対策まくらからウォーターフロッサーまで、体をいたわるガジェットまとめ
海外で報じられた最新の動きは、こちらのタグでまとめて追えます。
スマートウォッチやガジェットの最新情報は、Smart Watch Life トップページからご覧いただけます。
はじめての方・記事の探し方に迷った方へ
記事が多くて迷ったら、
記事の探し方ガイド
から目的別に読めます。











