Apple Watchに、新たな健康管理機能として「睡眠時無呼吸の通知」が追加されました。
睡眠中の呼吸の乱れを長期的に分析し、中等度から重度の睡眠時無呼吸の兆候が見られた場合に通知で知らせてくれるという機能です。これまで見逃されがちだった睡眠時の異変に、Apple Watchが気づくきっかけを与えてくれます。
本記事では、「Apple Watchの睡眠時無呼吸の通知機能とは何か?」をテーマに、仕組み・できること・対応モデル・設定条件・注意点を整理して解説します。
Apple Watchの「睡眠時無呼吸の通知」とは?
睡眠時無呼吸の通知は、Apple Watchを装着して眠ることで、睡眠中の呼吸の乱れを自動的に記録・分析し、一定の条件を満たした場合に「睡眠時無呼吸の可能性がある」と通知してくれる機能です。
重要なのは、この機能が一晩のデータだけで判断しない点です。Apple Watchは呼吸の乱れを日々蓄積し、30日単位で傾向を分析します。
その結果、呼吸の乱れが一貫して「高い」と評価され、中等度から重度の睡眠時無呼吸の兆候が見られる場合にのみ、通知が届く仕組みになっています。
睡眠時無呼吸症候群とは?なぜ問題なのか

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が何度も止まったり浅くなったりする疾患です。
本人に自覚がないまま進行するケースも多く、治療を行わずに放置すると、高血圧・2型糖尿病・心疾患などのリスクが高まることが知られています。
Appleの説明によれば、世界で10億人以上が影響を受けていると推定されており、「決して珍しい病気ではない」という点も重要です。
どうやって睡眠時無呼吸を検知しているのか

Apple Watchは、加速度センサーを使って睡眠中の手首のわずかな動きを検出しています。
人は呼吸をすると、胸や腕にごく小さな動きが生じます。Apple Watchはその動きのリズムをもとに、正常な呼吸パターンが中断された回数や傾向を分析します。
この指標は「呼吸の乱れ」として記録され、毎晩の睡眠について「高い」または「高くない」という評価が行われます。
そして30日間のデータをまとめて解析し、呼吸の乱れが継続的に高い場合に、睡眠時無呼吸の可能性があるとして通知されます。
臨床研究で検証されたアルゴリズム
この睡眠時無呼吸の通知アルゴリズムは、機械学習と臨床レベルの睡眠時無呼吸検査データを用いて開発されています。
Appleによると、大規模な臨床研究で検証が行われ、その研究では、アルゴリズムによって特定された参加者は全員が軽度以上の睡眠時無呼吸であったとされています。
もちろん医療機器そのものではありませんが、「医師に相談するきっかけ」を作る精度としては、かなり信頼性の高い設計といえそうです。
呼吸の乱れデータで何がわかる?

呼吸の乱れのデータは、iPhoneのヘルスケアアプリで確認できます。
表示できる期間は、過去1か月・6か月・1年。長期的な変化を把握できるのが特徴です。
また、呼吸の乱れは、アルコールの摂取、服薬、睡眠時の姿勢、体調などの影響を受けることがあります。
そのため、生活習慣とデータを照らし合わせることで、「なぜ最近呼吸の乱れが増えているのか」を考える手がかりにもなります。
通知を受け取った場合は、3か月分のデータや発生時期をまとめたPDFを書き出し、医療機関で共有することも可能です。
睡眠時無呼吸の通知に対応するApple Watchモデル
睡眠時無呼吸の通知機能は、すべてのApple Watchで使えるわけではありません。対応モデルは以下のとおりです。
・Apple Watch SE(第3世代)
・Apple Watch Series 9
・Apple Watch Series 10
・Apple Watch Series 11
・Apple Watch Ultra 2
・Apple Watch Ultra 3
ハードウェア要件があるため、それ以前のモデルではwatchOSをアップデートしても利用できません。
利用するための条件と準備

睡眠時無呼吸の通知を使うには、以下の条件を満たす必要があります。
・対応するApple Watchを使用していること
・iPhoneとApple Watchを最新のOSにアップデートしていること
・ヘルスケアアプリで「睡眠」を設定し、「Apple Watchで睡眠時間を記録」をオンにしていること
・30日間のうち、少なくとも10日はApple Watchを装着して就寝していること
・18歳以上で、これまで睡眠時無呼吸と診断されていないこと
データは30日ごとに分析されるため、使い始めてすぐに結果が出る機能ではない点も押さえておきましょう。
注意点|診断や治療の代わりにはならない
Appleも明確に注意書きをしていますが、この機能は睡眠時無呼吸を診断・治療・管理するための医療行為ではありません。
また、症状があっても必ず通知が届くわけではありません。
「いびきがひどい」「日中の強い眠気がある」など、気になる症状がある場合は、Apple Watchの通知の有無にかかわらず、医師に相談することが重要です。
Apple Watchが果たす役割とは
Apple Watchはこれまで、心電図機能による心房細動の発見など、早期の気づきを促すツールとして多くの実績を積み重ねてきました。
睡眠時無呼吸の通知も同様に、「異変に気づき、医療につなげる」ための役割を担う機能といえるでしょう。
毎晩装着するだけでデータが蓄積される点は、ウェアラブルデバイスならではの強みです。
あわせて読みたい関連記事
はじめての方・記事の探し方に迷った方へ
記事が多くて迷ったら、
記事の探し方ガイド
から目的別に読めます。











