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カメラを内蔵したスマートグラスの広がりが、思わぬところで規制を生んでいます。米ニューヨーク州は2026年7月20日から、州内すべての裁判所でスマートグラスをはじめとするカメラ付きアイウェアの持ち込みを禁止します。米メディアのPatchによれば、州全体でこうした端末を禁止するのは全米で初めてだといいます。
何が禁止されるのか?
対象となるのは、カメラやマイクを備えたすべてのメガネ・ヘッドウェアで、度付き(視力矯正用)のスマートグラスも含まれます。ニューヨーク州にある全1,240の裁判所が対象で、来訪者・弁護士・裁判所職員のいずれも、建物に入る前に制服姿の裁判所職員へ端末を預けなければなりません。視力矯正が必要な人は、通常のメガネを別に用意して持参する必要があります。
なぜスマートグラスが禁止されるのか?
裁判所では以前から、許可のない写真・動画・音声の記録が禁じられてきました。ニューヨーク州統一裁判所システムの規則でも、法廷・オフィス・廊下を問わず、また開廷中かどうかにかかわらず、裁判所内での撮影や録音・放送は禁止されています。問題は、スマートグラスがスマートフォンと違い、カメラを手で構える必要なく“さりげなく”録画できてしまう点です。陪審員や証人、弁護士、審理の様子が、本人の許可なく記録されてしまう懸念が指摘されています。
こうした録画・録音できるウェアラブルへの警戒は、裁判所に限った話ではありません。たとえば試験会場では「新たなカンニング道具」として警戒が広がっているなど、さまざまな場面で議論が起き始めています。
きっかけはザッカーバーグ氏の裁判
この問題が全米の注目を集めたのは、2026年2月に行われたMeta CEOマーク・ザッカーバーグ氏の証言でした。SNS依存をめぐる裁判で、ザッカーバーグ氏の警備チームがMeta Ray-Banのスマートグラスを着けて裁判所に入り、裁判官が同デバイスでの法廷の録画をしないよう警告する一幕がありました。裁判官は、陪審員が録画されたり身元を特定されたりする可能性を懸念したといいます。実際にグラスで法廷内が録画された形跡はなかったものの、この一件が司法の場におけるウェアラブル録画技術への懸念を浮き彫りにしました。
対象となるデバイスと運用方法
ルールはメーカーを問わず、カメラやマイクを備えたあらゆるメガネ・ヘッドウェアに適用されます。度付きのスマートグラスも例外ではありません。Metaなどは、こっそり録画しにくくするための安全対策を導入していますが、ニューヨーク州の方針はブランドや機能の違いを区別しません。スマートグラスを着けて来た人は館内で着用できず、セキュリティを通過する前に裁判所職員へ預ける必要があります。この対応は、来訪者・弁護士・裁判所職員のすべてに適用されます。
まとめ
スマートグラスは、AIアシスタントやハンズフリー撮影といった便利さで急速に普及しつつありますが、その“さりげなく記録できる”特性は、プライバシーが重視される場面では新たな課題にもなります。今回のニューヨーク州の対応は、その象徴的な一例と言えそうです。今後は日本を含む各地でも、公共の場や特定の施設でのスマートグラスの扱いが議論になっていく可能性があります。便利さと周囲への配慮をどう両立させるか、着けている側も意識しておきたいところです。
Source: Patch
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