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「携帯電話に、身に覚えのない国際電話がかかってきた」——そんな経験はありませんか。近年、特殊詐欺の犯人が国際電話番号などを使って、被害者の携帯電話に直接かけてくるケースが急増しています。こうした電話を「そもそも受けない」ための対策として、警察庁が公式に推奨している無料アプリがあることをご存じでしょうか。
この記事では、警察庁が「警察庁推奨アプリ」として認定した2つの詐欺電話対策アプリ、「詐欺対策 by NTTタウンページ」と「トレンドマイクロ 詐欺バスター Lite」について、それぞれの機能・対応スマホ・選び方、そしてつまずきやすい設定のコツまで、やさしく解説します。離れて暮らす高齢のご家族のスマホに入れてあげたい、という方にも役立つ内容です。
なぜ今「詐欺電話ブロックアプリ」が必要なのか
オレオレ詐欺や還付金詐欺などの特殊詐欺は、犯人が被害者に電話をかけるところから被害が始まります。最近は、犯人が国際電話番号を使って携帯電話に直接かけてくる手口が増えており、警察庁も注意を呼びかけています。
そこで有効なのが、犯人が使う国際電話番号や、過去に特殊詐欺で使われた番号を、アプリ側で自動的にブロック(着信拒否)したり、警告を表示したりする対策です。あやしい電話を「そもそも鳴らさない・出ない」ようにしておけば、うっかり話し込んでしまうリスクを大きく減らせます。スマートフォンの標準機能では細かく設定しづらい部分を、専用アプリが肩代わりしてくれるイメージです。
「警察庁推奨アプリ」とは?共通する4つの機能

「警察庁推奨アプリ」は、民間事業者の最新技術やノウハウを活用した特殊詐欺対策アプリのうち、警察庁が一定の基準に適合すると認めたものを認定し、国民に利用を推奨する制度です。今回紹介する認定アプリは、次の2つです。
・詐欺対策 by NTTタウンページ(NTTタウンページ株式会社)
・トレンドマイクロ 詐欺バスター Lite(トレンドマイクロ株式会社)
どちらもダウンロード・利用料ともに無料です。両アプリに共通する主な機能は、次の4つです。
・国際電話番号の発着信を一括でブロック・警告(Androidのみ)
・特殊詐欺などに使われた番号(国際電話番号を含む)の発着信をブロック・警告(Android・iPhone)
・警察庁からの特殊詐欺に関する防犯情報のお知らせ(Android・iPhone)
・民間事業者の最新技術などを活用した判定(Android・iPhone)
どちらのアプリも、Android版(Google Play)とiPhone版(App Store)の両方が公開されており、お使いのスマホがどちらでも無料で利用できます。ただし、機能によってAndroidとiPhoneで対応が一部異なる点は押さえておきましょう。特に、国際電話番号を「まるごと一括でブロック」できるのはAndroid版のみです。iPhoneでも、特殊詐欺に使われた番号のブロックや警告、防犯情報のお知らせはしっかり使えますが、国際電話をまとめて遮断する機能には対応していません。国際電話からの着信に特に強く備えたい場合は、Androidのほうが一歩踏み込んだ対策ができる、と覚えておくとよいでしょう。
アプリのダウンロードは、iPhoneはApp Store、AndroidはGoogle Playから無料で行えます。警察庁の特設サイト「SOS47」の警察庁推奨アプリのページからも、それぞれの公式ページ・ストアへ進めます。
詐欺対策 by NTTタウンページ(NTTタウンページ株式会社)
1つ目は、電話帳サービスでおなじみのNTTタウンページが提供するアプリです。要注意電話を自動で検知して警告・遮断するのに加え、約500万件以上の事業者情報から「知らない番号の相手先の名称」を発着信画面に表示してくれるのが大きな特徴です。かかってきた番号が「どこの会社・お店なのか」を、電話に出る前に確認できます。
主な機能は次のとおりです。
・要注意電話を最新のリストで自動判別し、発着信時に警告表示や遮断を行う
・国際番号だけでなく、公衆電話・非通知からの着信も遮断できる
・約500万件以上の事業者データベースから、連絡先に未登録の番号でも相手の名称を自動表示
・知らない電話番号を入力して、相手先を検索できる
・警察庁からの防犯情報をアプリ内で通知
対応OSは、AndroidがAndroid 10.0以降、iPhoneがiOS 15.0以降です。評価は5段階中、Google Play版が3.6(約200件)、App Store版が3.8(約210件)と、いずれも中〜高評価。Google Playでのダウンロードは10万件以上にのぼります。
iPhone版(App Store)はこちらから確認できます。
詐欺対策 by NTTタウンページ(App Store)
実際の利用者からは、「要注意・海外・非通知からの着信をまとめて拒否でき、電話が鳴ること自体が減って安心できる」「電話帳に登録していない相手でも名前が表示されて便利」と評価する声がある一方で、「防犯情報の通知をタップしても内容の全文がすぐには読めず、高齢者にはやや分かりにくい」といった指摘も見られます。データベースを常に最新に保つため、アプリはバックグラウンドで起動しておくことが推奨されています。
トレンドマイクロ 詐欺バスター Lite(トレンドマイクロ株式会社)
2つ目は、ウイルスバスターで知られるセキュリティ専門企業トレンドマイクロが提供するアプリです。こちらは詐欺電話のブロックに特化しているのが特徴で、機能を絞っているぶんシンプルに使えます。
特殊詐欺の疑いがある番号への発信・着信には自動で警告を表示し、「スマートブロック」設定を有効にすると、あやしい番号からの着信を自動で拒否することもできます。詐欺電話番号のデータベースは、警察などの公的機関との連携に加え、トレンドマイクロがウイルスバスターで培った知見をもとに、随時最新の状態へ更新されています。
対応OSは、AndroidがAndroid 8.1以上、iPhoneがiOS 14.0以降です。iPhone版はiPadのほか、Apple M1以降を搭載したMacやApple Vision Proにも対応しています。評価は5段階中、Google Play版・App Store版ともに3.6(Google Play約54件、App Store約47件)。Google PlayではNTTタウンページ版よりやや古いAndroid端末でも使えるのも利点です。
なお、名前のよく似た有料版「詐欺バスター」との違いも押さえておきましょう。「Lite」は詐欺電話のブロックに特化した無料アプリで、警察庁推奨制度の認定を受けています。一方、上位版の「詐欺バスター」は、判断に迷うメッセージやサイトをチェックする詐欺チェック、Web脅威対策、SMSフィルタリングなども利用できます。どちらもウイルスバスターなど他社のウイルス対策アプリと一緒に使うことができます。
利用者からは「無料で広告も表示されず使える」と好評ですが、注意点もあります。「初回設定で連絡先へのアクセス許可を求めてこないため、手動で権限を許可しておかないと、電話帳に登録済みの相手までブロックされてしまうことがある」という指摘が複数寄せられています。導入したら、まず連絡先へのアクセスを許可しておくのが安心です(設定方法は後述します)。
iPhone版(App Store)はこちらから確認できます。
詐欺バスター Lite(App Store)
2つのアプリ、どちらを選べばいい?
どちらも警察庁推奨・無料で、詐欺電話をブロックするという基本は共通しています。迷ったときの選び方の目安を、表にまとめました。
| 項目 | 詐欺対策 by NTTタウンページ | トレンドマイクロ 詐欺バスター Lite |
|---|---|---|
| 提供元 | NTTタウンページ株式会社 | トレンドマイクロ株式会社 |
| 料金 | 無料 | 無料 |
| 対応OS(Android) | Android 10.0以降 | Android 8.1以上 |
| 対応OS(iPhone) | iOS 15.0以降 | iOS 14.0以降 |
| 特徴 | 知らない番号の相手先名を表示。番号検索も可能 | 詐欺電話ブロックに特化してシンプル |
| 相手先名の表示 | 約500万件の事業者情報から自動表示 | 基本は番号での判定が中心 |
| 自動で着信拒否 | 要注意番号・国際・公衆電話・非通知を遮断 | スマートブロック設定で自動拒否 |
| ストア評価 | Google Play 3.6/App Store 3.8 | Google Play 3.6/App Store 3.6 |
ざっくり言えば、知らない番号の相手先名まで表示して「電話に出る前に見極めたい」ならNTTタウンページ版、機能をシンプルにして「あやしい電話をとにかく自動でブロックしたい」なら詐欺バスター Lite、という選び方ができます。両方を無理に併用しようとすると設定が競合することもあるため、まずはどちらか1つを試すのがおすすめです。
導入・設定でつまずかないための3つのコツ
アプリは入れただけでは、本来の力を十分に発揮できないことがあります。特に次の3点を確認しておきましょう。
1. 連絡先へのアクセスを必ず許可する
連絡先へのアクセスが許可されていないと、電話帳に登録済みの相手まで「知らない番号」と判定され、ブロックされてしまうことがあります。導入後は、端末の「設定」→「アプリ」→該当アプリ→「権限」→「連絡先」を「許可」に設定しておきましょう。
2. アプリはバックグラウンドで起動しておく
詐欺に使われた番号のデータベースは日々更新されます。アプリをバックグラウンドで動かしておくことで、常に最新のリストで判定でき、ブロックの精度が保たれます。
3. 既存のキャリア・セキュリティサービスとの併用に注意する
「ドコモあんしんセキュリティ」など、通信会社が提供するセキュリティサービスの迷惑電話対策機能と、機能が競合する場合があります。詐欺対策アプリを「標準の電話アプリ」として設定すると、既存サービスの一部機能が使えなくなることもあるため、どちらを優先するかを確認したうえで設定しましょう。
高齢の家族のスマホに入れてあげるときのポイント

特殊詐欺の被害に遭いやすいのは、やはり高齢の方です。ただ、こうしたアプリは「入れて終わり」ではなく、初期設定を最後までやりきることが大切。ご本人だけでは権限の許可などでつまずきやすいので、可能であれば設置のときに一緒に確認してあげるのがおすすめです。
ポイントは、連絡先へのアクセス許可を済ませておくこと、そして「あやしい電話がブロックされたことや、警察庁からの防犯情報がどこに表示されるのか」を、いちど一緒に見ておくことです。両アプリともiPhone・Androidの両方で使えるので、まずは今お使いのスマホに入れてあげれば十分です。前述のとおり、国際電話をまとめてブロックする機能まで求めるならAndroidのほうが充実しているので、これから対策用にスマホを新調する場合の参考にしてみてください。
困ったときは一人で抱え込まず相談を
アプリはあくまで「予防」の手段です。もし詐欺とおぼしき電話を受けてしまったり、少しでも不安を感じたりしたときは、早めに公的な窓口へ相談しましょう。次の相談先が用意されています。
・警察相談専用窓口:#9110
・消費者ホットライン:188
・未公開株通報専用窓口(日本証券業協会):0120-344-999
また、特殊詐欺の被疑者や犯行拠点につながる情報をお持ちの場合は、匿名通報ダイヤル(0120-924-839)でも情報を受け付けています。
まとめ
警察庁が推奨する2つの詐欺電話対策アプリ、「詐欺対策 by NTTタウンページ」と「トレンドマイクロ 詐欺バスター Lite」は、どちらも無料で使える心強い味方です。相手先の名称まで表示したいならNTTタウンページ版、シンプルに自動ブロックしたいなら詐欺バスター Lite、と目的に合わせて選べます。
導入したら、連絡先へのアクセス許可とバックグラウンド起動を忘れずに。国際電話の一括ブロックなど、より踏み込んだ対策を求めるならAndroid端末が有利です。あやしい電話は「出ない・鳴らさない」が鉄則。無料アプリを上手に取り入れて、自分と大切な家族を特殊詐欺から守る第一歩を踏み出しましょう。
Source: 警察庁 SOS47「警察庁推奨アプリ」/各アプリのGoogle Play・App Store掲載情報 画像: Unsplash
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