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TCLが、子ども向けスマートウォッチ「TCL Kids Watch K5」を発表しました。キャッチコピーは「Tiny Fit, Mighty Guard.(小さくフィットし、力強く守る)」です。

TCLグローバルサイトのKids Watch K5製品ページ(画像:TCL公式サイトより編集部キャプチャ)
海外での価格は約100ユーロと報じられています。日本での発売については、現時点で何も発表されていません。以下はTCLのグローバル公式サイトに掲載されている内容です。
14.35mmで約50g、小さい手首に合わせた形
本体の厚みは14.35mm(ケースを含む数値)、重さは約50gとされています。いずれもTCLのラボ測定値です。
子ども向けのスマートウォッチは、4G通信とバッテリーを積むぶんどうしても厚くなりがちですが、K5は本体をゆるやかに湾曲させて小さい手首に沿うようにしたとしています。素材は肌当たりのよい環境配慮型のものを使う、という説明です。
型番はMT50V/MT50VEです。TCLのキッズウォッチは日本でもMOVETIMEシリーズとして展開されてきた経緯があり、K5はその流れの新モデルにあたります。
「10層測位」の中身を分解すると
公式サイトが前面に出しているのが「10-Layer Precise Positioning(10層の高精度測位)」です。ただ、この10項目を並べてみると、すべてが測位技術というわけではありません。
| 分類 | 項目 |
|---|---|
| 測位そのもの | GPS、A-GPS、GLONASS、WiFi Scan、LBS(基地局測位) |
| 補助センサー | G-Sensor(加速度センサー) |
| アプリ側の機能 | SOSカメラ、ライブトラッキング、セーフゾーン、ウォッチ探索 |
つまり衛星と電波を使った測位の手段は5つで、残りは位置を補正するセンサーと、親のアプリ側で使う機能です。10という数字はマーケティング上のまとめ方で、測位方式が10種類あるという意味ではない、と読んでおくのが正確です。
とはいえ、GPSに加えてGLONASS、Wi-Fiスキャン、基地局測位を組み合わせるのは、建物の中や街なかで位置を落とさないための現実的な設計です。移動の履歴を後から確認する「Location History」と、範囲から出たら通知が届く「Customized Safe Zone」も用意されています。
SNSもブラウザも入っていない
K5の設計で目を引くのは、機能を足すより削っているところです。公式サイトには「オープンなインターネットなし、SNSなし」と明記されています。
通信は4Gで、できるのはHDのビデオ通話、VoLTE通話、1対1とグループのチャット、ボイスメッセージ、SMS、絵文字、写真の共有まで。外の世界へ勝手につながる経路を最初から用意していない、という考え方です。
子ども向けスマートウォッチをめぐっては、中国で子どもが1日6時間も“いいね稼ぎ”に費やしていたという事例が問題になりました。端末にSNS的な仕組みを載せると、子どもの世界でそのまま人間関係の圧力になります。K5がその手前で線を引いているのは、後追いの対策ではなく設計思想として読めます。
加えて、GDPR、ISO 27701(プライバシー)、ISO 27001(セキュリティ)への準拠を掲げています。紛失時に遠隔でロックする「Loss and Lock Mode」、友だち追加やチャット、カメラを親が管理する「Parental Control」も用意されています。
授業中はSOSだけが残る「スクールモード」
親のアプリで「School Time」を設定すると、授業中は通知が静かになり、カメラとゲームが使えなくなります。開いたまま残るのはSOS通話だけという設計です。
学校に持ち込めるかどうかは日本では学校ごとの判断になりますが、「持ち込みは認めるが授業中は使わせたくない」という運用に対して、端末側で答えを用意している形です。
ケースとストラップを付け替えて遊ぶ

ケースとストラップを付け替えて楽しむ提案(画像:TCL公式サイトより編集部キャプチャ)
本体のカラーは、Sky Blue(水色)、Dawn Pink(ピンク)、Meteor Orange(オレンジ)の3色です。さらにストラップとケースのセットが別売で3色用意され、それぞれに専用の文字盤が付いてきます。
ケースごと色を変えられるので、見た目の印象がはっきり変わります。文字盤とセットで揃うという作りは、子どもが自分で選ぶ楽しさを想定した設計です。
IP68、ただし泳ぐのは対象外

3色展開と、IP68で想定される使用シーンの一覧(画像:TCL公式サイトより編集部キャプチャ)
防水はIP68で、画面保護フィルムが貼られた状態で出荷されます。水抜きモードも備えています。
ここは注意書きをそのまま読むのが大事なところです。公式サイトは、想定しているのが水しぶき、雨、手洗い、スポーツまでで、水泳、海水、温水、シャワー、サウナ、温泉、ダイビング、勢いのある水流は対象外だと明記しています。IP68と書いてあっても、プールで泳がせる前提の設計ではありません。
バッテリーは2.2日、待機で4.8日
連続使用で最大2.2日、待機で4.8日というのがTCLの社内テスト値です。子ども向けのウォッチは充電を忘れると意味がなくなるので、この数字が実際どこまで持つかは気になるところです。
参考までに、TCLの既存モデルであるMOVETIME MT48は「最大2.5日/待機7日」、MT46は「680mAhで2日/待機6.5日」と公式に記載されています。K5は薄型化と引き換えに、待機時間では既存モデルより短くなっている計算です。
シェイクで友だち追加、歩数計も
親がアプリで許可すると、子ども同士が時計を振るだけで友だちを追加できます。この機能はTCLのキッズウォッチ全モデルで使え、追加には親の承認が必要です。
歩数の記録と、壁紙のカスタマイズにも対応します。歩くことを画面の変化に結びつけて、習慣づけにつなげるという狙いです。
ロボットのような台座も用意
海外メディアの報道によると、TCLはこのK5向けにモーター内蔵の充電クレードルも用意しています。時計を載せると左右に首を振り、机の上の小さなロボットのように振る舞うというものです。
子どもが家にいる間、見守りや通話といったK5の本来の機能は出番がありません。その時間を別の使い道に変える発想で、キッズウォッチとしては珍しい方向です。なお、報じられている約100ユーロという価格は時計単体のものです。
日本で出るのかどうか
繰り返しになりますが、日本での発売については何も発表されていません。
この種の端末は4Gの回線契約が前提になるため、日本で展開するなら通信事業者との組み合わせが必要になります。TCLは日本でもMOVETIMEシリーズを展開してきた実績があるので、可能性がないわけではありませんが、現時点では海外の発表として受け止めておくのが正確です。
キッズスマートウォッチの市場は10年で約3倍に伸びるという予測もあり、この分野は各社が製品を投入している段階です。日本でも選択肢が増えるかどうかは、今後の動きを見ていくことになります。
まとめ
TCL Kids Watch K5は、14.35mm・約50gという薄型軽量のボディに、4G通信とHDビデオ通話、10項目の測位・見守り機能を載せた子ども向けスマートウォッチです。SNSやブラウザを持たせず、GDPRとISOに準拠したデータ環境を掲げているのが特徴です。
海外価格は約100ユーロ。日本での発売は未定です。
「10層測位」のような数字は、中身を開けて何が測位で何が機能なのかを分けて見ておくと、他社製品と比べるときに迷いにくくなります。
Source:TCL公式サイト、GSMArena(画像:TCL公式サイトより編集部キャプチャ)
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