【消費者庁11月6日公表の重大事故】電車内でモバイルバッテリーが発火し8人軽症|3人に一酸化炭素中毒の疑い シェーバー3件は濡れたUSB端子から発熱

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複数のUSB充電器とケーブルが絡み合うデスク周りの様子

消費者庁が2026年11月6日、消費者安全法に基づく重大事故等33件を公表しました。いちばん被害が大きかったのはモバイルバッテリー(資料上の表記は「リチウム電池内蔵充電器」)の1件で、埼玉県で電車の中でバッグに入れていたモバイルバッテリーが燃え、8人が軽症、うち3人に一酸化炭素中毒の疑いと書かれています。

同じ日に公表された重大製品事故(メーカーなどからの報告分)には、モバイルバッテリーの火災が5件と、USBで充電するパナソニックの電気シェーバー3件の原因が載りました。10月22日公表分に続き、スマートウォッチやイヤホンと同じリチウムイオン電池を積んだ製品の事故を中心に整理します。

電車の中でバッグのモバイルバッテリーが発火 8人が軽症

消費者安全法の資料(総務省消防庁から通知された分)に載った事故の内容は次のとおりです。

項目 内容
発生日・場所 2026年9月14日、埼玉県
状況 電車内でモバイルバッテリーをバッグに入れていたところ、製品と周辺を焼損する火災が発生
被害 8人が軽症、うち3人が一酸化炭素中毒の疑い
原因 製品に起因するのか、ほかの要因かも含めて調査中

このモバイルバッテリーは、10月14日に消費者庁が重大製品事故としても公表しています。どのメーカーの製品かは、今回の資料には書かれていません。

バッグの中での火災は、重大製品事故の資料にも東京都の1件(2026年10月6日発生)がありました。鞄に入れていたところ、製品と周辺を焼損する火災が起きたという内容で、こちらも原因は調査中です。充電していない、持ち歩いているだけの状態でも事故が起きていることになります。

リチウムイオン電池が燃えたときは、水をかけてよいのか、どこに逃げればよいのかで迷いがちです。消費者庁・NITE・東京消防庁が出している対処法を、先に一度読んでおくと動きやすくなります。

消防庁の製品事故22件のうち充電池入りは7件 自動車が8件

消費者安全法の資料では、生命・身体被害に関する消費者事故等として通知された事案が113件、うち重大事故等が33件でした。33件の内訳は、総務省消防庁に報告のあった製品事故が22件と施設事故が3件、地方公共団体等から通知された製品事故が1件と役務事故(介護・保育などのサービス)が5件、文部科学省と国土交通省からの通知が各1件です。

製品事故22件を、製品名で分けたのが次の表です。被害状況は22件すべてが「火災」でした。

製品 件数
リチウム電池内蔵充電器(モバイルバッテリー) 2件
スピーカー(充電式) 2件
バッテリー(リチウムイオン、電気掃除機用)/バッテリー(リチウムイオン、ファン付衣類用)/電気掃除機(充電式) 各1件
自動車(普通自動車4件・軽自動車3件・自動二輪車1件) 8件
草刈機/太陽電池モジュール/フードミキサー/照明器具/温水洗浄便座/エアコン/電気ケトル 各1件

充電池を積んだ製品は7件で、そのうち4件は事故内容に「充電中」と書かれています。福岡県のモバイルバッテリー(充電中に異音)、埼玉県の充電式スピーカー、千葉県のファン付き衣類用バッテリー、兵庫県の充電式掃除機です。

埼玉県の充電式スピーカーは、他社製の充電器とUSBケーブルに接続して充電中、火災警報器が鳴ったため確認すると、製品と周辺が焼損していたという事例でした(2026年10月4日発生)。付属品ではない充電器やケーブルの組み合わせは、重大製品事故の資料の滋賀県のモバイルバッテリー1件と、後述の電気シェーバー3件にも出てきます。

けが人が出たのは、電車内のモバイルバッテリーの1件のほか、普通自動車と草刈機の火災で各1人(軽傷)でした。また、事故情報データバンクに登録された参考情報には、大阪府でACアダプターでイヤホンを充電中に異臭がし、アダプターが変色・変形した事例も入っています。

重大製品事故ではモバイルバッテリーの火災が5件

重大製品事故の資料(消費生活用製品安全法に基づく報告分)は20件で、そのうち「製品起因か否かが特定できていない事故」14件にモバイルバッテリーが5件、スマートフォンが1件含まれていました。

発生日・場所 事故の内容
2026年8月22日
滋賀県
他社製の充電器とUSBケーブルに接続して充電中、火災報知器が鳴ったため確認すると製品と周辺が焼損
2026年9月30日
愛知県
事務所で充電中、異音がしたため確認すると製品と周辺が焼損
2026年10月3日
愛知県
異臭がしたため確認すると製品と周辺が焼損
2026年10月6日
愛知県
火災が発生し、現場に製品があった。出火元を含めて調査中
2026年10月6日
東京都
鞄に入れていたところ、製品と周辺が焼損

5件とも、製品に起因するのか、ほかの要因かも含めて原因は調査中です。愛知県の10月6日の1件は、メーカーなどが事故を知ってから国へ報告するまでの期限を過ぎていたため、事業者が厳重注意を受けています。スマートフォンの1件は静岡県で10月25日に起き、製品を焼損したという内容でした。

2本の資料は報告の経路が違うため、同じ事故が両方に載ることがあります。今回も、滋賀県と愛知県(9月30日)のモバイルバッテリーは、重大製品事故の資料の備考に「消費者安全法の重大事故等として公表済」と書かれています。

USB充電のシェーバー3件は濡れた差し込み口が原因 パナソニックがケーブルを無償交換中

今回、原因の見立てまで書かれたのが、パナソニックの電気シェーバー「ラムダッシュ パームイン」の3件です。2024年12月から2025年1月に東京都と栃木県で起きた火災で、当初は「製品起因か否かが特定できていない事故」として公表されていましたが、今回「製品起因が疑われる事故」に移りました。

品番 発生日・場所
ES-PV3A 2024年12月10日、東京都
ES-PV6A 2024年12月23日、東京都
ES-PV3A 2025年1月(日にちは不明)、栃木県

3件とも、他社製のUSBケーブルとACアダプターをつないで充電中に、製品とケーブルの接続部が溶けた事故です。資料では、水などを使う環境で使う製品なのに、USBの差し込み口に液体が入るのを防ぐ対策が十分に働かず、差し込み口に入った液体がもとで充電中にトラッキング現象が起きて発熱したと推定されています。トラッキング現象は、端子の間についた水分やほこりを伝って電気が流れ、熱が出る現象です。

9月10日公表分でも、同じパームインのES-PV6Aで、充電中に接続部が溶けた事故が載っていました。

パナソニックは2025年5月21日から、対象のシェーバーに付いていたUSBケーブルを、過熱保護機能付きのケーブルに無償で交換しています。濡れたまま充電しても、差し込み口の温度が上がったときに電流を抑えて発熱を抑えるケーブルです。

品番 製造期間・製造番号・台数
ラムダッシュ パームイン
ES-PV6A
2023年7月1日〜2024年5月9日
製造番号230701〜240509
94,747台
ラムダッシュ パームイン
ES-PV3A
2023年7月1日〜2024年5月9日
製造番号230701〜240509
90,058台
エントリーシェーバー3枚刃
ES-RT4AU
2023年3月1日〜2024年7月31日
製造番号230301〜240731
56,542台
エントリーシェーバー3枚刃
ES-RT1AU
2023年3月1日〜2024年7月31日
製造番号230301〜240731
132,622台

4品番で合計373,969台です。パームインは本体の底面に品番、外刃フレームを外した裏側に製造番号が書かれています。交換後のケーブルは、USB-C側のプラグに温度計のマークが入っています。パームインは2024年5月10日以降、エントリーシェーバー3枚刃は2024年8月1日以降に作られたものに、はじめから過熱保護機能付きのケーブルが付いています。

パナソニックは、USBの差し込み口が乾いた状態で充電すれば短絡は起きず、ケーブルの交換までそのまま使ってよいとしています。使うときや水洗いのときは、差し込み口のカバーをしっかり閉めるよう呼びかけています。受付はパナソニックのWebページとフリーダイヤル(0120-870-070、9時〜17時、土日祝日と同社の休日を除く)です。

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ティファールの電気ケトルは交換率15.1% 対象は約419万台

重大製品事故の資料で「特記事項」として取り上げられたのは、グループセブジャパンが販売したティファールの電気ケトルです。2026年9月9日に兵庫県と大阪府で、電源プラグの部分とその周辺を焼損する火災が起きました。特定の製造ロットで、電源コードの不適切な使い方によって電源プラグが壊れ、コンセントの近くで発火に至ったと考えられています。

同社は2025年9月16日から、対象の電気ケトル4,185,393台で電源プレートの無償交換を進めていますが、交換率は15.1%(2026年10月31日時点)にとどまっています。リコール対象の内容による事故は、今回の2件のほかに2025年度が3件、2026年度が5件です。

リコールが持ち主に届きにくいのは、ガジェットでも同じです。AnkerのモバイルバッテリーA1647は回収率46.0%、PowerCore 10000は39.6%でした。

持ち歩く電池と水回りの充電で確かめておくこと

今回の2本の資料から、手元でできることを挙げると次のとおりです。

・バッグに入れて持ち歩くモバイルバッテリーは、膨らみや異臭、いつもと違う熱さがないかをときどき見る
・充電中に異音や異臭がしたら、すぐに使うのをやめる
・シェーバーなど水回りで使う製品は、USBの差し込み口を乾かしてから充電する
・ラムダッシュ パームイン(ES-PV6A/ES-PV3A)とエントリーシェーバー3枚刃(ES-RT4AU/ES-RT1AU)は、製造番号を見てケーブル交換の対象か確かめる
・持っている製品がリコール対象でないか、消費者庁リコール情報サイトで型番を検索する

スマートウォッチもワイヤレスイヤホンもモバイルバッテリーも、中身はリチウムイオン電池です。これまでの公表分の集計や、リコール対象になったときの動き方は、下の関連記事で紹介しています。

Source: 消費者庁「消費者安全法の重大事故等に係る公表について(11月6日)」/消費者庁「消費生活用製品の重大製品事故:リコール製品で火災等(電気ケトル)(11月6日)」/パナソニック「メンズシェーバー 事故防止に向けた同梱USBケーブル交換のリコール実施」/件数は消費者安全法の資料の別紙(総務省消防庁通知分)をもとに管理番号単位で編集部集計

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