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Galaxy Watch Ultra2は、バッテリー容量800mAhという、スマートウォッチとしてはかなり大きい電池を積んでいます。ただ「最大80時間」といった公称値は条件つきの数字なので、実際に毎日着けているとどう減るのかは、使ってみないと分かりません。
そこで、貸出機を実際に日常で使いながら、残量を記録しました。結論から言うと、あまり出歩かない日は1日の終わりに65%前後、自転車と徒歩で動き回って18,000歩を超えた日でも夕方に50%という結果でした。
この記事はバッテリーに絞って書いています。装着感やカメラ、健康機能、交通系ICといったUltra2そのものの実力は、別の記事で詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。
Galaxy Watch Ultra2 実機レビュー|800mAh・最大80時間とダイビング対応、シリーズ最上位の実力を検証
まず公称値を確認しておく
サムスンが公開している駆動時間は、条件ごとに分かれています。
| 条件 | 公称の駆動時間 |
|---|---|
| 通常モード(常時表示オフ) | 最大80時間 |
| 常時表示オン | 最大60時間 |
| GPSを使用 | 最大約20時間 |
| GPXのルート案内+省電力モード | 最大約16時間 |
サムスンの公式サイトが見出しに掲げているのは常時表示オンの60時間のほうです。80時間という数字だけを見て判断しないほうがよさそうです。なお充電はGalaxy Watchシリーズで初めて急速充電に対応し、約30分で最大40%まで回復します。
測定の条件。あえてハンデを背負った状態で使った
今回の使い方は、電池には厳しめの設定で揃えています。
・バッテリー保護を有効にして、満充電にせず90%あたりで充電を止める
・常時表示はオン
・睡眠計測を毎晩実施
・運動の自動検出もオン
・省電力モードは使わない
いちばん効いているのが1つ目です。リチウムイオン電池は満充電のまま置かれる時間が長いほど傷みやすいので、長く使うことを考えるとこちらのほうが安心です。ただし使える容量はそのぶん1割ほど少なくなります。以下の数字は、その1割を捨てた状態のものだと思ってください。
あまり動かない日は、1日の終わりに65%前後
在宅で仕事をして、買い物に出る程度という日の残量は、1日の終わりで65%前後に落ち着きました。90%から始めているので、1日あたり約25ポイントの消費です。
このペースなら、90%から使い切るまで単純計算で3日以上。常時表示オンの公称60時間、つまり2日半という数字を上回っています。しかも満充電を避けて1割を捨てた状態での話です。
実機の表示も同じことを言っていました。残量58%の時点で「1日と13時間 残り」、そして「充電完了後の使用可能時間は約2日と17時間」と出ています。65時間という計算になり、公称の60時間より長い見積もりです。
1日中動き回った日は、夕方の時点で50%
いちばん電池を使った日の記録です。自転車と徒歩であちこち回り、歩数が伸びた日でした。

18,487歩を歩いた日の午後5時58分。右下の丸が電池残量で50%を指している。
時刻は午後5時58分、右下の丸が示す残量は50%。90%から始めているので、夕方までに40ポイント使った計算になります。
それでも半分残っています。寝るまでの数時間と、その晩の睡眠計測を賄うには十分な残量です。1日しっかり動き回っても、その日のうちに充電を探す場面にはなりませんでした。
その日、何をしていたのか
「よく動いた日」と書いても中身が分からないので、記録を並べておきます。この日はワークアウトを自分で開始した回数がゼロで、すべて自動で検出されたものです。

すべて「(自動)」と付いている。開始操作は一度もしていない。
| 時刻 | 種目 | 時間 | 距離 |
|---|---|---|---|
| 午前10:30 | ウォーキング | 16分41秒 | 1.2km |
| 午前11:34 | ウォーキング | 34分04秒 | 2.57km |
| 午後0:12 | ウォーキング | 46分38秒 | 3.21km |
| 午後2:48 | 自転車 | 6分17秒 | 表示なし |
| 午後2:58 | 自転車 | 5分34秒 | 表示なし |
| 午後3:07 | 自転車 | 9分29秒 | 表示なし |
| 午後3:18 | 自転車 | 22分46秒 | 表示なし |
| 午後4:21 | ウォーキング | 16分53秒 | 0.98km |
| 午後5:39 | 自転車 | 4分27秒 | 表示なし |
ウォーキングが4本、自転車が5本の合計9本。運動時間の合計は162分でした。1日の活動としては歩数18,706歩、活動時間244分、活動カロリー1,193kcal、総カロリー消費量2,236kcal、活動中の走行距離14.04kmという記録です。
これだけ動いて、夕方の時点で半分残っていたことになります。
何が電池を使っているのか
内訳も見ておきました。ここがいちばん意外な結果でした。

前回の充電完了以降、1日ぶんの内訳。
| 項目 | 割合 |
|---|---|
| Always On Display(常時表示) | 12.8% |
| One UI時計ホーム | 2.5% |
| Samsung Health | 2.2% |
| デュアルクロックインフォボード | 0.5% |
| SmartThings | 0.4% |
まず常時表示が12.8%で断然の1位です。2位のOne UI時計ホームが2.5%ですから、5倍の開きがあります。常時表示のオンとオフで公称値が20時間変わるのも納得の内訳でした。電池を節約したいなら、まずここを見直すのがいちばん効きます。
そして意外だったのがSamsung Healthが2.2%しかないことです。一日中、心拍を測り、睡眠を記録し、運動を9本も自動で検出し続けて、この数字でした。
健康機能をすべてオンにしておいても、電池はほとんど食われていません。健康機能が売りのスマートウォッチでは「全部オンにすると電池が持たない」という話をよく聞きますが、少なくともUltra2に関しては、電池を気にして健康機能を切る理由がありません。
その健康機能に何があるのかは、別の記事で一通り整理しています。
Galaxy Watchの健康機能がすごい|血管負荷・抗酸化指数・バイタルサインまで測れる。ただし自分で動かさないと測れないものがある
自動検出がGPSを使っていないから軽い
Samsung Healthの消費が小さい理由のひとつが、ここにあります。
先ほどの表をもう一度見てください。ウォーキングには距離が出ているのに、自転車には距離が出ていません。これは自動検出がGPSを使わず、歩数から距離を計算しているためです。ペダルを漕いでも歩数は増えないので、自転車では距離の出しようがないわけです。
GPSはスマートウォッチの電池をもっとも消費する機能のひとつです。公称値でも、GPSを使うと駆動時間が最大約20時間まで落ちます。自動検出はそれを使わずに運動を拾っているので、1日9本記録されても電池への影響が小さく済んでいます。
裏を返すと、走った経路や正確な距離を残したいなら、自分でワークアウトを開始する必要があります。そのときは電池の減りも変わってきます。着けているだけで積み上がる気軽さと、正確な記録は別物だと考えておくといいと思います。
もうひとつ、自動検出には知っておくとよい性質があります。歩数がいくら積み上がっても、心拍数が上がっていなければ心血管への負荷としては数えられません。
Galaxy Watchの「1日の有酸素運動負荷」とは? 18,706歩の日が「不足」だった理由|%の読み方と目標範囲
省電力モードは、使わなくて済む
設定画面で省電力モードを見ると、「健康機能が制限されています」という注意書きが添えられています。電池を延ばす代わりに、健康まわりの計測が止まるということです。
ただ、ここまで見てきたとおり健康機能の消費はもともと2.2%しかありません。切って得られるものが小さく、失うものが大きいので、この機種では省電力モードの出番はほとんどなさそうです。長時間のトレイルランやダイビングのように、GPSを回し続ける場面のための機能だと考えたほうが自然です。
充電にかかる時間。39%から90%まで1時間31分
減り方の次は、戻し方です。付属する充電器はこれだけです。

付属のワイヤレス充電器。ケーブル一体型の円盤で、置くだけで充電が始まる。
ケーブルと一体になった小さな円盤で、裏返した本体を載せるだけ。台座やスタンドはありません。かさばらないので、持ち歩くにしても財布より軽い荷物です。
実際に載せてみると、残り時間まで表示されました。

残量39%の状態。「90%まで1時間31分」と出ている。
残量39%の時点で「90%まで1時間31分」。51ポイント分を91分なので、1ポイントあたり約1分48秒という計算になります。
公称は「約30分で最大40%まで回復」ですが、これは残量が少ない状態からの数字です。リチウムイオン電池は満充電に近づくほど充電が緩やかになるので、39%から上を埋める今回のような場面では、公称ほどの速さは出ません。そこは差し引いて見ておくのが正確です。
ただ、この機種に関してはそもそも速さがあまり問題になりません。ここまで見てきたとおり充電は週2回で足りるので、1回1時間半なら、週あたり3時間ほど充電器に載せておけばいい計算です。毎晩の充電が要る機種と違って、入浴中や在宅仕事の合間に載せておけば終わります。
むしろ効いているのは、バッテリー保護をオンにしていると90%で止まることです。満充電まで待つ必要がないので、そのぶん充電器に縛られる時間も短くなります。
大きな電池のぶん重い。それでも着け心地は悪くない
ここまで良いことばかり書いてきましたが、当然の代償もあります。800mAhという大きな電池を積めば、そのぶん重くなります。
Ultra2の重さはストラップを除いて61.5g。同時発表のGalaxy Watch9が44mmで34.0gですから、倍近い重さです。「電池が持つ」という長所の裏側には、必ずこの数字がついてきます。

腕に着けた状態。右下の丸が電池残量で、この時点で72%。
ところが実際に着けてみると、この数字ほど重くは感じませんでした。角のない丸みを帯びたケースなので、着替えのときに袖口へ引っかかったり、手首の骨に角が当たったりということが起きません。四角いケースの大型モデルで手首が痛くなった経験がある方ほど、ここは意外に思うはずです。
つまりこの機種は、電池の余裕を、着け心地を犠牲にせずに手に入れているわけです。毎晩着けて寝ることが前提の健康機能を積んでいる以上、「持つけれど着けていられない」では意味がありません。そこが両立しているのが、このモデルのいちばん優れたところだと感じました。
まとめ。週2回の充電で足りる
実測をまとめます。
| その日の過ごし方 | 1日の終わりの残量 | 減った量 |
|---|---|---|
| あまり出歩かなかった日 | 65%前後 | 約25ポイント |
| 18,000歩超・運動9本が自動検出された日 | 夕方の時点で50% | 約40ポイント |
このペースなら、週に2回ほど充電台に載せれば足ります。毎晩の充電が前提の機種と比べると、睡眠計測を毎日続けやすいという違いが出てきます。夜に充電する必要がないので、寝ている間のデータが途切れません。
そして実用上いちばん大きいのは、バッテリー保護を使う余裕があることだと思います。
電池が心もとない機種だと、「劣化は気になるけれど、90%で止めると1日もたない」という理由で満充電にせざるを得ません。Ultra2は1割を捨てたうえで常時表示をオンにしても、動かない日なら3日近く走るので、この設定を最初から入れておけます。
800mAhという容量は、駆動時間そのものより「電池の使い方を選べる」という形で効いてくる、というのが使ってみての実感でした。
本記事はサムスン電子ジャパン株式会社から貸与を受けた製品をもとに執筆しています。製品はレビュー後に返却しており、掲載内容について同社の事前確認は受けていません。
この記事で使っているGalaxy Watch Ultra2はこちらです。
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