iPhone Duoは「折れるiPad mini」と考えると欲しくなる?|開いて7.6インチ対8.3インチ、価格は同容量でも約2.6倍。比較して分かる3つの違い

コラム・業界分析

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折りたたんだ状態のiPhone Duoが2台。左がスターホワイト、右がナイトスカイで、それぞれ背面のカメラと5.4インチのアウターディスプレイが見えている

iPhone Duoの実機に触れた人から、面白い比較が出てきました。

スペイン語圏でガジェットを扱うAdrián Santos氏(@techsantos)が、Apple Storeで開いたiPhone Duoを手にした動画とともに、「iPhone Duo vs iPad mini。でも最大の違いは、たぶん価格だと思う」と投稿しています(原文はスペイン語)。

言われてみれば、開いたiPhone Duoの見た目はiPad miniに近い。折りたたみスマホという新しいカテゴリを想像しにくい人にとって、「iPad miniが折れるようになったもの」と考えるのは、たしかに分かりやすい入り口です。

ただ実際に数字を並べると、この2台はけっこう違いました。そして氏の言うとおり、いちばん違うのは価格でした。

まず、並べてみる

iPhone Duoを手に持って比べたところ。左は閉じた状態で5.4インチのアウターディスプレイ、右は開いた状態で7.6インチのインナーディスプレイ

iPhone Duoは閉じて5.4インチ、開いて7.6インチ(画像:Apple)

公表されている数字を並べると、次のようになります。

項目 iPhone Duo iPad mini
画面 7.6インチ(開)
5.4インチ(閉)
8.3インチ
本体サイズ 117.8×164.6mm(開)
117.8×84.1mm(閉)
195.4×134.8mm
厚さ 5.2mm(開)
11.3mm(閉)
6.3mm
重量 254g 293g(Wi-Fi)
297g(Cellular)
ディスプレイ Super Retina XDR
(有機EL)
Liquid Retina
(IPS液晶・500ニト)
バッテリー
(ビデオ再生)
最大31時間
(開いた画面で)
最大10時間
通信 eSIM専用
音声通話に対応
Cellularモデルはデータ通信のみ
eSIM専用
チップ A20 Pro A17 Pro
価格 364,800円(256GB)から 99,800円(Wi-Fi 128GB)から

ここで先に押さえておきたいのは、画面の大きさです。開いたiPhone Duoは7.6インチで、iPad miniの8.3インチより小さい。折りたたみを開くと大画面になるというイメージがありますが、iPad miniには届きません。

本体サイズを面積で見ると、縦横の向きは違いますが、iPad miniのほうが36%ほど大きい計算になります。画面そのものの面積差はこれより小さいので、外形のほうが差は開きます。

それでも、薄くて軽いのはiPhone Duoのほう

ところが、持ち歩く道具としての数字は逆転します。

開いた状態のiPhone Duoは厚さ5.2mm。iPad miniの6.3mmより1.1mm薄いことになります。重さも254gで、iPad miniのWi-Fiモデル(293g)より39g軽い。

つまり開いたiPhone Duoは、iPad miniより一回り小さくて、薄くて、軽い。そして折りたためば117.8×84.1mm。日本のパスポート(125×88mm)よりひとまわり小さいサイズになって、ポケットに入ります。iPad miniは折りたためません。

この「折りたたむとポケットに入る」という一点が、7.6インチと8.3インチの0.7インチ差を引き受ける理由になっているわけです。

価格は、同じ容量で比べても約2.6倍

そして本題の価格です。

比べ方
最小構成どうし
iPhone Duo 256GB/iPad mini Wi-Fi 128GB
364,800円 対 99,800円
約3.7倍
同じ256GBで
iPad miniはWi-Fiモデル
364,800円 対 116,800円
約3.1倍
同じ256GBで
iPad miniはCellularモデル
364,800円 対 141,800円
約2.6倍

いちばん条件をそろえた比べ方は、いちばん下の行です。iPhone DuoはeSIM専用で単体で通信できるので、比べるならiPad miniもCellularモデルになります。それでも2.6倍です。

ただし、そろえたのは「単体で通信できる」ところまでです。iPad miniのCellularモデルはデータ通信専用で、電話番号を持って音声通話をすることはできません(近くにあるiPhoneを経由した通話のリレーには対応します)。この条件差も含めて2.6倍、という読み方になります。

言い換えると、iPad mini(Cellular・256GB)を2台買って、まだ8万円あまりが余る計算になります。もっとも、30万円級の折りたたみは買い方しだいで実質負担が変わるジャンルでもあります。

iPad miniにできて、iPhone Duoにできないこと

価格差の理由を考えるうえで、機能の差も見ておきます。

iPad miniにあって、いまのiPhone DuoにないのはApple Pencil Proへの対応です。iPad miniはApple Pencil ProとApple Pencil(USB-C)の両方に対応し、ホバー機能も使えます。

ただしこの差は縮まる見込みです。iPhone Duoも年内にApple Pencil(USB-C)へ対応する予定で、どちらの画面でもメモや書類への注釈ができるようになるとされています。

逆に、iPhone DuoにあってiPad miniにないものは分かりやすい。電話です。そしてカメラも違います。iPhone Duoは48MPを2つ積んでいますが、iPad miniの背面カメラは12MPです。

画面の中身も別物です。iPhone DuoはSuper Retina XDR、つまり有機ELですが、iPad miniはLiquid Retina(IPS液晶・500ニト)です。同じ「8インチ前後の画面」でも、黒の締まりやHDR表示の見え方は変わります。

バッテリーの持ちも差が出ます。ビデオ再生の目安は、iPhone Duoが開いた画面で最大31時間、iPad miniが最大10時間です(それぞれApple公表値で、測定条件は異なります)。

「iPad miniと考える」は当たっているのか

ここまでを踏まえると、この見立ての当たり方はこうなります。

手に持ったときの感覚としては、かなり近い。7.6インチと8.3インチ、254gと293g。開いたiPhone Duoを持つ体験は、iPad miniを持つ体験の延長線上にあります。「小さいタブレットが手元にある」という感覚は共通です。

ただし道具としては別物です。iPhone Duoは折りたためばスマートフォンになり、電話ができ、ポケットに入ります。iPad miniはその代わりに、より大きな画面とApple Pencil Proを持っています。

そのうえで価格が2.6倍。ここが決定的で、Santos氏の「最大の違いは価格」という見方は、数字で見ても正確でした。iPhone Duoの価格は、同じ日に出たiPhone 18 Proより145,000円高いという点でも際立っています。

まとめ

iPhone Duoを「折れるiPad mini」として捉えるのは、想像の入り口としては有効です。開いたときのサイズ感は近く、むしろiPhone Duoのほうが薄くて軽い。

一方で画面はiPad miniより0.7インチ小さく、価格は同容量のCellularモデルと比べて約2.6倍。Apple Pencil Proは使えません(USB-C版には年内対応予定)。その代わりに、折りたためばポケットに入り、電話ができ、48MPのカメラが2つ載り、画面は有機ELで、ビデオ再生は3倍持ちます。

「iPad miniが欲しい」で始まった検討なら、iPhone Duoは高すぎる選択肢です。逆に「iPhoneをこれ1台にまとめたい」から始まるなら、iPad miniは代わりになりません。同じ形をしていても、買う理由がまったく違う2台ということになります。

Source: Adrián Santos氏(@techsantos)のポスト/iPhone Duoの仕様はApple Newsroom(プレスリリース)、iPad miniの仕様と価格はApple「iPad mini 仕様」およびApple公式サイトより/画像はApple提供

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