Pixel Watch 5 の睡眠計測を使用レビュー|何が・どこまで見えるのか? 睡眠スコア84の朝にエナジースコアは31だった

枕元の照明がともる寝室で、腕に着けた Pixel Watch 5 の画面に「昨夜の睡眠 85 良い」と4時48分が表示されている実機写真

Pixel Watch 5 は2026年8月20日に発売されました。41mmが62,800円、45mmが67,800円で、LTEモデルは同じサイズより17,000円高くなります。発表時に前面に出ていたのも健康まわりの機能でした。

その実機を借りて、2週間ほど外さずに着けて過ごしました。睡眠は、寝ている間まで着けていないと数字が出ません。集まったデータが表示されるのは、Pixel Watch 5 とペアになる Google Health のアプリです。

そうして毎晩の記録を眺めているうちに、一晩だけ、どうにも説明のつかない画面に行き当たりました。アプリが同じ朝に、正反対のことを言っていたのです。

この記事では、Pixel Watch 5 の睡眠記録がどこまで見えるのかを、実際の画面と数字で順に追っていきます。

提供に関する注記 本記事で紹介したGoogle Pixel Watch 5は、ブランド側より貸与を受けて執筆しています。記事の内容は実際に使用したうえでの評価であり、提供元による内容の指定や事前確認は受けていません。

Pixel Watch 5 そのものの価格・前モデルからの違い・サイズの選び方は、それぞれこちらにまとめています。

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睡眠の記録は5本の帯に分かれる

9月4日の睡眠段階のタイムライン。0時44分から7時44分までが覚醒・寝付けない・レム・浅い・深いの5本の帯に分かれ、睡眠時間6時間49分とベッドにいた時間7時間0分・睡眠効率98%も表示されている

9月4日の夜の記録です。0時44分から7時44分までの7時間が、5本の帯に分かれています。

段階を足すと6時間49分にぴったり合う

内訳は覚醒状態10分、寝付けない状態9分、レム睡眠1時間27分、浅い眠り3時間51分、深い眠り1時間31分。

眠っていた3つを足してみます。87分+231分+91分で409分。表示されている睡眠時間6時間49分とぴったり一致します。ここは気持ちよく合います。

ところが覚醒10分と寝付けない9分を足すと428分、7時間8分。ベッドにいた時間は7時間0分なので、8分はみ出します。

就寝時刻が丸めた表示なのかもしれません。画面の数字を全部足すと、枠のほうが小さい。 あとで出てくる昼寝でも同じことが起きていました。

なお、浅い・深いという区分はノンレム睡眠の中の段階です。厚生労働省の用語辞典では、ノンレム睡眠は深さによって4段階に分けられると説明されています。腕時計はそれを2つにまとめて見せている、ということになります。

ベッドにいた時間と眠っていた時間は別に出る

起床直後に Pixel Watch 5 の画面へ出た睡眠スコア85「良い」。腕に着けたまま寝具の上で撮影

ここは親切だと思いました。腕元にもスコアが出るので、スマホを開く前にその日の出来が分かります。

布団にいた7時間に対して、眠れていたのは6時間49分。その割合を睡眠効率98%として出します。409分÷420分は97.4%なので、計算も合っています。

「7時間寝た」と思っている夜が、実際には6時間49分だった。 睡眠時間だけを追っていると気づけない差です。

睡眠スコア84の中身を開く

Google Healthの睡眠の質の画面。熟睡までの時間20分・熟睡2時間20分・寝付けない状態9分・中断5分の4項目すべてに「範囲内」が付き、基準は年齢と性別が同じ人の一般的な範囲と書かれている

この夜の睡眠スコアは84、判定は「良好」でした。添えられていた文はこうです。

「昨夜はしっかり休息できています。1日を元気に過ごすための基礎となる質の高い睡眠でした。」

スコアに影響する要素として並んでいたのは、たった2つです。睡眠時間が「良好」、睡眠の質が「4/4 が範囲内」。どちらも緑のチェックが付いていて、落ち度はゼロという判定になっています。

他社と粒度がだいぶ違います。Galaxy Watch では5つの要素がそれぞれ点数付きで並んでいましたが、こちらは2つに束ねて良否だけを付ける作りです。ひと目で読めるかわりに、どこがどれだけ効いたのかは分かりません。

「4/4」の中身は、熟睡までの時間20分、熟睡2時間20分、寝付けない状態9分、中断5分の4項目。これが揃って「範囲内」に入ったという意味です。

その「範囲」が何なのかも書いてあります。年齢と性別が同じ人の一般的な範囲です。自分の過去の平均ではなく、同年代・同性の一般値と照らしている。ふだん8時間眠っている人が6時間台で終わった夜でも、一般的な範囲に収まれば「範囲内」と出ます。自分にとって足りていたかは見ていません。

引っかかったのは、要素が2つとも満点扱いなのにスコアは84で止まることです。残りの16点がどこで引かれたのかは画面のどこにも書かれていません。足りなかったものが分からないので、スコアを上げにいく使い方はしづらいと感じました。

数字の食い違いもあります。ここでは熟睡が2時間20分ですが、タイムラインの深い眠りは1時間31分。同じ夜の別の画面に49分違う数字が並んでいて、対応関係は示されていませんでした。

睡眠スコア84の朝にエナジースコアは31

同じ9月4日のGoogle Healthの画面。左は睡眠スコア84「良好」、右はエナジースコア31「中」で、正反対の評価が並んでいる

ここが、この2週間でいちばん腑に落ちなかったところです。同じ9月4日のエナジースコアは31で、添えられた文は「ストレスと回復力が拮抗していますが、軽いアクティビティならこなせる状態です」。

同じアプリが、同じ日について、「質の高い睡眠でした」と「ストレスと回復力が拮抗」を同時に出しています。

そしてこの日、私は実際に体が重かったのです。熱もなく、咳も出ていない。それでも動けない。その状態が数字に出ていたという話は、別記事に書きました。

なぜ評価が割れたのかは、エナジースコアの要素を見ると分かります。心拍変動(HRV)が「通常より減少」、過去1週間の睡眠が「睡眠時間と規則正しさが十分」、安静時の心拍数(RHR)が「通常より増加」。

3つのうち、良い評価は睡眠だけです。 残りの2つが引き下げていました。エナジースコアの説明にも「運動、ストレス、病気からの身体の回復度を示します」とあるので、睡眠はその材料のひとつにすぎない、という構造です。

眠れていることと、回復していることは別だった。それが2つの画面の差になって出ていました。

ひとつ補足しておきます。この日のエナジースコアは、当日に見たときは25でした。9月中旬に同じ日を開き直すと31になっています。スコアは後から確定するようで、見た時刻によって数字が動きます。 当日の25で書いた記録は、そのまま残してあります。

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翌日は63まで戻った

翌日9月5日のエナジースコア63「中」。体が回復しワークアウトに適した状態と表示されている

翌日は63。判定は同じ「中」ですが、文章が「体が回復し、ワークアウトに適した状態です」に変わります。

心拍変動は「通常と同程度」に戻っていました。前の晩は8時間4分眠れていて、体感としても戻っていたので、そこは一致します。

ただし安静時の心拍数は「通常より増加」のままでした。3つが揃って戻るわけではなく、指標ごとに戻る速さが違う。ここは見ていて面白かった部分です。

夕方の昼寝も勝手に記録される

夕方の昼寝1時間32分が自動で検知され、深い眠り41分まで段階が分解されている画面

夜だけではありません。疲れが溜まっていた日の夕方、子どもの昼寝に付き合ってそのまま寝てしまいました。何も操作していないのに、16時45分からの1時間32分が段階まで分解されて残っていました。

内訳は覚醒2分、寝付けない7分、レム6分、浅い44分、そして深い睡眠が41分。1時間半の仮眠のうち45%が深い睡眠です。夜の睡眠でこの比率はまず出ません。9月4日の夜は7時間で1時間31分、2割ほどでした。疲れていた状態で寝ると、深い眠りが先にまとまって来る。 レム睡眠が6分しかないのも対照的でした。

なお、ここでも合計が枠を超えています。段階を全部足すと100分ですが、16時45分から18時19分までは94分、表示されている睡眠時間は1時間32分です。夜の8分、昼寝の6分。同じずれが2回出たので、この表示はそういうものだと考えたほうがよさそうです。

コーチは記録を読んだうえで答えてくる

昼寝について質問したときのコーチとのやり取り。実際の睡眠記録を参照した回答が返ってきている

この昼寝について、アプリのコーチに聞いてみました。身体の回復の面では有用なのか、と。

返ってきた答えは「16時45分から約1時間半」と、実際の記録を参照したうえでの説明でした。90分ほどの睡眠は深い睡眠のサイクルを1回分含められる、疲れが溜まっている時の仮眠はストレスホルモンのレベルを下げる、という話です。

そのうえで注意も付いてきました。18時過ぎまで寝ていたことで夜の睡眠圧がリセットされ、今夜寝付けなくなる可能性がある、と。最後は「今夜はいつも通りの時間に眠れそうですか?」と聞き返してきました。

質問した内容だけでなく、その先の夜まで見て答えているのが印象的でした。コーチの使い方と契約については、こちらにまとめています。

Google ヘルスコーチは無料? Pixel Watch 5 の AI コーチに聞けること|サブスク契約が必要と明言

週ごとのメールで落ちた週が見える

Google Healthから届く週ごとのメール(8月29日から9月4日分)。総歩数51,014、平均睡眠7時間22分

毎週、その週のまとめがメールで届きます。8月29日から9月4日の週は総歩数51,014、平均睡眠時間7時間22分。曜日の輪は月曜と木曜が緑で、目標を達成した日が2日ありました。

Google Healthから届く週ごとのメール(9月5日から9月11日分)。総歩数43,760、平均睡眠6時間53分

翌週は総歩数が7,254歩減って43,760、合計階数は68から16、平均睡眠時間は29分減って6時間53分。目標を達成した日は0日になりました。

ほとんどの指標が下がっているのですが、安静時の平均心拍数だけは67bpmから66bpmに下がっています。心拍数は低いほうが回復側の指標なので、方向が逆です。全部が同じ向きに動くわけではない、という例になりました。

1週だけ見ても「そういう数字が出ました」で終わってしまいます。2週並べると、落ちた週が形として見える。 毎週届くメールの価値はここだと思いました。

睡眠と食事の関係を大規模データで見た調査もあります。数字を眺める材料としてはこちらも面白いです。

よく眠れている人は朝食をしっかり食べていた|『あすけん』×Fitbitの睡眠データ38万件を統合解析、2学会で発表

睡眠中に取れているのは心拍数だけ

左は睡眠中の心拍数62bpmのグラフ、右は睡眠管理が身体信号から睡眠指標を推定すると説明している画面

睡眠の画面をいちばん下まで送ると「睡眠についての詳細」という欄があります。ここに入っていたのは睡眠中の心拍数のカード1枚でした。血中酸素や皮膚温、呼吸数はこの画面には出てきません。

開くとグラフになります。この夜の平均は62bpmで、基準線の安静時は68。比較は高いが0%、低いが100%で、一晩ずっと安静時を下回っていたという表示です。

説明文には「睡眠中の心拍数は、日中の安静時の心拍数よりも平均約4bpm低くなる傾向があります」とありました。この夜は6bpm低いので、傾向より深く下がっていたことになります。一方でエナジースコアの要素は「安静時の心拍数は通常より増加」でした。同じ心拍数の話が、片方では平常より高く、片方では平常より深く下がっている。どの数字と比べているかで話が変わるということだと思います。

判定は「推定」だと画面に書いてある

最後にひとつ、押さえておきたい部分があります。同じ画面の下に「睡眠管理」という説明があり、こう書かれています。

「睡眠管理では、デバイスが収集した身体信号を使用して睡眠指標を推定します。」

推定です。 レム睡眠や深い眠りの判定は、脳波を測って出しているものではありません。腕で拾える心拍や体の動きといった信号から、そう推定した結果が「レム睡眠1時間27分」という数字になって出ています。

スマートウォッチの指標が、どこまで実測でどこからが推定なのかを整理したレビュー論文もあります。

その数字は測定値か、推定値か|ミシガン大などのレビュー論文がスマートウォッチ15指標の信頼度を整理、消費カロリーは誤差±10〜20%超【研究レポート】

コーチの画面の下にも「コーチは AI であり、不正確な情報を表示することがあります。医学的なアドバイスではありません」と常に表示されています。医師の診断の代わりにはならない、という前提は Google 自身が繰り返し書いているところです。

まとめ

薄暗い寝室で腕に着けた Pixel Watch 5。画面に昨夜の睡眠スコアが表示されている

2週間つけて分かったことを並べます。

出てくる数字は細かい。 段階が5本、睡眠の質が4項目、それぞれに同年代・同性の標準範囲が付きます。ベッドにいた時間と眠っていた時間を分けて、睡眠効率まで出します。夕方の仮眠も勝手に拾います。

そのうえで、数字は揃わない。 段階の合計は枠を8分・6分はみ出し、深い眠りと熟睡には49分の差があり、要素が2つとも満点扱いなのにスコアは84で止まります。エナジースコアは当日と後日で25と31に変わります。

そして、睡眠の評価は体調の評価ではない。 睡眠スコア84「質の高い睡眠でした」と、エナジースコア31「ストレスと回復力が拮抗」が同じ朝に並びます。この2つを別のものとして読めるかどうかで、この腕時計の使い勝手は変わると思います。

体が重い日の理由を「寝不足」で片付けずに済んだのは、睡眠が良好だと出ていたからでした。よく眠れているのに回復していない日があると分かるだけでも、着けて寝る意味はあります。

数字を鵜呑みにせず、推定値として眺める。そのくらいの距離感がちょうどよさそうです。

Pixel Watch 5 の価格と購入先

Pixel Watch 5 は2026年8月20日発売で、41mmが62,800円、45mmが67,800円です。LTEモデルは同じサイズより17,000円高くなります。発表時の詳細は発表・発売の記事に、サイズの選び方は41mmと45mmの比較にまとめています。

サイズと通信方式の組み合わせは公式ストアで選べます。各ストアで在庫と価格、ポイント還元を見比べてみてください。

Google Storeで価格と在庫を見る

AmazonでPixel Watch 5を見る

楽天市場でPixel Watch 5を見る

Yahoo!ショッピングでPixel Watch 5を見る

Source: Google Health アプリ(Pixel Watch 5 で計測)

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