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消費者庁が2026年10月22日、消費者安全法に基づく重大事故等の公表資料を出しました。生命・身体被害に関する消費者事故等として通知された事案は119件、うち重大事故等は50件です。50件の内訳は、総務省消防庁に報告のあった製品事故が39件と施設事故が1件、地方公共団体等から通知された役務事故(介護・保育などのサービス)が10件でした。
製品事故39件を1件ずつ数えると、被害状況は全件が「火災」で、充電池を積んだ製品が20件と、およそ半分を占めていました。最多はモバイルバッテリー(資料上の表記は「リチウム電池内蔵充電器」)の10件です。さらに、9月10日公表分でも取り上げたオーディオテクニカのワイヤレスイヤホン「ATH-SQ1TW2」が、リコール中の製品として再び載っています。
製品事故39件のうち充電池入りは20件 モバイルバッテリーが10件で最多
別紙の一覧(総務省消防庁から通知された分)を製品名で分類したものが次の表です。
| 製品 | 件数 |
|---|---|
| リチウム電池内蔵充電器(モバイルバッテリー) | 10件 |
| イヤホン(コードレス式) | 2件 |
| ポータブル電源(リチウムイオン) | 2件 |
| 携帯電話機(スマートフォン) | 2件 |
| バッテリー(リチウムイオン)/タブレット端末/ノートパソコン/ヘアアイロン(充電式) | 各1件 |
ここまでで20件です。残る19件は、自動車が10件(普通自動車5件・軽自動車2件・自動二輪車3件)、二輪車用の電源アダプター、ACアダプター、ガスこんろ、ガストーチ、業務用の電気脱毛機、換気扇、防犯カメラ用の映像録画装置、電動アシスト自転車、自走式の電気掃除機が各1件でした。電動アシスト自転車と自走式の掃除機も電池で動く製品ですが、資料に電池の記載がないため、上の20件には数えていません。
件数は管理番号(通知)単位です。自動二輪車の1件と二輪車用の電源アダプターの1件は、資料上「同一事故」と注記されています。39件のうち、けが人が出たのは普通自動車の火災1件(軽傷1名)で、ほかは人的被害の記載がありません。
駐車中の車内でモバイルバッテリーとポータブル電源が火災
今回の資料で、置き場所について具体的に書かれていたのが車内の2件です。
ひとつは埼玉県の事例で、駐車場に停めた車の中にモバイルバッテリーを置いていたところ、異音とともに製品と周辺を焼損する火災が起きています(2026年8月31日発生)。もうひとつは香川県で、車両内でポータブル電源と周辺を焼損する火災が起きました(2026年5月28日発生)。どちらも、製品に起因するのか、ほかの要因かも含めて原因を調査中とされています。
ほかに充電の状況が書かれていたのは、東京都のタブレット端末の1件です。充電中に異臭がしたため確認すると、製品と周辺を焼損する火災が起きていたという内容でした(2026年3月29日発生)。スマートフォンの2件のうち東京都の1件は、事業所で使用中の火災です。
リチウムイオン電池の扱いについては、NITEが夏に事故が増えるとして「3つのC」で注意を呼びかけています。高温になる車内は、季節を問わず充電池入りの製品を置きっぱなしにしない場所のひとつです。
リコール中のATH-SQ1TW2で2件目の火災 リコール開始から約1年10か月後
備考欄に「リコールを実施」と書かれた製品での事故は、今回2件ありました。
| 製品 | リコール開始 | 事故発生日 |
|---|---|---|
| ワイヤレスイヤホン ATH-SQ1TW2(オーディオテクニカ) | 2024年11月15日 | 2026年9月27日(北海道) |
| ガストーチ ER-GSTH(イーラリー) | 2022年7月25日 | 2026年6月2日(東京都) |
ATH-SQ1TW2は、9月10日公表分にも2025年12月の発煙事故が載っていた製品です。今回の事故は北海道で起き、充電ケースの内蔵充電池の不具合により、充電時に充電ケースが発煙・発火したものと考えられるとされています。リコールの開始から約1年10か月が経っての火災で、10月16日には消費者庁が重大製品事故としても公表しています。
ガストーチのER-GSTHは、使用中に製品と周辺を焼損した事故で、製品からガスが漏れて火災に至ったものと考えられるとされています。こちらはリコールの開始から約3年10か月後の事故でした。
リコールは告知しただけでは持ち主に届かないことが、ここ最近の公表でも続いています。AnkerのモバイルバッテリーA1647は回収率46.0%、PowerCore 10000は39.6%にとどまっていました。
ATH-SQ1TW2の対象は製造番号2322〜2426 充電ケースを無償で交換
オーディオテクニカのお知らせによると、対象は2023年7月4日から2024年11月8日に販売されたATH-SQ1TW2のうち、製造番号が2322〜2426のものです。対象台数は44,600台で、6色すべてが含まれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の色 | GR(フォレストグリーン)、BK(ジェットブラック)、CA(カフェラテ)、NRD(ネイビーレッド)、PBW(ピンクブラウン)、WH(ピュアホワイト) |
| 型番の確認 | 充電ケースの底面に「ATH-SQ1TW2」と記載 |
| 対象かどうかの確認 | 充電ケースの蓋を開けた内側にある4桁の製造ロットラベルが2322〜2426なら対象。範囲外のものと、4桁の数字のあとに「B」の表示があるものは対象外 |
| 対応 | 充電ケースの無償交換 |
| 受付 | インターネット(24時間)、専用コールセンター 0120-768-774(月〜金 9:00〜17:30) |
対象製品を持っている場合は、充電ケースへの充電と、イヤホンへの充電をやめるよう呼びかけられています。受け付けると代わりの充電ケースが宅配便で届き、手元の充電ケースは、代わりのケースが入っていた金属製の缶に入れて、同じ段ボール箱で着払いで送り返す流れです。返送する箱には充電ケースだけを入れ、イヤホンや充電ケーブルは入れないよう案内されています。
手元で今日できる確認
今回の39件から読み取れることを、行動に落とすと次の4点になります。
・モバイルバッテリーやポータブル電源を、駐車中の車内に置いたままにしない
・充電中に異臭や異音がしたら、すぐに使用をやめる
・ワイヤレスイヤホンの充電ケースは、底面の型番と蓋の内側のロット番号を一度見ておく
・持っているモバイルバッテリーやイヤホンがリコール対象でないか、消費者庁リコール情報サイトで型番を検索する
手放したいモバイルバッテリーやイヤホンは、他社製や膨らんだものまで店頭で回収する取り組みも始まっています。
スマートウォッチもイヤホンもモバイルバッテリーも、中身はリチウムイオン電池です。リコールの探し方や、これまでの重大事故の集計は、下の関連記事で紹介しています。
Source: 消費者庁「消費者安全法の重大事故等に係る公表について(10月22日)」/オーディオテクニカ「ATH-SQ1TW2 充電ケース無償交換のお知らせとお詫び」/件数は同資料の別紙(総務省消防庁通知分)をもとに管理番号単位で編集部集計
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