古川デジタル大臣が記者会見でサイバー攻撃の緊急対策を来週中に取りまとめと報告|総理の指示は4点 2次被害の防止も呼びかけ

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手袋をした手でノートパソコンを操作する不審な人物の俯瞰

デジタル庁は2026年10月29日、古川デジタル大臣が10月27日に開いた記者会見の要旨を公開しました。古川大臣はサイバー安全保障担当大臣として、10月26日に開かれたサイバーセキュリティに関する関係閣僚会議の内容を報告し、来週中をめどに「緊急対策パッケージ」を取りまとめる方針を示しました。会見はデジタル庁の会見室とオンラインで、9時9分から9時23分まで行われました。

記者の質問には、個人情報が大量に流出している現状について「2次被害の防止、これ非常に重要でございます」と答え、国民に基本的な対策を呼びかけたいと話しました。このほか、AI法を含む制度の見直しの議論や、科学技術・宇宙政策の視察についても報告しています。

会見の動画はデジタル庁の公式YouTubeで公開

会見の様子は、デジタル庁の公式YouTubeチャンネルで公開されています。

サイバー攻撃への「緊急対策パッケージ」を来週中にまとめる

10月26日、総理大臣官邸で、高市総理大臣が出席し、木原官房長官を議長とするサイバーセキュリティに関する関係閣僚会議が開かれました。古川大臣によると、国内の事業者などを狙ったサイバー攻撃で大規模な情報漏えいが相次ぎ、漏えいした情報を悪用した2次被害も起きていることから、これまでの取り組みに加えて、さらなる対策を検討するために開かれたものです。

会議では、高市総理から次の4点について具体的な指示がありました。

総理の指示
被害企業などに対する支援の強化
情報集約体制の強化・的確な情報発信
アクセス・無害化措置などの対処オプションの戦略的な実施
システムの脆弱性の検証

これを受けて、来週中をめどに「緊急対策パッケージ」を取りまとめることになりました。古川大臣は、関係大臣と連携して必要な対策を速やかに具体化すると述べています。「アクセス・無害化措置」は、攻撃に使われているサーバなどに政府がアクセスして無害化する仕組みで、能動的サイバー防御の解説記事で詳しく紹介しています。

今の課題は事案の分析とAIを使った脆弱性の診断

記者から、能動的サイバー防御などの体制が広がるなかで今足りないものは何かと問われ、古川大臣は2つの点を挙げました。

1つ目は情報の収集と分析です。サイバー対処能力強化法にもとづいて10月1日に作られた官民協議会で事案を共有してもらい、不正アクセスのパターンを解析して、有効な防御の方法を考えていくことが重要だとしています。

2つ目はAIへの対応です。高性能のAIが使われたのではないかと疑われる事案の報告も受けているとして、政府機関だけでなく民間でも「AIを用いた脆弱性の診断」ができるかどうかを含め、取り組みを一つずつ積み上げていくと話しました。費用がかかるため難しい面もあるとしたうえで、情報を共有して脆弱性に適切に対応していくことが重要で、まだその途中だと述べています。

個人情報の大量流出で2次被害の防止を呼びかけ

古川大臣は、個人情報が大量に流出しているという報告を受けていて、国民に不安を与えていると述べました。そのうえで2次被害の防止が重要だとして、基本的な取り組みを国民にお願いし、呼びかけていきたいと話しています。会見では具体的な対策の中身には触れていませんが、10月6日の会見では、パスワードの使い回しをやめることや多要素認証の設定などを呼びかけていました。その内容は10月6日の会見の記事で紹介しています。

GMOインターネットグループの件は個別の回答を控える

GMOインターネットグループの代表が、能動的サイバー防御の適用を要請したとブログで表明した件についても質問がありました。古川大臣は、同社へのサイバー攻撃と被害の状況、同社のお知らせについては承知しているとしたうえで、個別のサイバー攻撃の事案について政府の対応状況を知らせることは控えると答えました。

一般論としては、政府は被害を受けた組織から情報提供を受け、事情に応じて必要な支援や措置をとるとしています。今後は10月1日に設立された官民協議会で一連のサイバー攻撃の情報を共有し、従来の注意喚起に加えて、新たに導入されたアクセス・無害化措置を含む手段を組み合わせ、国や重要インフラへの被害を未然に防ぐと述べました。

AI法を含む制度の見直しを話し合うワーキンググループが10月28日に始動

古川大臣は人工知能戦略担当大臣として、10月26日に開かれた「人工知能戦略専門調査会」の第7回会合について報告しました。人とAIが協働する「日本AX」をどう実現するか、日本の現場力や知識をAIでどう価値につなげるか、その前提となる「信頼できるAI」をどう確保するかが話し合われました。

AI法を含む制度の見直しについては、10月28日に「制度の在り方検討ワーキンググループ」の第1回会合を開き、議論を深めるとしています。「2030年のAXの具体像」と政策の在り方は、年末までに示す予定です。会見の日には、サイバーセキュリティへの懸念が高まっていることを踏まえ、AIセーフティ・インスティテュート(AISI)を視察する予定だとも話しました。古川大臣のAI政策の考え方は、就任時の会見の記事で紹介しています。

そのほかの報告と質疑 つくばの視察・防衛装備庁の研究公募・女性研究者賞

科学技術政策と宇宙政策の担当として、10月26日に茨城県つくば市の産業技術総合研究所(産総研)とJAXA筑波宇宙センターを視察したことも報告しました。産総研では量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)で量子コンピュータなどを、JAXAでは月面で使う有人与圧ローバーの実物大の展示や、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の運用管制室などを見たとしています。

質疑では、防衛装備庁の研究公募に大学からの応募がこれまでの倍以上、全体で160件に増えたことについて聞かれました。古川大臣は、応募の詳細は所管外として承知していないとしつつ、デュアルユースの研究開発に大学が参加していることは重要だと答え、医療ロボット「ダビンチ」がデュアルユースから始まったことや、モデルナのメッセンジャーRNAの研究が米国のDARPAから予算を受けていたことを例に挙げました。

科学技術振興機構(JST)の「輝く女性研究者賞」に東京大学の高木里奈氏と高木悠花氏が選ばれたことについては、祝意を述べたうえで、女性研究者が活躍しやすい研究環境の整備を関係省庁と連携して進めると話しました。

サイバー攻撃への緊急対策パッケージは、来週中をめどにまとめられる予定です。不正アクセスや情報漏えいへの備えについて、これまでの発表は下の記事で紹介しています。

Source: デジタル庁「古川大臣記者会見(令和8年10月27日)」

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