AirPodsのヘッドトラッキングでマウスを動かすツールが公開|Linux用 AirPods 3にも対応しClaude Codeが解析【海外ニュース】

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AirPods Pro 3の本体とケースを木製デスクに並べたところ

AirPodsを耳に着けたまま首を動かすと、パソコンのマウスカーソルが動く。そんなツール「MousePods」が、2026年11月にGitHubで公開されました。Linuxのパソコンで、AirPods(第3世代)とAirPods Proのヘッドトラッキング(頭の動きのセンサー)を読み取り、頭の向きをカーソルの動きに変えるツールです。米AppleInsiderが11月7日に伝えました。

MousePods by Matteo Gaudioso (starman-tech)

作ったのはMatteo Gaudioso(マッテオ・ガウディオーソ)氏です。これまで公開されていたツールは、どれもAirPods(第3世代)の頭の動きを読み取れていませんでした。同氏はAnthropicのAIコーディングツール「Claude Code」と一緒に、半日でその仕組みを調べ上げたとしています。Apple製品をApple以外の機器で使えるようにする試みは、Apple WatchとAndroidをつなぐ非公式ツールでも出ています。

※アイキャッチの写真はAirPods Pro 3です。

AirPods(第3世代)とAirPods Proの頭の動きでカーソルが動く

MousePodsは、AirPodsの中にある加速度センサーとジャイロセンサーのデータをBluetoothで受け取り、パソコンのカーソルを動かすツールです。AirPodsの頭の動きのセンサーは、ふだんはiPhoneやMacで空間オーディオの向きを合わせたり、うなずきでSiriに答えたりするのに使われています。

公開されたページによると、動かし方は3つあります。

・マウス:頭を左右に回したり傾けたりすると、カーソルが動く。イヤホンを手に持って振ってもよい
・ポインター:画面の角に向けて合わせておき、レーザーポインターのように画面を指す(実機では未検証)
・グライド:イヤホンを机の上で滑らせて、マウスのように使う(試験的な機能)

クリックは、イヤホンの軸を押す、頭を素早く傾ける、カーソルを止めて待つ、の3通りから選べます。センサーのデータは、AirPods(第3世代)で最大約210Hz、AirPods Pro 2で約100Hzの速さで届くとしています。フライトシミュレーターなどのゲームで、頭の向きに合わせて画面の視点を動かす使い方にも対応しました。

おまけの機能として、Garminのスマートウォッチをマウス代わりにする仕組みも入っています。手首を傾けるとカーソルが動き、ウォッチを2回たたくとクリックになります。ただし、ウォッチからリアルタイムで取れるのは加速度だけで、約25Hz・約0.2秒の遅れがあるため、ゲームには向かないと作者は書いています。

AirPods(第3世代)はProと別の方法で動きのデータを送っていた

これまでもLinuxでAirPodsの機能を使えるようにするオープンソースのツールはありましたが、AirPods(第3世代)の頭の動きは「未対応」か「未検証」のままでした。MousePodsのページでは、その理由を3つ挙げています。

・AirPods Pro 2・Pro 3やAirPods 4が使う動きのデータの送り方に、AirPods(第3世代)は応じない
・AirPods(第3世代)は、センサーを仮想の入力機器(HID)として見せる「RemoteHID」という別の仕組みでデータを出している
・Linuxの初期設定では、一度に送れるデータの大きさ(MTU)が672と小さく、動きのセンサーそのものが知らされない。iOSと同じ2582に広げると現れる

AppleInsiderによると、MTUが小さいままだと音のデータと動きのデータの両方は収まらず、動きのデータが外されていました。MTUを広げたところ、頭の動きのデータがBluetoothで流れ始めたといいます。作者は、RemoteHIDの仕組みを公開の資料としてまとめたのはこれが初めてだとしています。

Claude Codeが約300回の失敗を重ねて半日で解析

作者によると、解析は1日の午後で終わりました。Claude Codeは、Bluetoothでの問い合わせと、うまくいかなかった約300回の試行を受け持ちました。途中で、AIのエージェントをいくつか裏で動かし、Linux向けの既存ツール「LibrePods」、通信を解析するWiresharkの資料、互換品のファームウェア、iOSの部品(RemoteHID.framework)を手分けして調べさせています。AppleInsiderによると、答えを見つけたのは、iOSの部品を調べていたエージェントでした。

その後、カーソルを動かすプログラムと設定アプリ、自動テストもClaude Codeが書きました。作者自身は、AirPodsを手に持って判断を下し、すべての結果を実機で確かめたとしています。失敗も含めたすべての試行の記録も公開されています。

Linuxのパソコン専用 AirPodsのファームウェアは書き換えない

MousePodsが動くのはLinuxのパソコンだけで、MacやWindows、iPhoneでは使えません。動かすには、Bluetoothの仕組み「BlueZ」が入ったLinuxと、Python 3.10以降が必要です。管理者の権限は要りません。

実機で確かめたのは、AirPods(第3世代)とAirPods Pro 2です。AirPods(第2世代)、初代AirPods Pro、AirPods Maxは未検証としています。AirPods(第3世代)はケースに入れるとセンサーの電源が切れるため、ケースごとマウスにすることはできません。

AppleInsiderは、MousePodsが変えるのはLinuxのパソコン側の設定で、AirPodsのファームウェアには手を入れないと伝えています。試してもAirPodsが使えなくなったり、保証が受けられなくなったりする作りではないとしています。プログラムはApache 2.0、調べた結果の資料はCC BY 4.0のライセンスで公開されており、誰でも使えます。なお、MousePodsはAppleとは関係のない個人のプロジェクトです。

AppleInsiderは、7月に出たAirPodsをフリスビーに取り付けて回転数や投げた速さを測るiPhoneアプリ「Kinapod Disc」も、AirPodsのファームウェアに手を入れない使い方の例として挙げています。

AirPodsの中のセンサーは、Appleの製品の外でも使い道が広がりそうです。AirPodsの聞こえのチェックや、Apple製品をApple以外の機器とつなぐ話題は、下の記事でも紹介しています。

Source: AppleInsider、MousePods by Matteo Gaudioso (starman-tech)

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