Table of Contents
Googleが日本時間9月24日、Google Healthアプリの新機能「Health Guardian」の提供を始めたと発表しました。血圧の傾向、インスリン抵抗性の傾向、睡眠中の呼吸の質という3つの指標が、今週からアプリで設定できるようになります。
SWLではPixel Watch 5 の実機レビューで、この機能を「2026年秋の提供開始予定」として扱っていました。2週間着けても項目が見当たらなかったものが、ようやく動き出した形です。
なお日本での提供開始については、今回の発表では案内されていません。ただし注記に日本向けの名称が書かれているため、対象の地域としては想定されていることが分かります。動きがあれば追記します。
![]()
提供が始まった3つの指標
Googleは Health Guardian を「先を見越した健康と安全のためのツール」と説明しています。いずれもその場の数値を出すものではなく、時間をかけて体の変化を追う作りです。
| 指標 | Googleの説明 |
|---|---|
| 血圧の傾向 (blood pressure trends) |
体が血液を送り出すために、必要以上に働き続けていないかを見る |
| インスリン抵抗性の傾向 (insulin resistance trends) |
体が血糖を処理するために、必要以上に働いていないかを見る |
| 睡眠中の呼吸の質 (sleep breathing quality) |
睡眠中の血中酸素の細かな動きを追う |
Googleは、これらが臨床研究にもとづくもので、バックグラウンドで動き続けながら「わずかな生理的変化を時間をかけて捉える」と書いています。
対応機種は Pixel Watch 3・4・5 Fitbit Air は年内で有料
Pixel Watch 3、4、5 では追加費用なしで使えます。最初の傾向レポートが届くのは10月初旬です。
一方 Fitbit Air では、インスリン抵抗性と血圧の傾向がGoogle Health Premium の加入者向けに年内に提供されるとしています。こちらは有料です。
対応機種については、Pixel Watch 5 の発表時には「過去世代の Pixel Watch にも展開できないか検討している」という説明にとどまっていました。今回 Pixel Watch 3 まで遡ることが確定したことになります。
届くのは毎月1日 装着日数に条件がある
ここは実際に使ううえで効いてくる部分です。血圧とインスリン抵抗性の傾向は毎月1日に届きます。ただし、それぞれに最低限の装着日数が決められています。
| 指標 | 必要な装着日数 |
|---|---|
| インスリン抵抗性の傾向 | 1か月のうち7日以上 |
| 血圧の傾向 | 1週間のうち5日以上連続 |
血圧のほうは「連続」という条件が付きます。平日だけ着けて週末は外す、という使い方だと満たせない週が出てきそうです。
![]()
新しいセンサーは積んでいない
今回の発表に、新しいセンサーの話は出てきません。
Pixel Watch 5 の睡眠計測を使ったレビューでも触れていますが、これらの指標は心拍、心拍変動、加速度計といった、すでに載っているセンサーのデータから算出されるものです。Pixel Watch 3 まで対応が広がったのも、そのためと考えると筋が通ります。
![]()
欧州だけの「呼吸の緊急事態検出」はFDAの審査を受けていない
Health Guardian には、もうひとつBreathing Emergency Detection(呼吸の緊急事態検出)という機能が含まれます。Googleは「この種のものとしては初めて」としています。
血中酸素が大きく下がった場合に、自動で緊急通報を促す仕組みです。対象は Pixel Watch 4 と 5 で、提供されるのは欧州の一部の国だけです。
この機能についてGoogleは、注記でこう明記しています。
「Breathing Emergency Detection は FDA の認可を受けておらず、評価も受けていない。本製品は EU で CE マークを取得している。一部の欧州市場の利用者が対象である」
どの国で使えるかは書かれていません。日本については言及がありません。
日本では名前が変わる
今回の発表で目を引くのが、免責の注記に日本向けの名称が書き添えられていることです。
| 英語での名称 | 日本・メキシコでの名称 |
|---|---|
| blood pressure trends | Vascular Stress / Vascular Stress Trends(血管ストレス) |
| insulin resistance trends | metabolic stress trends(代謝ストレス) |
SWLでもこれまで「血管ストレストレンド」「代謝ストレスレベルトレンド」という呼び方で書いてきました。日本向けの表記と一致しています。
同じような指標の名前が国によって変わるのは、今回が初めてではありません。Galaxy Watchでは逆のことが起きていて、米国で「血管負荷(Vascular Load)」が提供終了となり「血圧トレンド」に置き換わりました。Googleは日本で血圧という言葉を外し、サムスンは米国で血圧という言葉を入れた形です。
ただし日本で今週から使えるようになったのかは、今回の発表からは読み取れません。Googleは「提供状況は地域や国、デバイスによって異なり、サブスクリプションが必要な場合がある」としているだけで、対象国の一覧は示していません。日本語版の発表も、本稿の執筆時点では出ていませんでした。
できないとはっきり書かれていること
Googleは注記で、この機能が何でないかを長く書いています。ここは読み飛ばさないほうがいい部分です。
・一般的なウェルネスと情報提供が目的であること
・病気の診断、治療、治癒、予防を目的としたものではないこと
・専門家の医療上の助言に代わるものではないこと
・糖尿病、高血圧、睡眠時無呼吸症候群それぞれの事前スクリーニングではないこと
・リアルタイムの臨床的な測定値を出すものではないこと
・薬や治療計画の調整に使ってはいけないこと
・妊娠中の人は使用の対象外であること
インスリンの効きにくさを示す指標が腕時計から出てくると、つい健康診断の代わりのように感じてしまいます。Googleはそれをはっきり否定しています。
この「気づき」がどこにつながるのかという点は、睡眠時無呼吸の潜在患者が940万人いるのに治療に至っているのは73万人という話とも重なります。数字が出ること自体より、そのあと何をするかのほうが難しい部分です。
まとめ
発表の要点をまとめます。
Google Health アプリで Health Guardian の提供が始まりました。血圧の傾向、インスリン抵抗性の傾向、睡眠中の呼吸の質。この3つを今週からアプリで設定できます。Pixel Watch 3、4、5 では追加費用がかからず、最初のレポートは10月初旬に届きます。Fitbit Air は年内に、Google Health Premium の加入者向けとなります。
傾向が届くのは毎月1日で、インスリン抵抗性は月7日以上、血圧は週5日以上連続の装着が必要です。欧州の一部では呼吸の緊急事態検出も加わりますが、こちらはFDAの審査を受けていません。
日本での提供開始については、今回の発表では案内されていません。ただし注記に日本向けの名称が書かれているため、対象の地域としては想定されていることが分かります。動きがあれば追記します。
Source: Google(公式ブログ)
画像:Google(1枚目)、編集部撮影(2枚目以降)
あわせて読みたい関連記事
今回提供が始まった機能を、実機で2週間探した記録です。
Google Pixel Watch 5 実機レビュー|健康機能で業界最高峰のモデル Androidでいまの一番手
Health Guardian が初めて明らかになった発表の記事です。
Google Pixel Watch 5 が発表|41mm 62,800円・45mm 67,800円で8月20日発売、血管と代謝のトレンドを追う Health Guardian を搭載
睡眠中の呼吸をどこまで見られるのかは、こちらで実際に試しています。
Pixel Watch 5 の睡眠計測を使用レビュー|何が・どこまで見えるのか? 睡眠スコア84の朝にエナジースコアは31だった
同じような指標が国によって扱いを変えられた例です。
Galaxy Watchの「血管負荷(Vascular Load)」が米国で提供終了へ|One UI 9 Watchで「血圧トレンド」に置き換え
その血管負荷が日本ではどう見えていたかの検証です。
Galaxy Watchの「血管負荷」とは? 睡眠中に自動で測る仕組みと結果の読み方|米国では提供終了、日本のGalaxy Watch Ultra2では使えた
各社で呼び名も尺度もばらばらな現状を整理しました。
Apple Watchの「準備度(レディネス)」とは何か|0〜10のスコアの中身と、各社バラバラな呼び名・尺度、そして信じすぎてはいけない理由
その数字のあと何が起きるのかを追った記事です。
睡眠時無呼吸の潜在患者940万人に対し、CPAP治療は73万人|スマートウォッチの「気づき」はどこで止まっているのか
はじめての方・記事の探し方に迷った方へ
記事が多くて迷ったら、
記事の探し方ガイド
から目的別に読めます。










