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Apple Watchで測ったデータは、iPhoneの「ヘルスケア」アプリに全部たまっていきます。ただ、あの画面を開いて「で、自分はどうなんだろう」と分かった気になれた人は、そう多くないはずです。数字は並ぶけれど、意味を教えてはくれません。
その部分に手を入れる刷新版のヘルスケアアプリと、たまったデータをもとに助言をくれるAIヘルスコーチ。この2つが、1年近く「もうすぐ出る」と言われ続けたまま登場していません。
9月9日にはApple Watch Series 12とUltra 4が控えています。ここで一緒に出てくるのではないか、と海外メディアの9to5Macが可能性を検討しています。根拠になっているのは、Appleが過去に3回やっている「9月発表」という前例です。
刷新版ヘルスケアアプリは、1年近く足踏みしている
まず経緯を整理します。この刷新は当初、iOS 26.4で投入される計画だと報じられていました。ところが延期され、次はiOS 27だと見られるようになります。そのiOS 27も発表を終えましたが、刷新版は姿を見せていません。
途中で計画そのものも変わりました。AIヘルスコーチは社内で「Project Mulberry」と呼ばれていた構想ですが、Appleのヘルス部門をEddy Cue氏が引き継いだ後、規模が縮小されたと伝えられています。この縮小と、iOS 27のサイクル後半までずれ込む見通しについては5月の時点でお伝えしましたが、そこからさらに数か月が経った形です。
つまり今回の話は「新しいリーク」ではありません。予定が後ろにずれ続けているものが、次の節目で出てくるのかどうか、という見立てです。
Appleには「9月に健康機能を出す」前例がある

ソフトウェアの新機能は6月のWWDCで出そろうもの、という印象があります。9to5Macが指摘しているのは、健康機能に関してはそうとは限らない、という点です。
実際に挙げられているのが次の3つです。
・watchOS 9の低電力モード(2022年9月)
・watchOS 11の睡眠時無呼吸の検出(2024年9月)
・watchOS 26の高血圧の通知(2025年9月)
いずれも最新ハードウェアを必須としない機能でありながら、6月ではなく9月のイベントで発表されています。睡眠時無呼吸の通知は今では定番の機能のひとつですが、これも当時は9月に突然出てきた機能でした。
新しいApple Watchと一緒に健康機能を見せたほうが、話題としてまとまりがよい。そういう判断がAppleの側にあるのだとすれば、今年も同じ形を取る可能性はあります。
Gurman氏は「WWDCでは出ないかもしれない」と書いていた
もうひとつの根拠が、BloombergのMark Gurman氏の報道です。WWDCの前の時点で、同氏はこの刷新について次のように書いていました。
Appleのヘルスケアアプリには一連の新しいAI機能が加わる。もともとは社内で「Mulberry」と呼ばれた包括的なヘルスコーチサービス向けに計画されていたもので、その構想は縮小された。血糖関連のトラッキングの改善や、デバイスのカメラを使って運動の様子をモニタリングする機能が含まれる。これらはiOS 27の最初のリリースには入らない見込みで、AppleはWWDCより後の日程で発表する可能性もある。
実際にWWDCでは出ませんでした。watchOS 27の主役は心拍トラッキングの強化で、AIヘルスコーチは見送られる見通しだと5月の時点で報じられていたとおりの結果です。
裏を返せば「WWDCの後に発表する場」として最初に来るのが9月のイベントということになります。9to5Macが9月の可能性を挙げているのは、この2つを合わせた読みです。
分かっているのは「AIコーチ」と「カメラ」の2つ
噂の内容は情報源によって揺れていますが、繰り返し出てくる要素は絞られています。
ひとつは、ヘルスケアアプリにたまったデータをもとに助言をくれるAIヘルスコーチ。もうひとつは、iPhoneのカメラを使って運動のフォームなどをその場で見てもらえる機能です。加えて、データを読み解きやすくするヘルスケアアプリの新しいデザインも伝えられています。Gurman氏の報道にあった血糖関連のトラッキング改善も、この一群に含まれます。
この方向自体は、業界の流れに沿ったものです。GoogleはすでにAIヘルスコーチをApple Watchのユーザーにも開放していますし、WHOOPやOura、Fitbitも助言機能を実装済みです。「測る」までは各社そろい、その先の「読み解いて伝える」ところで差がついている段階に入っています。
単独サービス「Health+」の構想は縮小された
一時期は、医師が出演する動画などを含む「Health+」という有料サービスとして展開されるという話も出ていました。これについては、単独サービスにするのではなく、通常のヘルスケアアプリの中に機能として組み込む方向へ変更されたと報じられています。
利用者から見れば、こちらのほうが分かりやすい着地です。新しい月額サービスに入り直す必要がなく、いま使っているアプリが賢くなる形になります。一方で、AppleがサブスクリプションでApple Watchの健康機能を収益化するという構想は、いったん後退したことになります。
9月9日、何を見ればいいのか
Appleのスペシャルイベントは現地時間9月9日午前10時、日本時間では9月10日(木)午前2時からです。Apple Watch Series 12とUltra 4が登場する見込みで、日本語のタグラインは「おはよう世界。」でした。
ここで刷新版ヘルスケアアプリの話が出るかどうかは、当日を見るしかありません。9to5Macも「9月に発表される可能性はそれなりにある」という書き方にとどめており、断定はしていません。仮に9月に出なかった場合、次に有力なのは10月のiOS 27.1のタイミングだとしています。
注目したいのは、これがハードウェアの買い替えを迫る機能かどうかです。前例に挙がった3つのうち、低電力モードと睡眠時無呼吸の検出は既存モデルでも使えるようになりました。今回のAI機能も、もし同じ扱いなら、いま持っているApple Watchのままで体験が変わることになります。
まとめ|出れば大きい、出なくても慌てなくていい
現時点で確かなのは、刷新版のヘルスケアアプリとAIヘルスコーチが予定より遅れていること、そしてAppleには9月に健康機能を発表してきた前例が3つあること。この2つだけです。9月9日に出るという確証はどこにもありません。
それでも、この刷新が来れば影響は小さくありません。Apple Watchはデータを集める力ではすでに十分な水準にあり、足りないのは集めたものを意味に変える部分でした。そこが埋まるなら、買い替えなくても手元の1台の価値が上がります。
新しいモデルを待っている方は、Apple Watch Ultra 4で何が変わるのかを整理した記事もあわせてご覧ください。9月9日のイベント内容は、発表され次第あらためてお伝えします。
Source: 9to5Mac ※記事中の画像はイメージです(出所:Unsplash)
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