Apple Watchを登山の「計器」にする無料アプリ「yamago」が公開|国土地理院の地形図が圏外でも見え、手首で標高・心拍・血中酸素まで

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登山GPSアプリyamagoの画面。iPhoneに高尾山の地形図と距離3.4km・獲得標高409m・気温26度、Apple Watchに獲得標高322mと心拍99bpm・SpO2 93%が表示されている

登山中、地図を見るたびにザックからiPhoneを取り出す。あの一手間をなくせないか、という発想から作られたアプリです。

株式会社ストロボファクトリーが開発した登山GPSアプリ「yamago(ヤマゴ)」が、App Storeに登場しました。iPhoneとApple Watchに対応し、Apple Watchを山行中の「計器」として使うことに重心を置いた設計です。

ダウンロードと基本機能は無料。Apple Watchとの完全連動やオフライン地図のダウンロードを含む「PRO」は、月額500円/年額5,000円です。

手首だけで、地図と体の状態が見える

登山GPSアプリyamagoのApple Watch画面。左から地形図、獲得標高322mの標高グラフ、心拍数99bpm

左から地形図、標高グラフ、心拍数。画面を切り替えて確認する(画像:ストロボファクトリー)

Apple Watch側で確認できるのは、距離、行動時間、獲得標高、心拍数、血中酸素(対応機種のみ)、気温です。表示は切り替えられ、地図も全画面で軌跡つきで出ます。

登山用のGPSウォッチを別に買えば近いことはできますが、それには数万円かかります。Apple Watch Ultraのような山向けモデルを含め、すでに手元にあるApple Watchを、山に行く日だけ役割を変えて使う。その入り口として設計されているのがこのアプリです。

なお、心拍や血中酸素はApple Watchが測った値をそのまま表示したもので、体調を判定するための数値ではありません。

圏外でも地図が消えない

登山GPSアプリyamagoのApple Watch画面。左から地形図、485m地点の気温22℃、記録中の獲得標高322mと距離3.2km

気温は標高による補正値とあわせて表示される。記録中の画面には獲得標高・距離・心拍・血中酸素が並ぶ(画像:ストロボファクトリー)

山で困るのが電波です。yamagoは国土地理院の地形図を使い、登山口にいるうちに周辺の地図タイルを読み込んでおく仕組みを備えています。開発者によれば、これによって圏外に入ってからも等高線と登山道が表示され続けるといいます。

加えて、行動範囲の地形図を事前にまとめてダウンロードしておくこともできます。こちらはPROの機能です。

記録面では、GPS軌跡に加えて獲得標高・距離・行動時間を自動計算します。App Storeの説明では、GPSの揺れを移動平均と不感帯で取り除いて実際に登った分だけを積算する仕組みで、高尾山での実測では標高差396mに対して誤差数メートルだったとしています。編集部へ寄せられた情報では、獲得標高の誤差は0.7〜2.5%だったとのことです(いずれも開発者による検証値で、第三者の検証ではありません)。

写真とメモを添えた山行ノートも残せます。

タイムラインもランキングもない

このアプリの性格がよく出ているのが、あえて載せなかった機能のほうです。

国内の登山アプリではYAMAPやヤマレコが定番です。他の登山者の記録を見て計画を立てたり、自分の山行を共有したりできることが、この2つの大きな価値になっています。yamagoはその方向には進みません。他のユーザーの記録が流れるタイムラインも、記録を競うランキングも設けていないからです。位置情報と登山記録は、本人の端末とiCloudにのみ保存されるとしています。

記録はiCloudに保存されるので、機種変更しても引き継がれます(保存数を制限なく使えるのはPROです)。データはGPXとCSVで書き出せて、心拍データも一緒に出力されるため、表計算ソフトで自分なりに分析することもできます。端末は数年で手放すものだと考えると、記録の持ち出し先が用意されているのは安心材料です。

無料とPROの線引き

登山GPSアプリyamagoの画面。iPhoneに高尾山の地形図と距離3.4km・獲得標高409m・気温26度、Apple Watchに獲得標高322mと心拍99bpm・SpO2 93%が表示されている

iPhoneに地形図、Apple Watchに標高や心拍を表示する(画像:ストロボファクトリー)

上の画面は、Apple Watch側が経過55分時点で獲得標高322m・距離3.2km・心拍99bpm・血中酸素93%、iPhone側はその数分後、経過58分時点で距離3.4km・獲得標高409m・気温26度を表示しています。同じ山行の少し違うタイミングを写したものですが、手首だけでもiPhoneとほぼ同じ項目を追えることが分かります。

無料のままでも使えますが、山で本領を発揮する機能はPROに集まっています。

区分 内容
無料 ダウンロードと基本機能
PRO
月額500円/年額5,000円
Apple Watchとの完全連動
オフライン地図のダウンロード
iCloudへの無制限保存
GPX/CSVエクスポート

年額は月額を12か月ぶん払う場合(6,000円)より1,000円安く、割合にすると約17%引きです。月に何度も山に入る人なら年額、シーズンだけの人なら月額という選び分けになります。

PROには30日間の無料トライアルが用意されています。購読は自動更新で、期間終了の24時間前までにキャンセルできるとされています。まずは無料版で地図と記録の使い勝手を確かめ、Apple Watch連動とオフライン地図が要ると感じたらトライアルに進む、という順番が無理のない試し方です。

対応環境と、知っておきたいこと

必要な環境は次のとおりです。

項目 内容
対応OS iOS 17.0以降
watchOS 10.0以降
アプリサイズ 3.5MB
カテゴリ ナビゲーション
価格 無料(App内課金あり)

watchOS 10以降が必要なので、現行世代はもちろん、数世代前のモデルでも動く条件です。

一方で、押さえておきたい点もあります。まず、これは個人が開発して公開したばかりのアプリで、App Storeの評価も本稿執筆時点で1件(5.0)にとどまります。実績を見てから選びたい人は、レビューが積み上がるのを待つ判断もあります。

そしてアプリ自体は医療機器ではなく、診断や治療を行うものではありません。この点はApp Storeの説明にも明記されています。山での体調判断を、手首の数字だけに頼らないほうがよいのは他の健康計測アプリと同じです。

yamagoをApp Storeで見る

まとめ

yamagoは、すでに手元にあるApple Watchを、山の日だけ計器に変えるためのアプリです。手首で距離・獲得標高・心拍・血中酸素(対応機種のみ)・気温を見られて、地図も全画面で出る。国土地理院の地形図を先に読み込んでおくので、圏外でも等高線と登山道が見えます。

タイムラインもランキングもなく、記録は自分の端末とiCloudに置かれる。GPXとCSVで持ち出せる。YAMAPやヤマレコが持つ「みんなの記録を見る」楽しさは対象外なので、そこを重視する人には物足りないはずです。逆に、共有はいらないから手首で数字を見たいという人には、この割り切りが合います。

専用のGPSウォッチを買う前の一歩として、あるいは年に数回の登山のために数万円は出せないという人にとって、選択肢がひとつ増えた形です。

Source: yamago – 登山GPS・オフライン地図(App Store)/株式会社ストロボファクトリーからの情報提供/画像:ストロボファクトリー

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