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Apple Watch Ultraのコンパス頼りの尾道散策で「楽しい迷子」を味わう

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2024.01.05

Apple Watch Ultraの数ある特長のなかに精度の高いGPSとコンパスの機能が含まれます。

関連記事: Apple Watch Ultraの魅力と通常Series 8との違い18点を徹底解説!

GPSについては「L1と最新の周波であるL5の両方を統合した高精度2周波GPS」がApple Watch Ultraで初めて採用されています。

それだけでは私には何が何やらよく分かりませんが、通常のApple Watchで使われている1周波のGPSに比べると格段に精度が高く、とくに山間部や過密都市のような衛星からの通信に障害物が多い場所で威力を発揮するのだそうです。

コンパスは正確にはwatchOS10によるもので、通常のApple Watchにも装備されていますが、方角を知るだけではなく、道に迷った場合に足取りをたどることに役立つ「バックトレース」という機能がついています。

Apple Watch Ultra本来の目的は耐久系レースや登山などでユーザーをサポートすること。

GPSとコンパスの精度は自分の所在地と向かうべき方角を知るためにとても大切なはずです。

しかし、そうしたアドベンチャーだけではなく、見知らぬ町を訪ねて歩くような場面にもApple Watch Ultraは有効なのではないだろうか。

そんな疑問に答えるべく、ある実験を広島県尾道市で行ってみました。

北北東に進路をとれ

尾道駅前。前面が瀬戸内海に面し、後方の山に人家と古寺が密集している。

尾道は南側を瀬戸内海に面し、北側には山が迫り、平地が少ない土地です。

実験の場にこの尾道を選んだことには2つの理由があります。

道路が非常に狭く、坂が多く、そして複雑に入り組んでいることがそのひとつ。

もうひとつは私自身がそれまでに訪ねたことがなかった未知の土地であることです。

ナビゲーションなしに歩けば間違いなく道に迷うでしょう。

自分がどこにいるのか、どちらの方角を向いているのか、きっと分からなくなるに違いありません。そんなときにApple Watch UltraのGPSとコンパスは私に歩むべき道へと導いてくれるだろうか。それを知りたかったのです。

目的地を御袖天満宮の石段としました。

映画『転校生』で主人公2人の体が入れ替わる階段落ちシーンの舞台と言えば、覚えている人もいるかもしれません。

出発点の尾道駅前でiPhoneのマップを見ると、目指す御袖天満宮は北東のやや北より、距離は約1.5キロと出てきました。迷わず行けば、徒歩でも約20分程度で到着するはずです。

ここからはあえてナビゲーションを封印し、Apple Watch Ultraのコンパスだけを頼りに歩いてみたというわけです。

文学と映画と坂の街

尾道を一望する千光寺へのロープウェイ。もちろん歩くこともできる

尾道には志賀直哉と林芙美子が住んでいたことがあり、それぞれの作品舞台となったことで知られています。……というのは観光パンフレットの受け売りで、浅学菲才の私はそのどれも読んだことはありません。

小津安二郎監督の『東京物語』も尾道が主要な舞台になっていますが、私はこの名画もDVDで観ようとして挫折しました。

そんな私でも、大林宣彦監督「尾道三部作」のひとつ『転校生』だけは印象に残っていて、つまり私の尾道に対するイメージはこの映画だけしかありませんでした。目的地を御袖天満宮にしたのはそのためです。

いざ歩きだしてみると、想像していたよりはるかに狭い道路が複雑に入り組んで、険しい坂道や階段が多く、そしてとても魅力的な街でした。

北北東に向かって歩けばよいとは分かっていても、当たり前のことですが直線で進むことはできません。

人がすれ違うのがやっとくらいの幅の道路や階段がすぐにどこかに突き当たり、仕方なく右へ左へと曲がっているうちに、自分がどちらの方角に進んでいるか分からなくなります。

ひとつ曲がり角、ひとつ間違えて、と往年のヒット曲を口ずさみながら歩きました、とは冗談だとしておきます。

楽しい迷子(負け惜しみにあらず)

Apple Watch Ultraのコンパスが進むべき方向を示す

それでもApple Watch Ultraのマップは現在地を示してくれますし、御袖天満宮への道筋も教えてくれます。ナビゲーション機能を使えばもっと簡単なのでしょうが、今回はマップで把握した方向をコンパスで確認しながら進むという方法に固執しました。

結果としては、無事に御袖天満宮へ到着し、映画で見たあの石段の上に立つことができました。感慨無量です。

御袖天満宮の石段

2人で石段を転げ落ちるシーンを真似した動画をSNSにアップする人もいるそうです。私もあと30歳くらい若ければやってみようかなと思ったかもしれません。

最短では尾道駅から約1.5km、20分程度で着くはずが、実際には3km以上、1時間以上かかってしまいましたが、その分、尾道の街歩きを満喫することができました。

着いたはいいけど、帰り道が分からない、なんてこともありませんでした。

ヘンゼルとグレーテルは森の中に置いておいたパンを鳥に食べられてしまい、家に帰る道を見失ってしまいましたが、私にはApple Watchのコンパスが備えた「バックトレース」機能という心強い味方がいたからです。

アップルのユーザーガイド:バックトレースを使って、Apple Watchで足取りをたどる

こうした街歩きはアップル社が想定しているApple Watch Ultraの用途ではないかもしれません。

それでも、誰もがハードな登山や耐久レースをするわけではありませんので、こんな使い方もアリかな、と個人的には思います。

左:iPhoneのマップが示した最短距離と方角
右:筆者が実際に歩いた道のり

●執筆者プロフィール 角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー走部監督を務める。年に数回、フルマラソンやウルトラマラソンを走る市民ランナーでもある。フルマラソンのベストタイムは3時間26分。公式Facebookは https://www.facebook.com/WriterKakutani

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ガチの運動好きのApple Watch Ultra 使用レビュー【日常生活編】

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